ニュースリリース
横浜ゴム、IoTを活用した次世代タイヤマネジメントシステム「T.M.S」をリニューアル
デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し輸送ビジネスをサポート
2020年09月01日
- タイヤ関連
- 技術関連
横浜ゴム(株)はIoTを活用した次世代タイヤマネジメントシステム「T.M.S(ティーエムエス)」をリニューアルし、9月10日よりサービスを開始します。同時に第4世代となるトラック・バス用タイヤ空気圧モニタリングシステムの新商品「HiTES4(ハイテスフォー)」を発売します。タイヤに関するデータをインターネットで繋ぎ、摩耗予測、最適な商品および運用プランの提案を迅速に行うことで輸送ビジネスの課題解決に貢献します。
「T.M.S」はヨコハマタイヤのセールス担当者が輸送事業者様を訪問した際に取得する車両基本情報、装着タイヤ情報、タイヤ点検結果などの情報を管理するサービスで、2003年より全国の輸送事業者様向けに展開しています。2018年より横浜ゴム社内ではクラウドデータベースでの運用を試行してきましたが、今回、輸送事業者様からもアクセスいただけるようになりました。また、タイヤ点検台数の増加や点検ニーズの高まりなどを背景に、最新の「T.M.S」ではスマートフォンと連携するデプスゲージ(タイヤの溝の深さを測るデバイス)によってタイヤの溝深さの自動入力を可能とし、点検のスピードアップや効率化を実現しました。
「HiTES」はタイヤ内部の空気圧と温度をリアルタイムで確認することが可能で、管理値に達した際には警報を発するモニタリングシステムです。2003年に日本で初めて市場に導入し、2009年に第2世代、2013年に第3世代を発売しています。第4世代の「HiTES4」は管理値に達した際に音と色点滅で分かりやすく伝えるインジケーターを採用したほか、スマートフォンやタブレットで簡単にタイヤ状態を確認できる機能を追加しました。また、データ保存形式を見直し「T.M.S」のクラウドサーバーとの連携を可能にしました。
「T.M.S」と「HiTES4」を連携させることで、運行・整備管理者がトラックやバスと離れた場所からでも専用WEBページより、タイヤ内部の空気圧と温度や車両の位置を確認することが可能となります。さらに、モニタリングデータは当社独自のアルゴリズムにて解析することで、タイヤの耐久性を予測し、リトレッドタイヤとして再利用が可能かどうかの指標にもなります。
横浜ゴムは中期経営計画「グランドデザイン2020(GD2020)」においてタイヤ生産財事業を次の100年の収益の柱とすることを掲げ、トラック・バス用タイヤの拡販に取り組んでいます。次世代モビリティを見据えた重要なタイヤ拡販施策の一環としてデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みを加速しており、今回のトラック・バス用タイヤにおける「T.M.S」「HiTES4」のリニューアルに加え、乗用車用タイヤではアルプスアルパイン(株)と共同で乗用車用タイヤセンサーの開発を進めています。
「T.M.S」のサービスと導入メリット
サービス内容
<専門スタッフによる最適なタイヤ運用プランの提案>
ヨコハマタイヤ販売会社や販売店の専門スタッフがデータベースで一元管理したタイヤ点検データに基づき、より効率的で計画的なタイヤ運用プランを提案します。
<タイヤ点検データやタイヤ保有リストの閲覧>
インターネットを活用し、時間や場所を問わずにタイヤの点検データや保有リストを閲覧できます。
導入メリット
<タイヤ関連業務の負担軽減>
タイヤのプロに点検からデータ管理、分析、運用計画まで一任することでタイヤ関連業務の負担を軽減します。
<安心感と安全運行をサポート>
適切なタイヤ交換時期を提案できることで、事業者様やドライバーの安心感の向上と安全運行をサポートします。
<コストを削減>
適切なタイヤ交換時期だけでなく、最適な商品や運用プランの提案によりコスト削減に貢献します。
「HiTES4」との連携でコスト削減と安全運行をさらにグレードアップ
「T.M.S」と「HiTES4」の連携で実現するメリット
<リトレッドが可能な台タイヤの選別判定>
当社データベースに蓄積されたタイヤデータを基に当社独自のアルゴリズムで解析し、ケーシング(タイヤの内部構造)の残存寿命を予測する機能を新開発。この機能によりリトレッド可能な台タイヤが選別できます。
<車両から離れた場所にいる運行管理者もリアルタイムにタイヤの状態を把握可能>
「HiTES4」で取得したタイヤデータを「T.M.S」のクラウドサーバーに保存することでドライバーのみならず、運行管理者もリアルタイムにタイヤ内部の空気圧と温度、車両の位置情報を確認できます。これによりタイヤの異常を早期に発見し、車両火災やパンクなどのリスクを低減します。
※「T.M.S」でリアルタイム情報を確認するためには、別途移動体通信機器(スマートフォン、タブレット、モバイルルーター)を準備いただく必要があります。
<タイヤメンテナンス業務の負担軽減>
専用のWEBページで車両位置情報やタイヤ情報を確認できるため、運行管理者は計画的なタイヤメンテナンスが可能となりメンテナンス業務の負荷を低減します。
※「T.M.S」の開発は日本ユニシス(株)と、デプスゲージで測ったタイヤの溝深さ情報の自動入力技術の開発は京都機械工具(株)と協業で行ないました。日本ユニシスは日本で初めて商用コンピューターを導入して以来、システムインテグレーターとして今日の情報化社会や産業を支えるシステムを構築してきた企業です(https://www.unisys.co.jp/)。京都機械工具は高品質で安全な工具を提供する業界のリーディング・カンパニーです(https://ktc.jp/)。
「HiTES4」の新機能
「HiTES4」の新機能
<管理値に達した際に音と色点滅で知らせるインジケーターを開発>
従来の表示部をタイヤ内部の空気圧と温度が管理値に達した際にはドライバーに音とLEDの色の点滅によって知らせるインジケーターに変更しました(令和元年12月に改正された道路交通法「運転者の遵守事項」へ対応)。
<スマートフォンやタブレットでもデータを確認可能>
運行前後のタイヤ点検でタイヤ内部の空気圧と温度の詳細な数値またはタイヤのポジションを確認する場合には、専用アプリケーション(今秋提供開始予定)をインストールすることで、スマートフォンやタブレットから確認することが可能となります。
<「T.M.S」との連携が可能>
「T.M.S」との連携によりタイヤ内部の空気圧と温度、車両位置情報をドライバーだけでなく、運行管理者も専用WEBページで確認できます。
<故障予測機能を追加開発中>
受信したタイヤ内部の空気圧と温度のデータを利用し、ドライバーに万一の際のタイヤ故障を事前に知らせる「故障予測機能」の開発を進めています。
ウルトラワイドベースタイヤには「HiTES4」がオススメ
近年、ウルトラワイドベースタイヤの普及が進んでいますが、ウルトラワイドベースタイヤを使用している車両にはスペアタイヤが装備されないため、より確実なタイヤ管理が求められます。突然のタイヤトラブルによる車両事故や運行停止を防ぐために「HiTES4」での運行管理を推奨します。