THE YOKOHAMA RUBBER
RECRUITMENT

機械・電気系社員対談

「機械・電気」×「横浜ゴム」
あなたの知らない
タイヤの世界
機械・電気系と聞くと、自動車メーカーや電機メーカーをイメージすると思う。
しかし、実はさまざまな業界で活躍のフィールドがある。横浜ゴムもそのうちの一つ。
今回、平塚製造所の近くにある「湘南寮」で、機械・電気系社員の2人に話を聞いてみた。
タイヤ研究開発部
2015年 新卒入社
自然科学研究科 機械科学専攻 修了
富山県出身。高等専門学校専攻科を卒業後、大学院に進学。学生時代は、研究とカラオケに熱中し、ハイトーンボイスは今でも顕在。体を動かすのも好きで、野球やゴルフなどアクティブな休日を過ごす。
K.S.
施設管理部 電気計量グループ
2015年 新卒入社
電気電子情報工学科 非線形システム工学研究室 修了
熊本県出身。高専卒業後、学部3年生として編入。学部卒業後は、大学院に進学。子どもの頃に見た「ロボコン」でモノづくりに興味を持った。学生時代にエレキギターにハマり、電子機器に本格的な関心を抱くようになる。
A.N.
生かせる知識は想像以上でした
本日はよろしくお願いいたします。お2人は同期だそうですね。
まずはご自身の就職活動と横浜ゴムへの入社の決め手について教えてください。
気恥ずかしいですが、仲は良いと思います(笑)。2人とも、ここ湘南寮に住んでいて、暇さえあればK君の部屋に行って、とりとめもないことを語っていますね。
だね(笑)。あと、今私たちがいる共用スペースも、社員の溜まり場になっていますね。年次問わず多くの社員が交流しています。と、あまり仲良いアピールしてもしょうがないから、本題に移ろうか。じゃあ、まずはA君から。
電機メーカーを中心に就職活動を行いました。高専から大学院にかけて電気について学んだため、就職先もその知識を生かせる仕事がよかったので。でも、何社か選考を受けているうちに、自分の知識が生かせる業界は、何も電子機器に限ったことではないと気付いたんです。メーカーであれば、必ず生産設備などさまざまな機械が稼働していて、それを動かすためには電気が必要。それに制御に関する知識も求められます。広い意味で、モノづくりに関わる、モノづくりに貢献するという考え方にシフトチェンジしました。
私も高専から大学院まで機械系の構造振動学を研究してきたので、その知識や経験は就職先でも生かしたいと考えていました。ただ、この分野は応用範囲がとても広いんです。ですから、はじめから業界を絞ることはしませんでした。製品に対するこだわりも特になかったですね。むしろ「構造」×「何か」というキーワードで企業を選んでいました。構造だけでなく、そこに他の分野を掛け合わせることで、それまで研究してこなかった新しいテーマに挑戦できると思いました。
「構造」×「何か」か。そこからなぜ横浜ゴムに?
きっかけは企業研究をしているときに、たまたま横浜ゴムの研究論文を手に取ったことかな。その中に構造振動学に関するものがあった。ただ、どちらにしても、横浜ゴムはタイヤメーカーなので、活躍できるのは化学系がメインだろうと思っていた。「まあ、受けるだけ受けてみよう」と面接を受けてみたら、面接官の方がすごく丁寧にタイヤについて話してくれてね、それまで自分が勉強してきたことが生きる分野だと知ったんだ。確かに考えてみればそうかもしれない。タイヤは構造や振動と密接に関係している製品だから。ところで、A君の入社理由は?
私は横浜ゴムの業界シェアが1位ではないところに魅力を感じたよ。
ん? どういうこと?
追われるより、追う立場の会社に入りたかった。そして、常に目標を持って仕事に励み、自分の活躍で首位の会社に追いつきたいと考えていた。
なるほど。そもそもタイヤメーカーに興味を持ったきっかけは?
熊本で生まれ育って、それで高専から大学へ編入する際に新潟に引っ越したんだ。そのとき初めて冬タイヤを履いた自動車を運転して、タイヤの重要性をひしひしと感じた。だから、電機メーカー以外を受けようと思ったときに、まずタイヤメーカーが頭に浮かんできた。
仕事は常に「誰か」のためにある
現在の仕事内容を教えてください。
私の所属する施設管理部の電気計量グループは、管理標準の改編や受電設備の設計・立上げ、電気制御の設計・立上げ、省エネ活動の推進、計量管理を行っています。
また、タイヤの素材として使う原料ゴムは、天然ゴムや合成ゴム、カーボンブラックなどを混ぜてつくります。しかし、容量を間違えてしまうと理想通りの原料ゴムはできません。原料ゴムをつくる際の重さや長さを測定する機器の管理や、高精度の計量を実現するための手順書を法律やISO(国際標準)、JIS(日本工業規格)の変更に基づいて改訂しています。
私はタイヤ研究開発部に所属していて、将来必要になる技術やテーマを見極めて、先行開発や課題の抽出を行っています。タイヤの開発は、技術的にかなり進歩していますが、実はまだまだ解明できていない部分が多いんです。タイヤはゴムやワイヤー、繊維などで構成されるため、どこか一部を変えるだけで、性能が大きく変わってしまいます。難しいことばかりですが、その分面白いですね。
最近だと、低燃費性のニーズも年々高まってきているから、考えなければならないテーマは多いね。
そうだね。あとは、静粛性も重要なテーマかな。それらは法によって性能が規制されることが多い。だから将来の法規制を推測しながら技術開発に取り組んだりもしている。
今までで印象深かった仕事は何ですか?
タイヤの低燃費性に大きく寄与する性能として、「転がり抵抗」が挙げられます。これは、自動車の走行中、タイヤが前進するのを妨げようとする抵抗力のことで、近年注目度が高まってきているテーマの一つです。その技術開発の成果を、先日自動車メーカーの方々に直接報告してきました。タイヤ研究開発部の社員は、業務の性質上お客様に直接会うことは少なく、私自身は初めてでした。そこで改めて実感したのは、私たちの仕事は常にお客様の要望が起点となっているということ。もちろん、研究開発の仕事は自身の興味・関心が必要です。しかし、企業の社員として働くからには、常に「誰かのために」ということを意識しなければならないと再認識しました。
誰かのために……。すごく分かるなあ。
でも、A君もお客様と直接関わることは少ないんじゃないかな?
うん、少ないよ。私の場合の「誰か」とは、現場作業員の方々のこと。以前、工場設備課の実習中に、作業員の方々とカーボン計量器の検査をしたことがあった。作業としては、中2階くらいの高さに位置するはかりに、いくつかの分銅を運ぶというシンプルなもの。でも、分銅の重さは1つ20キロもあって、さらには防護服と防塵マスク、保護メガネを付けての作業だったから、思いのほか大変でね。終了後、中に着ていたTシャツを絞ってみると汗が滴った(笑)。
す、すごい(笑)。
現場作業員の方々は、あのようなことを毎日のようにしているんだなあ、と改めて気付いたんだ。だから、現場での作業の負担を少しでも減らせる設備を、自分の手で設計したいという思いが強くなった。
ものすごく大切だね。それが結果的に、タイヤの生産性を高め、ゆくゆくは事業全体に良い影響をもたらすことになるからね。
未知なるものだから、面白いんです
最後に、機械・電気系の学生の皆さんに向けて、メッセージをお願いします。
私の仕事は、工場の生産をサポートして作業効率の向上に貢献すること。それが、結果的に製品の品質や性能につながります。ただ、生産のサポートと言っても、机上の空論だけでできるものではありません。自ら現場を回り、作業手順などを目で確認し、ときには現場作業員の方々の意見も伺いながら、着実に進めていく必要があります。なので、もし横浜ゴムに興味を持っていただき、入社してもらえたら、現場を大切にしてほしいと思います。
タイヤの性能において、ゴムそのものの化学的性質は重要です。ただ、それと同じくらいタイヤの構造も非常に重要な役割を担っています。ですから構造と性能の関係性を考えられるのは、機械系の人間にとって大きな強みになります。しかも、そこにはゴムという未知の物質が加わってくるのです。とても面白く、刺激的な研究テーマだと思いますよ。好奇心旺盛な人には向いているのではないでしょうか。それなのに……。
それなのに?
それなのに、この面白さに気付いて、志望してくれる学生が少ない……。
うん。現に私もそうだったように、就職活動のタイミングで、機械・電気系の学生がタイヤメーカーで働く醍醐味に気付くのは、なかなか難しいことかもしれないね。
もったいないって思ってしまうなあ。最終的に選ぶ就職先が横浜ゴムであっても、あるいはそうでなくても、学生の皆さんにはとにかく視野を広げて、とにかくさまざまな業界を見てもらいたいです。
それで、もしご縁があったら、一緒に働いてみたいですね。
ところで、さっき「仕事は誰かのためにある」と話していたけど、A君、プライベートではどうなの? 誰かのために仕事をしているのかな?
うん、それはまた今度にしようか(笑)。
すまん、すまん(笑)。
ありがとうございました。特に最後のくだりなど、まだまだお伺いしたいことはありますが、ひとまずこのへんで。とても貴重なお話を聞くことができました。タイヤメーカーである横浜ゴムだからこそ味わえる仕事の醍醐味を、学生の皆さんにお伝えできたと思います。ところで、同期であるお2人。さすがの仲の良さですね。「機械」「電気」と分野は異なりますが、これからも刺激を与え合いながら、活躍していってください。
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