THE YOKOHAMA RUBBER
RECRUITMENT

材料・研究開発系社員対談

技術力のコラボレーションで
新たな価値を生み出す
横浜ゴムといえば「タイヤ」をイメージするだろう。
しかし、原材料の研究やタイヤ以外の製品開発など、多種多様なモノづくりに関わる仕事がある。
今回、それぞれの職種で活躍するお二人に、仕事の内容ややりがいを聞いてみた。
工芸科学研究科 物質合成化学専攻 修了
2019年 新卒入社
研究先行開発本部 MB材料技術部 原料開発グループ
京都府出身。大学での研究分野は高分子の合成。学生時代はバレーボールに熱中し、社会人になった今も地域のチームに所属して汗を流す。
O.T.
工学府・応用化学専攻 修了
2019年 新卒入社
材料機能研究室
神奈川県出身。大学での研究分野は低分子の合成。横浜ゴム入社後、同期に教わったウイスキーにハマり、週末はスコッチをたしなむ。
H.R.
技術力と社風に感じた「相性の良さ」
本日はよろしくお願いします。
お二人は同期だそうですね。まずはお二人が横浜ゴムを志望された理由を教えてください。
こうやって改めて話すのも気恥ずかしいな。久しぶり……って感じでもないし。
同じ平塚製造所で働いていて、たまに顔も合わせるしね(笑)。そうそう。志望理由だったね。じゃあHくんから。
僕からか(笑)。大学時代は低分子の研究をしていたので、有機化学系の知識を生かせるような会社を志望していました。素材メーカーや自動車部品メーカーも考えていましたが、たまたま横浜ゴムのインターンに参加しました。
どういう内容だったの?
2日間の日程で、事業所や工場を見学したり、タイヤの配合について学ぶ座学があったりしたよ。当時はタイヤについての知識がなかったから、タイヤの形を保つために金属繊維などがいろいろ入っているとか、加硫(ゴムと硫黄を反応させ弾性や耐熱性を与えること)を促進するための薬剤を加えているとか、知らないことが多くて驚いた。
それが入社の決め手に?
それもあるけど、一番は社員の方の雰囲気かな。物腰が柔らかくて、アットホームな印象があって、この会社なら自分と相性がいいかもしれないと思えた。その印象は、入社した今も変わらないかな。
分かる。僕も最終的な決め手は出会った方々の人柄だった。説明会では就活生一人ひとりに温かく接してくれて、「いい人たちだな」という印象だった。面接のときも、他の会社ではいつもガチガチに緊張していたのに、横浜ゴムのときだけリラックスできた。
O君は、もともとタイヤに興味はあったの?
大学で高分子を学んでいて、ゴムに関する授業や実験もあったから、なんとなくゴムは身近に感じていたよ。就職活動では、最終製品に関わる仕事がしたくて、「生活になくてはならないもの」「化学の知識が生かせるもの」を考えたとき、浮かんできたのがタイヤメーカーだった。
さまざまな関係者と連携したモノづくり
現在の仕事内容について教えてください。
横浜ゴムはタイヤ以外にも、自動車のエアコンホースや、建機の油圧ホース、工場で使われるコンベヤベルト、航空機部品など、多種多様なMB(マルチプルビジネス)製品を製造しています。私が所属するMB材料技術部は、MB製品に使われるゴムの開発や、原料の管理などを担う部署で、中でも私は「補強材」と呼ばれる繊維や金属原料の開発を担当しています。
さっき僕が「タイヤの形を保つために金属繊維などがいろいろ入っている」と話してたけど、その「いろいろ」のことだよね。
まさに。補強材は製品の「骨格」となる部分で、荷重や圧力に耐える役割がある。タイヤやホース、コンベヤベルトなら糸や帆布、ワイヤなどが補強材にあたる。横浜ゴムは補強材の生産はしていないので、開発は国内外の原料メーカーとディスカッションしながら進めているよ。
どんな性能の補強材が必要なのか、設計部門とも話さないといけないだろうし、仕事で関わる人は多そうだね。
そうだね。製品を評価する部門はもちろん、原料を工場まで運ぶ調達部門とも関わるし、製造現場にもよく立ち会っているよ。こちらは性能を向上させたつもりでも、現場の方々の感覚では「以前より加工しづらくなった」というときもある。だから、現場で現物を確認したり、作業者の方に話を聞いたりすることを大切にしている。
MB製品は平塚で生産されているから、現場にも行きやすいしね。
H君は、材料機能研究室だったよね?
そう。サステナブル資源を用いた合成ゴム開発のプロジェクトに携わっているよ。合成ゴムの原料となる石油はいつか枯渇する資源だし、カーボンニュートラルの観点からも代替資源への置き換えが求められている。いくつかアプローチがある中で、自分はバイオエタノールから合成ゴムをつくる手法を研究しています。
石油から合成ゴムをつくるのに比べて、どういうところが難しいの?
最初に、バイオエタノールを触媒と反応させてブタジエンというガスをつくるのだけど、このときどうしても副生成物ができてしまうから、その量をいかに抑えるかがポイントになる。あとはブタジエンガスを溶剤に溶かして、重合させることでゴムをつくっていくのだけど、これも大変だったな……。
すごいな。ミクロの世界だ。
今のところ、合成ゴムの作成からタイヤの試作まで、一通りの工程は実現できた。だけど最終的なゴールは製品化。外部の共同研究先と連携しながら、触媒を改良したり、量産に向けて製造プロセスを最適化したり、ゴムが実用に耐えられるかを評価したりしないといけない。まだまだ課題は多いよ。
初めから終わりまで、すべてに携わるのは大変だろうけど、そのぶん手応えも大きそうだね。
スペシャリストを目指して
仕事のどのような部分にやりがいを感じますか?
さまざまな製品に関われるところです。MB製品は多種多様な種類があり、補強材の材質や形態、求められる性能も多岐にわたります。そのすべてを網羅するためにも、先輩や設計部門、現場の方々のお話を通じて、知識を深められることにやりがいを感じています。
既存の補強材の特性をきちんと理解していないと、新しい補強材の開発も難しそうだよね。
うん。以前、ホースの新規開発プロジェクトで、既存ホースで使っていた補強糸ではホースが理想の性能にならなくて、糸も新規で開発したことがあったよ。既存の補強糸を改めて解析し、過去の知見から仮説を立てて、検証を繰り返していった。改善策を施した試作ホースが試験をクリアできたときは、達成感があったね。
僕は原料メーカーや共同研究先などのやりとりを通じて、さまざまな人や情報に触れ合えることにやりがいを感じます。視野が広がる感覚があって、とても刺激になりますね。
確かに、自部署だけに閉じた仕事の方が少ないよね。入社当時は「こんなに多くの人たちが関わるのか」と驚いた。
バイオエタノールからタイヤを試作したときも、外部の研究機関に1週間以上出張して装置を使わせてもらったり、別の外注先に副生成物を取り除いてもらったり、社内でゴムを練ったり。慣れない作業に右往左往したけど、最後にタイヤが完成したときは感動したな。
こうして振り返ると、コミュニケーションの大切さを学ぶことが多いよね。お願いごとをするにも、自分の中に「これをやりたい」という意志を明確に持っていないと、相手を困らせてしまうし。
そうそう。僕はもともと人に何かを依頼をするのが苦手で……。できることなら自分で全部やってしまいたいタイプだった。でも、そんなことは仕事において不可能だから、せめて感謝は忘れないようにしている。円滑に仕事を進めるためにも、「ありがとうございます」の一言は大事だと思っている。
最後に今後の目標を教えてください。
タイヤの原材料に通じたスペシャリストになりたいです。タイヤの製造工程の中でも、原材料などの「川上」を担うことが多かったので、せっかくなら川上を極めたい。将来、他の工程を担当することになっても、その知識は必ず役に立つと思っています。
もともと「たくさんの製品に関われるのが楽しそう」と感じてMBへの配属を志望しました。今後は補強材の知識はもちろん、MBのさまざまな製品についての知識を深めていきたいですね。それと、横浜ゴムはタイヤ以外の製品も手がけていることを、もっと広く知ってもらいたい!
確かに。あとは、社名が「横浜ゴム」だからゴムのイメージが強いけど、ゴム以外の分野を研究していた人にも会社を知ってほしいな。僕らのように有機化学を専攻していた人も、無機化学や金属を研究していた人もいる。むしろ、ジャストでゴムの研究をしていた人の方が少数派かも。
もちろん大学で学んだことは生かせるけど、入社してから勉強することの方が多いしね。学生の皆さんには「大学の専攻にこだわりすぎなくても大丈夫だよ」って言ってあげたいな。
貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。印象的だったのは、お二人とも社内外とのコミュニケーションを大切にしていること。技術職や研究職だからといって、一人で黙々と手を動かすわけではなく、さまざまな関係者の力を借りることで、新たな価値を生み出せるのだと感じました。これからも、横浜ゴムの新たな可能性を切り拓いていってください。
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