コミュニティへの参画及びコミュニティの発展

地域コミュニティ

KPI

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項目 2021年度実績 2022年度実績
生産拠点におけるコミュニティ活動・対話実施率 (連結)100% (連結)100%
地域コミュニティにマイナスの影響を及ぼす事業 (連結)0% (連結)0%

責任部門

各事業所
  • CSR企画室および環境保護推進室が事務局として方針の展開、情報共有を行っています。

考え方・目標

なぜ「地域コミュニティとのエンゲージメント」が重要取り組み項目なのか
理由と背景の解説

横浜ゴムグループは、現在12カ国で生産活動事業を展開しています。当社グループが、ある地域で操業を開始、または撤退する場合、その地域コミュニティに対して環境影響や雇用などの社会影響を与えます。その影響は、各地域の事情によって異なるため、プラスの影響はどう拡大し、マイナスの影響はどう緩和すべきかを、地域コミュニティとエンゲージメントしながら検討・実行していくことは、当社グループの持続可能な経営にとって非常に重要なことだと考えています。

目指す姿(達成像)/目標

グローバルに事業を展開する私たちは、環境や法律、文化、習慣、経済などの面で地域社会と関係を持っています。国内外事業所の地域社会と良好な関係を築くことに努めています。2023年の目指す姿として、下記を掲げています。
  • 地域社会と共に生き、ゆるぎない信頼を築いている
    そのために、多様なコミュニケーションを取り、地域問題や地域の発展に取り組みます
  • ステークホルダーの声を聞き、それを反映する仕組みが国内外で整っている
  • 国内外での植樹および苗木提供の合計本数が119万本に達成している

目指す姿に向けた施策

目指す姿を実現するため、以下のようなさまざまな側面からのアプローチを検討し実施していきます。
  • 地域コミュニケーションとして住民懇談会を原則で年2回開催します。
  • 生物多様性保全活動を開始している国内生産・研究開発拠点※では、地域のNGOと連携した活動を行っています。生産拠点の近くで活動している日本野鳥の会の支部や自然保護団体から、野鳥や水生生物などの名前や生態を教えていただきながら生物モニタリングを行っていきます。
    ・・・2022年度の活動レビュー(1)
  • 生物多様性の重要性を語り合う「生物多様性パネルディスカッション」を行い、国内生産拠点の地域住民や自治体の皆さまと共に生物多様性保全の大切さを考える機会としていきます。
    ・・・2022年度の活動レビュー(2)
  • 「YOKOHAMA千年の杜」活動で育てている苗木を、地域で植樹活動を行っている学校、社会福祉施設、NPO等に提供していきます。
    ・・・2022年度の活動レビュー(3)
  • 東日本大震災の被災地復興支援として、当社は岩手県下閉伊郡大槌町が復興計画の一つに掲げた「鎮魂の森」づくりを支援するために、2012年から2015年まで「平成の杜」と名づけた防潮堤への植樹会を開催しました。2014年からは大槌学園(前身の大槌小学校時代を含む)による「ふるさと科」の学習として育樹・植樹活動を支援しています。
    ・・・2022年度の活動レビュー(4)
  • 当社は従業員によるボランティア活動を支援するために「社会貢献活動支援制度」および「ボランティア休暇制度」を制定しています。
    ・・・2022年度の活動レビュー(5)
  • 従業員が毎月給与から積立を行う2016年5月に発足した「YOKOHAMAまごころ基金」では社会福祉・貧困地域への教育支援・環境保全活動などさまざまな活動を行っているNPOやNGO、社会福祉法人等への支援や災害発生時の災害義援金への寄付などを行っています。横浜ゴムは同基金が拠出した金額と同額を拠出し(マッチングギフト)活動を支援しています。
    ・・・2022年度の活動レビュー(6)
  • 各国・地域にある拠点において、インフラ整備やサービスの支援を行っています。川の氾濫に対する修復のボランティア支援、学校遊具やトイレの製作、雨水を浄化して供給する装置の提供などを行っています。
  • 三重工場、新城工場、三島工場、尾道工場、茨城工場、長野工場、平塚製造所、ヨコハマタイヤリトレッド北海道事業所・埼玉事業所・名古屋事業所、D-PARC、愛知タイヤ

2022年度の活動レビュー

2022年度は以下のような施策を実施しました。
(1)国内12拠点、海外9拠点の生産事業所で生物多様性保全活動を実施しています。新型コロナウイルス感染拡大により、生き物調査(モニタリング)や外来種の除去(抜根等)や海岸清掃などは、2022年度も引き続き例年よりも回数・参加人数を減らして実施しました。
(2)「流域で守る生物多様性保全」をテーマに第8回生物多様性パネルディスカッションをオンラインで開催しました。今回はオンライン開催のメリットを活かし、日本の生産拠点と関係する行政、地域住民、環境NPO等をはじめ、多くのステークホルダーの方に参加いただきました。
日本自然保護協会保護部長の大野正人様からの「流域で生物多様性を考えるための「つながり」とは」のテーマで基調講演を頂き、三重工場での宮川流域を通した取り組み紹介を行い、企業が自然を守る意義についてパネリストによる議論を行いました。
(3)「YOKOHAMA千年の杜活動」の苗木提供において、2022年度には、37,036本、累計で498,664本の提供を行いました。
(4) 新型コロナウイルス感染拡大により2年間植樹を見送ってきましたが、2022年4月28日に、岩手県上閉伊郡大槌町立大槌学園4年生(小学4年生)の児童79名に植樹授業を行った後に、児童とともに大槌浄化センターの「平成の杜」マウンドに約530本の苗を植えました。今回の植樹は2012年から始まった平成の杜マウンドでの最終植樹となりました。2022年から大槌町NPO・ボランティア団体連絡協議会の皆さんと共に子どもたちが植えた植樹マウンドの草取りを開始しました。草取りの必要がなくなる植樹後3年をめどに皆さんとのマウンド整備の作業を進めてまいります。
(5)「社会貢献活動支援制度」により13件の従業員によるボランティア活動の支援を行いました。
主な内容は、衣料や学用品をフィリピンの貧困地域に届ける活動を行っているNPO法人に、従業員が集めた衣類や学用品などを送る活動への支援(9件)と各地で実施された植樹イベントへの従業員のボランティア参加(4件、13名参加)でした。
(6)各拠点では、地域のインフラ整備やサービスの支援を行っています。
  • 事例として、山東横浜ゴム工業制品有限公司(YRSC)では、地元政府(農業農村局)が主催する、大型台風に備えた防災演習に参加しました。農地に水が溢れたという想定で土嚢の充填、溢れ出た箇所の封鎖、排水演習など2日間に渡る演習を行いました。
溢れ出た箇所の封鎖、排水の演習の様子
溢れ出た箇所の封鎖、排水の演習の様子

YOKOHAMAまごころ基金

国内外の災害発生時の支援、環境保全や子どもたちの支援に取り組む団体などに寄付しており、同基金と当社は2022年13件の寄付を行いました。
寄付金の合計額は約5,112万円でした。今年3月に初めてウクライナ人道危機に対する支援を行いました。日本赤十字社および公益社団法人日本ユネスコ協会連盟を通じて、横浜ゴムから4,900万円、「YOKOHAMAまごころ基金」から100万円、合わせて5,000万円を寄付致しました。
「YOKOHAMAまごころ基金」は、基金に賛同する従業員(会員)から寄付(毎月100円~の希望額)を集め、支援したい団体を会員が推薦し、会員代表で構成する基金運営委員会で推薦団体を審査し、寄付の可否を決定します。
決定を受けた各種団体へ寄付を行うと共に、横浜ゴムは基金と同額を寄付する仕組み(マッチングギフト)となっています。
現在社員の約44.2%が加入しており、社員一人一人の「社会に貢献することの大切さ」を基金を通じて全社をあげて取り組んでいます。
(主な団体支援先)
特定非営利活動法人 フローレンスさま
かながわ筋電義手バンク(県立神奈川リハビリテーション病院)さま
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンさま

(主な災害等の支援)
ウクライナへの人道支援
令和4年3月福島沖地震
令和4年台風15号

事例紹介

神奈川県および東日本地区における筋電義手普及活動支援

筋電義手(きんでんぎしゅ)※1を必要とする方々への支援の一環として、「かながわ筋電義手バンク」への活動支援金を寄付しました。
「かながわ筋電義手バンク」は、障がいのある方々の社会参加に向け総合的なリハビリテーションサービスを提供する社会福祉法人「神奈川県総合リハビリテーション事業団」により、筋電義手を必要とする方々への支援の一環として2022年4月に設立されました。
支援金はリハビリテーション施設における訓練用筋電義手の用意のほか、神奈川県および東日本地区における筋電義手の普及活動に使用されます。
  • 1 筋肉が収縮するときに生じる微弱な筋電位を利用して、本人の意思で指を動かせる電動の義手

Y.T. Rubber Co,Ltd.(YTRC)(タイ)

横浜ゴムの天然ゴム加工会社であるY.T.Rubber Co., Ltd.(ワイ・ティー・ラバー)は、同社が立地するタイ・スラタニ地区で、近隣企業および公的機関(学校、病院、寺院)との会合にも参加し、情報の交換を行い、寄付活動にも参加し地域の発展に協力しています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)禍の対応の一環として、高齢者施設に非常食を詰め合わせた袋を配給しました。工場周辺の村で洪水が発生した際には、隣接する2つの村の全世帯に対して、洪水直後に飲料水と米を支給しており、大変感謝されています。
地元救急隊へYOKOHAMAタイヤを寄贈
学校運動会での飲料水支援

Yokohama Tire Manufacturing (Thailand) Co., Ltd. (YTMT)(タイ)

地域社会に対する下記の活動を実施しました。
  • 千年の杜や植樹指導、生物多様性学習、魚の放流などを含む環境対応活動
  • 地域行事への参加など、地域社会との関係強化活動
  • 寺院の保護を含む文化保護活動
  • ボランティア活動や寄付などの社会貢献活動
2022年も、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に苦しむ人々を支援するため、飲料水やサバイバルバックなどの物資を現地に寄贈または支援することに重点を置いています。

Yokohama Tire Philippines, Inc. (YTPI) (フィリピン)

台風22号の被災者支援

YTPIは、台風ペーンで被災したブラカン州の300世帯以上を支援するため、お米100袋を寄付しました。また、アブラ州の地震被害者の復興を支援するため、5万ペソ相当のお米50袋を届けました。

Yokohama Tyre Vietnam Inc. (YTVI)(ベトナム)

障がい者施設や孤児院への訪問と物資の寄付、ささやかですが心を込めた地域社会への支援活動を行いました。

LLC Yokohama R.P.Z. (YRPZ)(ロシア)

YRPZはロシアの環境・慈善プロジェクト「Dobrye Kryshechki」("Kind caps")に引き続き参加しました。このペットボトルのキャップを回収するプロジェクトでは、プラスチックごみを減らすこと、障がいをもつ子どもたちに寄付支援をすることを目的としています。また、地元の特別な教育を必要とする子どもたちのための教育センターに慈善支援を行いました。

Yokohama Tire México, S de RL de CV (YTMX)(メキシコ)

老人ホーム「サン・フランシスコ・デ・アシス」への衛生・健康用品の寄贈を実施しました。
また、より良い事業所を目指して、CSR活動を推進するため、CSR認証モデルの診断プログラムに取り組んでいます。

今後の課題

生物モニタリングを通じた環境影響評価については、地域住民とのコミュニケーションを含めたPDCAサイクルの仕組みが完成し、生物多様性保全活動が開始されています。コロナ禍での感染予防を取りながら活動を行うためのガイドラインを策定しましたが、活動の成果を地域コミュニケーションにどのように活かしていくのかを検討していきます。
また、地域での社会課題解決のため、コロナ禍でも実施できるボランティア活動やYOKOHAMAまごころ基金を通じた活動を推進していきます。