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2023年06月23日

ADVANが取り組む環境課題

アドバンはモータースポーツを通じて進化・成長を遂げてきたブランドである。だからこそ、次の時代にこのバトンを受け渡すためには、「モータースポーツだから」、「スポーツ性能だから」と言って様々な環境課題を無視できないと考えている。つまり、将来も多くの人にモータースポーツを継続的に楽しんでもらうためには、最も厳しいフィールドで、それらと向き合うことが大事である……と。

これまでモータースポーツは「走る実験室」と呼ばれてきたが、それは「速さ」を証明する事で技術が進化してきた歴史があるからだ。しかし、今回はそれに「環境対応」と言うこれまでになかった要求項目が加わったのだ。そう、モータースポーツの未来は環境に配慮する意識がなければ「持続」できない。

その一つの取り組みが2022年にJRP(日本レースプロモーション)が立ち上げたスーパーフォーミュラ活性化に向けた新プロジェクト「SF NEXT50」での、サステナブル素材・リサイクル素材を採用したタイヤ開発である。ただし、単に「環境に優れるタイヤを作ればOK」ではなく、「グリップ力も耐摩耗性能も一切犠牲することなく」と言う条件付きだ。
そんな高いハードルが与えられた開発陣だが、石油由来の素材から配合比率を見極めながら自然由来の素材への置き換え、天然ゴムに加えアブラヤシの実やオレンジの皮から生成した自然由来の配合剤の活用、更には廃タイヤから再生したリサイクルゴム、マスバランス式の合成ゴムなども用いたモータースポーツタイヤを開発。2023年シーズンから実戦投入を開始している。

タイヤは環境要素が入ると「性能が下がる」と言うイメージに捕らわれがちだが、このタイヤは「性能が犠牲にならなければ、環境にいいモノのほうが良い」を証明している。ドライバーから「レースをする上での性能は特に変わらない」と反応は上々だ。
この他にも環境に配慮したモータースポーツタイヤの開発を手掛けており、2022年パイクスピークで総合優勝したマシンに供給したタイヤには、バイオマス由来のブタジエンゴムが採用されている。(アドバンA052)

そしてさらにこのスーパーフォーミュラ用やパイクスピーク用のタイヤを含めたアドバンのモータースポーツタイヤは、横浜ゴム・三島工場で生産されるが、実はこのモータースポーツタイヤ専用生産ラインで使用する全ての電力は2022年1月より100%再生可能エネルギー由来の電力に切り替えが完了している。そう、モータースポーツタイヤのカーボンニュートラル生産化に向けた取り組みもスタートしているのだ。

そんな横浜ゴムのCO2削減に向けた取り組みは、2030年に2013年比でCO2排出量を38%削減、2050年には100%削減が目標だ。一方、サステナブル材料の開発は、2025年までに再生可能/リサイクル原料の使用率を27%、2030年までに30%以上、2050年にはサステナブル原料100%が目標となっているが、その先陣を切ったのがアドバンなのである。ちなみにアドバンの名はAdvance(進める、前進する)と言う言葉の造語となるが、これらの取り組みを見ると、まさに「時代の先駆者」と言えないだろうか?