トップメッセージ

厳しい経営環境の中、増収増益を確保

代表取締役社長 山石 昌孝

海外のタイヤ販売とOHTが好調

2022年度上期の日本経済は景況感が下押ししているものの、世界経済の回復を背景に持ち直しの動きが見られました。海外は米国で製造業に弱含みの兆しがあるものの、中国は多くの都市で工場操業が再開し最悪期を脱しつつあります。欧州の景気回復は緩やかとなりました。こうした中、当中間期の売上収益は前年同期比28.8%増の3,915億円、事業利益は同5.3%増の277億円、営業利益は同44.6%減の269億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同36.9%減の233億円となりました。タイヤ市場は厳しい経営環境が継続したものの、海外のタイヤ販売や農業機械用などオフハイウェイタイヤ(OHT)の販売が好調に推移したほか、為替円安も寄与し増収増益となりました。2022年度通期の業績予想は2月公表値を修正し、売上収益8,550億円、事業利益625億円、営業利益605億円、当期利益420億円を予定しています。配当は中間を一株当たり33円とし、年間では66円を予定しており2期連続の増配を計画しています。

高付加価値品の販売は伸長

当社は2021年度から3カ年の中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」に取り組んでいます。タイヤ消費財では「高付加価値品比率最大化」を掲げ、「ADVAN」「GEOLANDAR」「ウィンタータイヤ」(以下AGW)の構成比率を2019年度の40%から50%以上にすることを目標としています。このため「ADVAN/GEOLANDARの新車装着の拡大」「補修市場でのリターン販売強化」「ウィンタータイヤを含む商品のサイズラインアップ拡充」「各地域に合致した販売施策」に取り組んでいます。当上期は「ADVAN」がトヨタ自動車「bZ4X」とSUBARU「ソルテラ」の2つのBEV(バッテリーEV)に、「GEOLANDAR」が「Lexus LX」に装着されました。補修市場では2022 年度を「ヨコハマ夏の陣」と位置付けて「ADVAN」の2つの新商品を中心とした販売強化に努め、AGWと18 インチ以上の商品の販売伸長は昨年上期を上回りました。下期には新城工場の新設ラインでの生産と三重工場の増産を開始し、18インチ以上の生産能力の構成比率は2023年度には41%となる見込みです。

TWSと買収合意・YOHTインド新工場が稼働

タイヤ生産財では「コスト」「サービス」「DX」「商品ラインアップの拡充」をテーマに掲げ、市場変化を「探索」しています。当上期は「さらなる成長ドライバー」と位置付けているOHT事業強化のため、3月に Trelleborg Wheel Systems Holding AB(TWS)の買収についてTrelleborg ABと契約を締結しました。 TWSの企業価値は20億4,000万ユーロ、EBITDAマルチプルは約9倍で下期以降の買収完了を予定しています。TWS買収発表後も当社のキャッシュ・フロー創出力が評価され、日本格付研究所(JCR)格付は「A+」を維持しています。下期は当初2023年度に稼働予定だったインドのヴィシャカパトナム工場での生産を8 月より前倒しで開始しました。新工場はOHT生産販売子会社であるYokohama Off-Highway Tires(ヨコハマ・オフハイウェイタイヤ=YOHT)の生産能力増強のために建設したもので、これにより2022年度末のOHT生産能力は2019年度比で約4割増となります。トラック・バス用タイヤ事業では米国ミシシッピ工場の改善が進み、2022年度の生産本数は過去最高となる見込みです。三重工場では小内径サイズの増産投資を行います。商品ではスタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤの新商品を投入し拡販に努めます。

MBの生産強化と構造改革は着実に進行

MB(マルチプル・ビジネス)事業は強みであるホース配管事業と工業資材事業にリソースを集中し、安定収益を確保できる構造を確立します。ホース配管事業では北米における自動車用ホース配管の生産体制を再編しています。工業資材事業ではコンベヤベルトの国内シェア最大化を掲げ、国内では上期に約5割までシェアを伸ばしています。さらなる拡大に向け平塚製造所の生産能力を増強し、2023年10月より生産を開始する計画です。航空部品事業の工業資材事業との統合は3月に完了しました。

全てのESG課題に取り組む

「未来への思いやり」というスローガンの下「地球環境のために」「製品を通して」「地域社会と共に」など5つのマテリアリティを事業戦略に結びつけ、基本理念「心と技術をこめたモノづくりにより幸せと豊かさに貢献します」の実現を目指します。環境活動の重要課題であるカーボンニュートラルは「2050年にネットゼロ」を、サーキュラーエコノミーは「2050年にサステナブル原料使用率100%」を目標に掲げています。また、海洋分野への取り組みとして8月に神奈川県栽培漁業協会へ活動支援金を寄付しました。環境だけでなく地域共生、人権尊重、ダイバーシティ、コーポレートガバナンスなど全てのESG重要課題に取り組み、持続的な企業価値向上に繋げていきます。

YOKOHAMAデジタル戦略を策定

当社は「YX2023」においてAI(人工知能)やセンサー技術などデジタル技術の活用を推進してきましたが、このたび「YOKOHAMAデジタル戦略」を策定しました。同戦略の下「YX2023」の「深化」と「探索」による変革をさらに加速させ「深化」ではプロセスの変革による競争力の強化「、探索」では新たなお客様の価値・サービスを創造しレベルアップを図ります。また「風土改革」として働き方改革を推進します。今後も企業価値を向上させるためにデジタルを駆使し、さらなる成長に向け持続的な変革を牽引していきます。

当社は今後も世界中のお客様から信頼される企業として成長してまいります。ステークホルダーの皆様におかれましては、さらなるご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2022年8月