パターンナンバー:A008P
- 特に優れた性能
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- サイズ
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- 対応ボディタイプ
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製品特長
Features
蘇ったYOKOHAMA A-008P
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1988年――。
YOKOHAMAに
新たな1ページが加わった。
ポルシェ専用ハイパフォーマンスタイヤ、
YOKOHAMA A-008Pの誕生だ。
YOKOHAMA A-008Pの“P”はPORSCHEの頭文字。
それは、ポルシェのためだけに開発された
モデルの証でもある。
1988年にポルシェの技術承認を
受けたYOKOHAMA A-008Pは、
911をはじめとする当時の
ポルシェスポーツモデルに純正採用され、
ポルシェファンの熱狂的な支持を受けた。
時は流れて現在――。
当時のポルシェは、今やクラシックモデルと呼ばれるようになった。
そんなクラシックポルシェを愛するファンの
タイヤに対する熱いラブコールが、YOKOHAMAに届く。
その声に応えよう。
YOKOHAMA A-008P、再び降臨する――。
YOKOHAMA A-008P開発ストーリー
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ポルシェの技術承認を得ることが難関なのは、世界的に有名な話だ。その最大の理由が、リアエンジン後輪駆動(RR)の世界屈指のハイパフォーマンス・スポーツカー、911の存在にある。RRの911をより安全により速く走らせるために、ポルシェはタイヤへ高い性能を求める。
1982年。独自にYOKOHAMAは、ポルシェの純正装着タイヤの開発に着手する。
翌1983年にはポルシェから正式な依頼を受け、911カレラ3.2用の205/55VR15、225/50VR15の開発が始まった。それを進めるうちにYOKOHAMAの高い技術力が認められ、ポルシェから新たに開発依頼されるタイヤサイズが増えていった。
そう書くと順調に事が進んだようだが、当然ながらその開発はどれも簡単ではなかった。
ポルシェが求めるのは第一にドライ性能。もともとYOKOHAMAはウルトラハイパフォーマンスタイヤを得意としているため、この点は開発当初から高い評価を得られていた。ところが、その次に求められるウェット性能(耐ハイドロプレーニング性能)、ノイズ性能(低パターンノイズ、低ロードノイズ)、高速性能(ZR規格であること)を同時に満たすのが困難だった。
それら難問を、幾度ものトライ・アンド・エラーを繰り返した末に高いレベルで突破し、ポルシェ標準装着タイヤとしてYOKOHAMA A-008Pは10種類以上のモデルに採用されることになった。
ポルシェオーナーズクラブが認め、A008からYOKOHAMA A-008Pへ
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1980年代初めのこと。
YOKOHAMAは海外への販売戦略のひとつとして、サーキットを走る人たちをイメージして開発したウルトラハイパフォーマンスタイヤ、“ヨコハマA008(日本名:アドバンHFタイプD)”を欧州で発売した。するとこのタイヤは、瞬く間にサーキット走行を楽しむユーザーの人気を博すことになる。そして、それらユーザーの中に、ポルシェオーナーズクラブがあった。彼らの多くはポルシェにA008を履いてサーキットを走り、高い評価を下していた。その噂が、いつしかポルシェに届く。
こうして彼らがポルシェに履かせていたA008は、困難な開発とテストをクリアし、ポルシェ専用のYOKOHAMA A-008Pとして生まれ変わった。
優れた総合性能を追及するための構造
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1980年代初頭ですら200km/h超の巡航速度を持っていたポルシェがタイヤに求めたものは、安定した高速走行性と高速耐久性、高速操安性だった。もちろん同時に、安全性、快適性なども満たしていなければならなかった。YOKOHAMA A-008Pの構造は、それらの性能を実現するために生み出されたもの。
ジョイントレスナイロンフルカバー
2枚のスチールベルト全体を被うような繋ぎ目のないジョイントレスナイロンフルカバーを2枚巻く構造の採用により、均一なトレッド剛性を確保することに成功した。
スチールベルト
ベルト素線径の細いしなやかな剛性を持つベルト材を採用。これにより高速域におけるトレッドの接地面積が安定する。この結果が、より安全性の高い走行に繋がる。
スチールレインフォースメント(16インチサイズに採用)
コーナリング時におけるたわみを防止するために、ビート部を補強するフィラーの外側にスチールレインフォースメントを配置。すっぽりとフィラー部を被うようなフルレングスとしたことで、サイドウォールの強度がアップした。このフィラーへの高密度素材の採用により、動力性能と居住性能という相反する性能をともに満たすことができた。
超高速域でのグリップは、コンパウンドで差が出る
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ドライ時、ウェット時の操縦安定性は、トレッドコンパウンドに大きく左右される。単純にグリップ性能を高めるには、柔らかいコンパウンドを採用し、トラクションのみを追求すればいい。だが、それでは高速で巡航する際の安全性や経済性にまで影響を及ぼす。大切なのは高次元なバランス。それを実現した。
デュアルレイヤートレッドコンパウンド
トレッドコンパウンドを2層構造とした。ニューポリマーと超小粒径カーボンブラックの配合をあらゆる角度から検討。外側のキャップトレッドコンパウンドは、高熱や摩耗に対する問題をクリアしながら、強力なグリップ力をもたらす。また、内部のアンダートレッドコンパウンドは耐熱性に優れ、超高速域の蓄熱問題も解決する。と同時に、高速時の直進安定性やレーンチェンジ時のシャープなレスポンスにも寄与する。
バランスのとれたサイドウォール剛性
正確な操縦性能とスムーズさ、タイトなコーナリング性能を発揮するのに重要なものがサイドウォール。そこには、高い剛性とフレキシビリティさを与えた。
独自の非対称トレッドパターン
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独自の非対称トレッドパターンを採用。これは、YOKOHAMAのレース活動で得たノウハウをフィードバックさせたもの。
ディンプルを配したセミスリックパターン
コーナリング時に多大な荷重のかかるOUTWARDS側は、セミスリック形状とした。これがトルクを有効に路面に伝え、スポーツドライビングに不可欠なソリッド感を与える。また、一列になるディンプルはハイスピードコーナリング時における好ましくない蓄熱を防ぐのと同時に、剛性のバランスも高める。
4本のワイドストレートグレープ
直進時の排水のためにあるのが、ワイドストレートグループ。雨の高速道路でも、不安のない排水性能をもたらし、鋭いレスポンスと優れた直進安定性能を確保する。
セミヘリカルグループ
コーナリング時の排水は、トレッド全体に刻まれたセミヘリカルグループが主に担う。コーナリング時、右コーナーでは左側、左コーナーでは右側から排水されれば、路面追従性は損なわれない。このセミヘリカルパターンが、コーナリング時の理想的な排水を素早く効率的に行うことでグリップを確保する。
幅広のストレートリブ
ややOUTWARDS側寄りのラグ溝のないストレートリブにより、主にドライ路面の直進性とトラクション性能が高まる。
非対称なのはトレッドパターンだけではない
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YOKOHAMA A-008Pの独自の性能を高いレベルで引き出すために、トレッドパターンだけでなく断面形状も非対称に設定。OUTWARDS側とINWARDS側の形状を変えることで、ポルシェの高いコーナリング性能をさらに向上させた。
OUTWARDS側のスクエアショルダー
セミスリックパターンによって高めた剛性をさらに引き上げられるように、OUTWARDS側のショルダー形状はややスクエアにした。加えて、ラジアスは内側と比べ大きめの作り。これらが、コーナリング時の接地圧が外側に移行した際のたわみ現象やローリングを防ぐ。
INWARDS側のラウンドショルダー
外側のスクエアショルダーがコーナリング時の剛性を高めることに主眼を置いているのに対し、INWARDS側ショルダーはラジアスを小さめにしてある。これは路面からの影響を抑え、追従性を高めるためのもの。同時に内側をラウンド形状にしたことで、操舵の際のキレをシャープにする。
フロントタイヤとリアタイヤ
フロントとリアで異なるプロファイルを採用。前後に異サイズのタイヤを履くポルシェの性能を余すことなく引き出す。
YOKOHAMAで戦ったレーシングポルシェ
目次へ戻る国内に目を向けると、全日本耐久/全日本スポーツプロトタイプカー選手権において、1985年からポルシェ956、962Cが3連覇を含む4度の栄冠を獲得。そのほか、1994年の全日本GT選手権GT1クラスで、911RSR-Tが全5戦中優勝1回、2位1回。2000年全日本GT選手権GT300クラスでは、911GT3Rが全8戦中優勝3回、2位1回でチャンピオンに輝いた。さらに、2005年のスーパー耐久シリーズST-1クラスでは911GT3が全8戦中優勝7回、2位1回という完全勝利で王者となっている。また、世界が注目するル・マン24時間でも、2000年に911GT3RがLM-GTクラスで優勝を果たした。 もちろん、これらADVANカラーのポルシェは、YOKOHAMAで戦ったポルシェの一部に過ぎない。
かつても今この瞬間も、世界のあらゆるレースシーンにおいて、YOKOHAMAを履くレーシングポルシェは活躍し続けている。
YOKOHAMAとポルシェの歴史
目次へ戻る1988年にポルシェに初めて技術承認されたYOKOHAMA A-008P以降も、YOKOHAMAはポルシェの技術承認タイヤを開発してきた。 それは、911やボクスター、ケイマンというスポーツモデルだけでなく、SUVのカイエンや4ドアスポーツサルーンのパナメーラと幅広いものだ。 YOKOHAMAのポルシェの技術承認タイヤへの挑戦は、これからも続く。

991カレラ後期型に採用されたADVAN Sport V105

ポルシェ社の承認を示す『N0』マークが打刻されている
1988年 | 「YOKOHAMA A-008P」が、911ターボ3.3(Gシリーズ)用タイヤとして技術承認取得。 |
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1989年 | 「YOKOHAMA A-008P」が、964 カレラ2、4用タイヤとして技術承認取得。 |
1989年 | 「YOKOHAMA A-008P」が、928 S4、GT用タイヤとして技術承認取得。 |
1989年 | 「YOKOHAMA A-008P」が、944 S2、Turbo用タイヤとして技術承認取得。 |
1990年 | 「YOKOHAMA A-008P」が、964ターボ3.3用タイヤとして技術承認取得。 |
1991年 | 「YOKOHAMA A-008P」が、964ターボ3.3へ新車装着。 |
1991年 | 「YOKOHAMA A-008P」が、928用タイヤとして技術承認取得。 |
1992年 | 「YOKOHAMA A-008P」が、964ターボ3.6へ新車装着。 |
1997年 | 「AVS S1-Z」が、986ボクスター2.5の技術承認取得。 |
2001年 | 「A.V.S Sport」が、986ボクスターSに新車装着。 |
2005年 | 「ADVAN Sport V103」が、997カレラ4に新車装着。 |
2006年 | 「ADVAN Sport V103」が、957カイエンに新車装着。 |
2010年 | 「ADVAN Sport V103」が、958カイエン前期型に新車装着。 |
2014年 | 「ADVAN Sport V105」が、958カイエン後期型、980パナメーラ後期型に新車装着。 |
2016年 | 「ADVAN Sport V105」が、991カレラ後期型、718ボクスター、718ケイマンに新車装着。 |
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