アニュアルレポート2018

CSRハイライト

環境貢献商品100%達成

2017年度末、世界の横浜ゴムグループの全商品における環境貢献商品比率100%を達成しました。「全ての商品を環境貢献商品にする」ことを環境GD100に掲げ、2006年度から環境負荷低減を目指して取り組み、当初の目標どおり2017年度に達成しました。

環境貢献商品比率の推移

環境貢献商品比率の推移

環境貢献商品規定(4つの考え方) とアセスメントの仕組み
環境貢献商品の認定にあたっては自社独自の評価基準を設け、原料調達から廃棄・リサイクルまでにおいて4つの環境機能(地球温暖化防止、資源再生・循環、省資源、安全・快適性)全ての項目の評価を従来品よりも平均5%以上、かつ、いずれも下回らないことを義務付け、それを達成できない場合は新たな商品化ができない仕組みを導入しました。新商品の開発は必ず設計審査(デザインレビュー)の場で、目標設定の内容や開発で目標を達成したかが審査されます。その設計審査審議の中に、環境貢献商品規定をクリアしないと商品開発の出口を出れない仕組みとして環境アセスメントチェックを盛り込みました。環境保全を重要な責務と考え、今後もこれまで取組んできた環境負荷を与えない商品開発の仕組みは改善を加えつつ継続していきます。

4つの環境機能と環境評価指数

※スマートフォンではスワイプ機能が利用できます。

4つの環境機能と環境評価指数
最新の軽量化設計によるライトウエイト低燃費タイヤ「BluEarth-air EF21」を開発
低燃費タイヤの最高峰にさらに最新の軽量化設計技術による環境貢献をプラスした「BluEarth-air EF21」を日本国内向けに2017年12 月より数量限定で発売しました(予定数販売終了)。「BluEarth-air EF21」はタイヤ軽量化により車体重量を減らし燃費向上を図るとともに、使用原材料を減らすことにより環境負荷の低減に貢献しています。最新の軽量設計技術を採用し、軽量で薄くかつ高剛性な構造を実現し、質量において約25%の軽量化を実現しました※1、2
「BluEarth-air EF21」は国内タイヤラベリング制度において転がり抵抗性能「AAA」、濡れた路面の制動性の高さを示すウェットグリップ性能「a」の最高グレードを獲得しており、優れた低燃費性能と高い安全性を発揮します。「BluEarth」シリーズは「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした当社のグローバルタイヤブランドです。

※1:「ADVAN dB V551」との比較。当社の一般的な質量のタイヤとして設定。
※2:性能データについてはタイヤ公正取引協議会に届け出てあります。

BluEarth-air EF21

【ライトウエイトタイヤコンセプト】
※質量の軽減率

ライトウエイトタイヤコンセプト

「ADVAN dB V551」と「BluEarth-air EF21」の断面図

①トレッド:約13%軽減
②サイドウォール:約10%軽減
③ビードワイヤー:約2%軽減

「YOKOHAMA千年の杜」50万本の植樹達成

「YOKOHAMA千年の杜」プロジェクトでは環境GD100の「トップレベルの環境貢献企業になる」のスローガンに基づき、2007年11月11日に実施した平塚製造所での植樹を皮切りに国内14拠点、海外の8カ国20拠点において植樹を実施し、2017年9月に目標の50万本を達成しました。さらに植樹を続け、12月末までに525,662本を植樹しました。このプロジェクトは「参加者の環境意識の啓発」「防災、環境保全林の形成」「温暖化抑制への貢献」「生物多様性の維持」「地域社会とのコミュニケーション」を目的にただ木を植えるだけではなく、地球環境・地域社会の“命を守る緑環境再生活動”として取り組んできました。「YOKOHAMA千年の杜」の活動は当社の全従業員の参加による活動を特徴としています。苗木をつくるためのどんぐり拾い、どんぐりのポットへの植え付け、植樹のためのマウンドづくり、実際の植樹とその後のメンテナンスなどの作業を従業員自らが汗をかき、力をあわせて取り組んできました。
Yokohama Industrial Products-Hangzhou Co., Ltd.での植樹祭Yokohama Industrial Products-Hangzhou Co., Ltd.での植樹祭
Y.T. Rubber Co., Ltd.での植樹祭Y.T. Rubber Co., Ltd.での植樹祭
Yokohama Tire Manufacturing Mississippi,LLC.での植樹祭Yokohama Tire Manufacturing Mississippi,LLC.での植樹祭
Yokohama Manufacturing Virginia LLC.で植樹され、成長した樹々Yokohama Manufacturing Virginia LLC.で植樹され、成長した樹々

持続可能な天然ゴムの生産支援―アグロフォレストリーの取り組み

天然ゴムは当社グループの原材料使用量の約1/4を占め、タイヤをはじめ当社ゴム商品には欠かせない原材料です。原材料の安定確保と調達先の環境保全の一環としてタイの天然ゴム加工会社であるY.T.Rubber Co., Ltd.(YTRC)では天然ゴム林に果樹などの農作物や木材となる樹木や竹などを混植するアグロフォレストリー農法の普及を支援していまアグロフォレストリーは天然ゴムだけでなく果実や木材など複数の作物から収穫が得られることで農家の収入が安定するほか、様々な植物からの落葉・落枝が土壌の湿度を高め、分解されて肥料にもなり、さらに昆虫やコウモリ、野鳥などに利用されるため生物多様性保全にも寄与します。
当社は天然ゴムを持続可能な資源とするため、これからもアグロフォレストリーの普及を支援していきます。
Y.T.Rubberでのレクチャーの様子Y.T.Rubberでのレクチャーの様子
農家との話し合いの様子農家との話し合いの様子
アグロフォレストリー農法を取り入れた天然ゴム林アグロフォレストリー農法を取り入れた天然ゴム林

YOKOHAMA まごころ基金

2016年5月、従業員による社会貢献基金「YOKOHAMAまごころ基金」を設立しました。希望する従業員の給料から天引きして積み立て、国内外への災害義援金の寄付や社会貢献活動を行っている団体への支援を行っています。当社はマッチングギフトとして、まごころ基金からの支援額と同額の支援を行っています。団体への支援として、これまでに環境保全活動や国際交流活動、子どもたちの教育支援・医療支援などに取り組むNPOやNGOなどへの寄付を行ってきました。2017年度は同基金と当社から災害義援金を含む10件の寄付を行い、寄付金の合計額は約610万円となりました。

YOKOHAMA まごころ基金

外部評価

当社はFTSE4Good Index、FTSE Blossom Japan Index、MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数、モーニングスター社会的責任投資株価指数に選定されています。FTSE4Good IndexはESG投資を行う投資家の判断基準として世界的に活用されており、当社は2005年より13年連続で選定されています。FTSE Blossom Japan IndexとMSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数は、2017年7月3日から年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が選定した3つのESG投資指数のうちの2つに選ばれています。

<FTSE4Good Index>

ロンドン証券取引所グループの完全子会社で指数の構築と管理を行う大手グローバルインデックスプロバイダーであるFTSE Russell社が提供するESG投資指数。2017年6月時点で全世界の883社、日本では148社が選定されています。

<FTSE Blossom Japan Index>

FTSE Russell社が提供するESGの対応に優れた日本企業のパフォーマンスを反映する指数です。2017年6月時点で151社が選定されています。

<MSCIジャパンESG セレクト・リーダーズ指数>

世界の主要な投資家にリサーチに基づく指数やポートフォリオ分析を提供する米国企業でESGリサーチの最大手であるMSCI社が作成した日本銘柄を対象とした指数です。2017年6月時点で251社が選定されています。

<モーニングスター社会的責任投資株価指数>

モーニングスター社と特定非営利活動法人のパブリックリソースセンターが開発した日本で最初に開始された日本企業を対象とする社会的責任投資株価指数。上場企業約4,000社を対象にアンケート調査などで絞り込み法令遵守、環境、社会性、人材活用に優れた150社を選定しています。
FTSE4Good
FTSE Blossom Japan
MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数
モーニングスター社会的責任投資株価指数

国内生産拠点・海外グループ会社の社会貢献活動2017年度に実施した活動の一部をご紹介します。

≪三重工場≫

東日本大震災の復興支援として宮城県女川町の2つの保育所に規格外のタイヤ計53本を活用し、遊具や柵を設置しました。三重工場では物資提供や庁舎の片付けなど震災直後から女川町の支援を続けています。

≪三島工場≫

環境保全活動に取り組むNPO法人「グラウンドワーク三島」と静岡県三島市と沼津市の境界に位置する松毛川の河川再生活動を行いました。工場周辺の生物多様性保全活動を通じ、静岡県のレッドリスト絶滅危惧2類「ミシマバイカモ」を増やす活動を推進しています。

≪Hangzhou Yokohama Tire Co., Ltd.(中国)≫

中国政府の提唱に応じて積極的に障がいのある方々を採用し、22名在籍しています。人事・総務部と連携しながら、各個人のレベルにあわせた作業を行い、2017年度の杭州市障がい者雇用モデル企業として表彰されました。

≪Y.T.Rubber Co., Ltd.(タイ)≫

約100名のミャンマー出身の従業員が天然ゴム加工のオペレーターとして働いており、通訳の設置や多言語での掲示によりコミュニケーションに問題が無いよう工夫をしています。毎月全オペレーターと管理職のミーティングを行い、問題が起きる前に把握し、改善に努めています。敷地内の社宅は生活費など基本的に無償となっており、遠方から来た従業員の生活を支えています。

≪Yokohama Tyre Vietnam Inc.(ベトナム)≫

特に若年層の交通法規の意識を高めるため、安全なタイヤの選び方と使い方についての安全啓発キャンペーン「Safety start with me」をショッピングモールなどで行っています。また、子ども向けのサッカー教室の練習の後に記念撮影を行い、安全標語が入った写真ケースを配布して交通安全の大切さを感じてもらっています。
設置した遊具とともに記念撮影をする三重工場の従業員たち設置した遊具とともに記念撮影をする三重工場の従業員たち
三島工場での環境保全活動の様子三島工場での環境保全活動の様子
Hangzhou Yokohama Tireで働く障がいのある従業員Hangzhou Yokohama Tireで働く障がいのある従業員
Y.T.Rubberの社宅Y.T.Rubberの社宅
Yokohama Tyre Vietnamの安全啓発活動の様子Yokohama Tyre Vietnamの安全啓発活動の様子
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