S :Society
地域社会との共生

地域コミュニティ

KPI

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項目 2023年度実績 2024年度実績
生産拠点におけるコミュニティ活動・対話実施率 (連結)100% (連結)100%
地域コミュニティにマイナスの影響を及ぼす事業 (連結)0% (連結)0%

責任部門

各事業所
  • CSR企画室および環境保護推進室が事務局として方針の展開、情報共有を行っています。

考え方・目標

なぜ「地域コミュニティとのエンゲージメント」が重要取り組み項目なのか
理由と背景の解説

横浜ゴムグループは、現在42カ国で生産・販売活動を展開しています。当社グループが、ある地域で操業を開始、または撤退する場合、その地域コミュニティに対して環境影響や雇用などの社会影響を与えます。その影響は、各地域の事情によって異なるため、プラスの影響はどう拡大し、マイナスの影響はどう緩和すべきかを、地域コミュニティとエンゲージメントしながら検討・実行していくことは、当社グループの持続可能な経営にとって非常に重要なことだと考えています。

目指す姿(達成像)/目標

グローバルに事業を展開する私たちは、環境や法律、文化、習慣、経済などの面で地域社会と関係を持っています。国内外事業所の地域社会と良好な関係を築くことに努めています。2026年の目指す姿として、下記を掲げています。
  • 地域社会と共に生き、ゆるぎない信頼を築いている
    そのために、多様なコミュニケーションを取り、地域問題や地域の発展に取り組みます
  • ステークホルダーの声を聞き、それを反映する仕組みが国内外で整っている
  • 国内外での植樹および苗木提供の合計本数が2030年に150万本を達成している

目指す姿に向けた施策

目指す姿を実現するため、以下のようなさまざまな側面からのアプローチを検討し実施していきます。
  • 地域コミュニケーションとして住民懇談会を原則で年2回開催します。
  • 生物多様性保全活動を開始している国内生産・研究開発拠点※では、地域のNGOと連携した活動を行っています。生産拠点の近くで活動している日本野鳥の会の支部や自然保護団体から、野鳥や水生生物などの名前や生態を教えていただきながら生物モニタリングを行っていきます。
    ・・・2024年度の活動レビュー(1)
  • 生物多様性の重要性を語り合う「生物多様性パネルディスカッション」を行い、国内生産拠点の地域住民や自治体の皆さまと共に生物多様性保全の大切さを考える機会としていきます。
    ・・・2024年度の活動レビュー(2)
  • 「YOKOHAMA千年の杜」活動で育てている苗木を、地域で植樹活動を行っている学校、社会福祉施設、NPO等に提供していきます。
    ・・・2024年度の活動レビュー(3)
  • 東日本大震災の被災地復興支援として、当社は岩手県下閉伊郡大槌町が復興計画の一つに掲げた「鎮魂の森」づくりを支援するために、2012年から2015年まで「平成の杜」と名づけた防潮堤への植樹会を開催しました。2014年からは大槌学園(前身の大槌小学校時代を含む)による「ふるさと科」の学習として育樹・植樹活動を支援しています。
    ・・・2024年度の活動レビュー(4)
  • 当社は従業員によるボランティア活動を支援するために「ボランティア活動支援制度」および「ボランティア休暇制度」を制定しています。
    ・・・2024年度の活動レビュー(5)
  • 2016年5月に発足した「YOKOHAMAまごころ基金」では、従業員が毎月給与から積立てた基金から、社会福祉・貧困地域への教育支援・環境保全活動を行うNPOやNGO、社会福祉法人等への寄付のほか、災害発生時には災害義援金・災害救援金の寄付などを行っています。横浜ゴムは同基金から寄付した金額と同額をマッチングギフトとして寄付し、従業員の活動を支援しています。
    ・・・2024年度の活動レビュー(6)
  • 各国・地域にある拠点において、インフラ整備やサービスの支援を行っています。川の氾濫に対する修復のボランティア支援、学校遊具やトイレの製作、雨水を浄化して供給する装置の提供などを行っています。
  • 三重工場、新城工場、三島工場、尾道工場、茨城工場、長野工場、平塚製造所、ヨコハマタイヤリトレッド北海道事業所・埼玉事業所・名古屋事業所、D-PARC、愛知タイヤ

2024年度の活動レビュー

2024年度は以下のような活動を実施しました。
(1) 国内12拠点、海外8拠点の生産事業所で生物多様性保全活動を継続的に実施しました。
(2) 2023年に自然関連財務情報タスクフォース(TNFD)が最終提言を公開したことなどを受け、「新たな世界目標に向けた私たちの試み」をテーマに第10回生物多様性パネルディスカッションをオンラインで開催しました。パネリストの前環境事務次官で日本製鉄㈱顧問の中井徳太郎氏の基調講演やディスカッションを通じて、世界目標や枠組みに貢献することの意義や地域と一体になった活動の重要性について、グループ会社を含む生産拠点の従業員、関係のある行政の方々、地域住民、環境NPO等の多くのステークホルダーの方々と理解を深めました。
(3)「YOKOHAMA千年の杜活動」の苗木提供において、2024年度には、46,968本の提供を行いました。(累計574,100本)
(4) 2022年の完成まで当社が植樹を支援してきた岩手県上閉伊郡大槌町の「平成の杜」においては、完成後も社員が大槌町NPO・ボランティア団体連絡協議会の皆さんと共に子どもたちが植えた植樹マウンドの環境整備のボランティア活動に参加しており、2024年度も継続して草取りや鹿柵の補修を行いました。
(5)「社会貢献活動支援制度」により17件の従業員によるボランティア活動の支援を行いました。主な内容は各地で実施された植樹イベントへの従業員のボランティア参加や関連会社主催での海岸清掃イベント開催などでした。
(6) 各拠点では、地域のインフラ整備やサービスの支援を行っています。
  • 事例として、山東横浜ゴム工業制品有限公司(YRSC)では、地元政府(農業農村局)が主催する、大型台風に備えた防災演習に参加しました。農地に水があふれたという想定で土嚢の充填、あふれ出た箇所の封鎖、排水演習など2日間に渡る演習を行いました。
あふれ出た箇所の封鎖、排水の演習の様子
あふれ出た箇所の封鎖、排水の演習の様子

YOKOHAMAまごころ基金

国内外の災害発生時の支援、環境保全や子どもたちの支援に取り組む団体などに寄付しており、同基金と当社は2024年15件の寄付を行いました。
寄付金の合計額は約2,090万円でした。
「YOKOHAMAまごころ基金」は、基金に賛同する従業員(会員)から寄付(毎月100円~の希望額)を集め、支援したい団体を会員が推薦し、会員代表で構成する基金運営委員会で推薦団体を審査し、寄付の可否を決定します。
決定を受けた各種団体へ寄付を行うと共に、横浜ゴムは基金と同額を寄付する仕組み(マッチングギフト)となっています。
現在社員の40.6%(2024年12月時点)が加入しており、基金を通じて社員一人一人の「社会に貢献することの大切さ」に全社をあげて取り組んでいます。
(主な団体支援先)
認定NPO法人 チャイルド・ファンド・ジャパン
かながわ県立病院小児医療基金
認定NPO法人 フローレンス
(主な災害等の支援)
令和6年能登半島地震
2024年台湾東部沖地震
令和6年9月能登半島大雨

事例紹介

神奈川県および東日本地区における筋電義手普及活動支援

筋電義手(きんでんぎしゅ)※1を必要とする方々への支援の一環として、「かながわ筋電義手バンク」への活動支援金を寄付しました。
「かながわ筋電義手バンク」は、障がいのある方々の社会参加に向け総合的なリハビリテーションサービスを提供する社会福祉法人「神奈川県総合リハビリテーション事業団」により、筋電義手を必要とする方々への支援の一環として2022年4月に設立されました。
支援金はリハビリテーション施設における訓練用筋電義手の用意のほか、神奈川県および東日本地区における筋電義手の普及活動に使用されます。
  • 1 筋肉が収縮するときに生じる微弱な筋電位を利用して、本人の意思で指を動かせる電動の義手
筋電義手を装着した訓練の様子

浜ゴムエンジニアリング㈱(神奈川県平塚市)

横浜ゴムグループの浜ゴムエンジニアリング㈱は、2023年から年に2回神奈川県平塚市の虹ヶ浜海岸でビーチクリーン活動を実施しています。
活動にあたっては、横浜ゴムのボランティア活動支援制度を活用し、有志社員およびその家族が積極的に参加しています。
参加実績 全3回総計 83名
社員とその家族が、『未来のために行動したい』という同じ目的のもと集ったことで、自然と交流も深まりました。
地域の環境保全の大切さを考え、実践する機会となるこの活動は、今後も継続予定です。
2024年5月実施の様子
2024年5月実施の様子

Y.T. Rubber Co,Ltd.(YTRC)(タイ)

横浜ゴムの天然ゴム加工会社であるY.T.Rubber Co., Ltd.(ワイ・ティー・ラバー)は、同社が立地するタイ・スラタニ地区で、近隣企業および公的機関(学校、病院、寺院)との会合にも参加し、情報の交換を行い、寄付活動にも参加し地域の発展に協力しています。
地域の植樹活動やスポーツイベントにボランティアで参加したり、協賛を通じて、地域の発展のための取り組みを進めたりしています。
工場周辺の村で洪水が発生した際には、隣接する2つの村の全世帯に対して、洪水直後に飲料水と米を支給しており、大変感謝されています。
地元救急隊へYOKOHAMAタイヤを寄贈
学校運動会での飲料水支援
バレーボール大会支援

Yokohama Tire Manufacturing (Thailand) Co., Ltd. (YTMT)(タイ)

2024年度は地域社会に対する下記の活動を実施しました。
  • 千年の杜活動における苗木育苗・植樹や植樹指導、生物多様性学習、魚の放流、野生動物のすみかづくり・森林保全などを含む環境対応活動
  • 公道補修活動、地域行事への参加など、地域社会との関係強化活動
  • 寺院の保護を含む文化保護活動
  • ボランティア活動や寄付などの社会貢献活動

Yokohama Tire Philippines, Inc. (YTPI) (フィリピン)

3ウェイCSRプログラムを通じて、より多くの人々の生活に貢献

YTPIは、学校とのパートナーシップを通じて、苗の寄付、農産物の購入、健康的な生活促進などにより、さまざまな公立学校の野菜園を支援し続けています。新鮮で有機農法の農産物は、会社の社員食堂や学校ベースの給食プログラムで提供されています。これらの取り組みは、生徒と従業員の栄養状態を向上させるだけでなく、プログラムへの積極的な参加を通じて地域コミュニティの生活向上にも貢献しています。

YTPI奨学金プログラム

YTPIでは、教育の重要性を高め、社会の成長に大きく貢献する人材を育成することを目的としたYTPI奨学金プログラムを設け、有望な学生の就職の可能性を確保しながら、学業を完了する機会を提供しています。このプログラムは、授業料、諸費用、学校手当、短期講座など教育に必要なすべてをYTPIが負担しています。また奨学生にはOJT(On the Job Training)による社会に貢献する役割を担うためのスキルを学ぶ機会を提供することで、当国の教育の質の向上ならびに失業率の削減に貢献しています。

Yokohama Tyre Vietnam Inc. (YTVI)(ベトナム)

障がい者施設や孤児院への訪問と物資の寄付、ささやかながら心を込めた地域社会への支援活動を行っています。

国内工場における取り組み

各工場において、工場見学の随時受け入れ・職業体験、外周・地域の清掃活動、地域イベント・祭りへの協賛・ボランティア参加、献血活動への協力、非常食の寄贈、工場敷地の一部開放(グラウンド・公園)、出前環境授業など、様々な地域コミュニケーションを行っています。
定期的に工場外周の清掃活動を実施
敷地内の公園を開放(写真は新城工場のタイヤランド/ゴムラ)

今後の課題

地域社会・地域住民とのコミュニケーションをより丁寧に行い、私たちの事業活動と取組みへのご理解を頂きながら、今後も様々な地域にとってよい活動を実践してまいります。