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2023年度通期は売上収益1兆円へ

代表取締役社長 山石 昌孝

2023年度上期の四半期利益は18.8%増

2023年度上期の経済は、国内の景気は緩やかに回復しています。海外では米国は製造業の低迷が続いていますが、自動車製造業は低迷を脱しつつあります。また、中国はサービス消費の回復が継続しているものの、素材部門を中心に需要が伸び悩み、欧州は外需低迷の継続や高インフレが景気の重石である状況が続いています。こうした中、当中間期の売上収益は前年同期比13.2%増の4,432億円、事業利益は同7.8%減の256億円、営業利益は同4.6%増の282億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同18.8%増の277億円となりました。MIX改善や値上げの浸透および拡販に努めたほか、遊休資産の売却や米国タイヤ卸売子会社の譲渡などにより最終増益となりました。2023年度通期の業績予想は5月公表値を据え置き、売上収益1兆円、事業利益845億円、営業利益870億円、当期利益570億円を予定しています。配当金は中間を前回計画から1円増配の一株当たり34円、年間では68円を予定し、3期連続の増配を計画しています。

高付加価値品比率は順調に伸長

当社は2021年度から3カ年の中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」に取り組んでいます。タイヤ消費財では「高付加価値品比率最大化」を掲げ、「ADVAN」「GEOLANDAR」「ウィンタータイヤ」の構成比率を2019年度の40%から50%以上にすることを目標としています。このため「ADVAN/GEOLANDARの新車装着の拡大」「補修市場でのリターン販売強化」「ウィンタータイヤを含む商品のサイズラインアップ拡充」「各地域に合致した販売施策」に取り組んでいます。当上期も各活動を強化し、「ADVAN」「ウィンタータイヤ」と18インチ以上の商品は前年を上回る販売伸長となりました。下期も本年のテーマである「泥試合」の下「GEOLANDAR」の拡販と、誕生45周年となる「ADVAN」の最大化を進め、今秋には両ブランドの新商品を海外市場で発売します。これまで進めてきたMIX投資も本格稼働し、三重工場の大型SUVサイズは2021年度比で約1.4倍、新城工場の18インチ以上は同約1.5倍に増強されます。こうした活動により高付加価値品比率の最大化に努めます。

OHT事業はさらなる成長のステージへ

タイヤ生産財では「コスト」「サービス」「DX」「商品ラインアップの拡充」をテーマに掲げ、市場変化を「探索」しています。「さらなる成長ドライバー」と位置付けているOHT事業では、5月にTrelleborg Wheel Systems Holding ABの買収が完了し、新たにY-TWSとしてスタートしました。Y-TWSが加わることでOHT市場全体での当社のポジションは2022年度の売上ベースで3位、農業機械用タイヤでシェア1位、産業車両用タイヤでシェア2位になると想定され、OHT事業をさらなる成長ステージへ押し上げる準備が整いました。トラック・バス用タイヤ(TBR)事業は米国ミシシッピ工場の改善が進み、同工場の今年度の生産本数は過去最高となる見込みです。国内では世界的なEVシフトに向けた取り組みを強化しました。下期はOHT事業ではYOHTのインド・ヴィシャカパトナム工場の第2期増強について2024年度の完了に向けた準備を計画通りに進めるほか、Y-TWSは開発した農業機械用タイヤの空気圧管理支援ツールによって効率面からユーザーにアピールします。TBR事業は新商品開発を含めEV市場への対応を推進します。

MB事業全体の改善が奏功

MB(マルチプル・ビジネス)事業は強みであるホース配管事業と工業資材事業にリソースを集中し、安定収益を確保できる構造を確立します。当上期は「100日プラン」の下、事業全体で意思決定の迅速化、組織の見直しなど収益改善に取り組み、数年ぶりに売上収益、事業利益ともに公表値を達成しました。下期も公表値達成を目指し、北米での自動車用ホース配管の生産再編の完了、国内コンベヤベルト事業のシェア最大化の継続、そしてソリッド防舷材市場への参入を開始し国内から販売を行います。

サステナビリティ活動を着実に進展

当社は「未来への思いやり」のスローガンの下、事業活動を通じた社会課題への貢献を持続的な企業価値向上に繋げています。環境分野において「カーボンニュートラル」では太陽光発電システムの稼働や再生可能エネルギー由来電力の導入など生産拠点のカーボンニュートラル化を進めたほか、社会面では働き方改革や人権尊重の取り組みが進展しました。下期も各活動を推進し、EV向けタイヤ開発や生産拠点のカーボンニュートラル化、本社機能を移転した神奈川県平塚市での地域活動、政策保有株式の縮減などをさらに進めます。

PBR1倍に向けて企業価値を向上

当社はPBR1倍を目指して持続的な企業価値の向上に取り組んでいます。その基本方針として、株主の皆様には自社株買いではなく、事業成長でお応えしたいと考えています。「YX2023」の3年間では約3,900億円の戦略投資を成長事業に集中して実行する一方、経常投資は減価償却費の範囲内で進めました。また、営業キャッシュフロー2,300億円の創出とともに、遊休資産や事業売却などで約600億円の原資を捻出しました。今後も投資家の皆様との積極的な対話を通して当社への理解を深めていただけるよう努めてまいります。

当社は今後も世界中のお客様から信頼される企業として成長してまいります。株主の皆様におかれましては、さらなるご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2023年8月