S :Society
地域社会との共生
地域コミュニティ
KPI
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項目 | 2022年度実績 | 2023年度実績 |
---|---|---|
生産拠点におけるコミュニティ活動・対話実施率 | (連結)100% | (連結)100% |
地域コミュニティにマイナスの影響を及ぼす事業 | (連結)0% | (連結)0% |
責任部門
各事業所
- CSR企画室および環境保護推進室が事務局として方針の展開、情報共有を行っています。
考え方・目標
なぜ「地域コミュニティとのエンゲージメント」が重要取り組み項目なのか
理由と背景の解説
横浜ゴムグループは、現在39カ国で生産活動事業を展開しています。当社グループが、ある地域で操業を開始、または撤退する場合、その地域コミュニティに対して環境影響や雇用などの社会影響を与えます。その影響は、各地域の事情によって異なるため、プラスの影響はどう拡大し、マイナスの影響はどう緩和すべきかを、地域コミュニティとエンゲージメントしながら検討・実行していくことは、当社グループの持続可能な経営にとって非常に重要なことだと考えています。
目指す姿(達成像)/目標
グローバルに事業を展開する私たちは、環境や法律、文化、習慣、経済などの面で地域社会と関係を持っています。国内外事業所の地域社会と良好な関係を築くことに努めています。2026年の目指す姿として、下記を掲げています。
- 地域社会と共に生き、ゆるぎない信頼を築いている
そのために、多様なコミュニケーションを取り、地域問題や地域の発展に取り組みます - ステークホルダーの声を聞き、それを反映する仕組みが国内外で整っている
- 国内外での植樹および苗木提供の合計本数が2030年に150万本を達成している
目指す姿に向けた施策
目指す姿を実現するため、以下のようなさまざまな側面からのアプローチを検討し実施していきます。
- 地域コミュニケーションとして住民懇談会を原則で年2回開催します。
- 生物多様性保全活動を開始している国内生産・研究開発拠点※では、地域のNGOと連携した活動を行っています。生産拠点の近くで活動している日本野鳥の会の支部や自然保護団体から、野鳥や水生生物などの名前や生態を教えていただきながら生物モニタリングを行っていきます。
・・・2023年度の活動レビュー(1) - 生物多様性の重要性を語り合う「生物多様性パネルディスカッション」を行い、国内生産拠点の地域住民や自治体の皆さまと共に生物多様性保全の大切さを考える機会としていきます。
・・・2023年度の活動レビュー(2) - 「YOKOHAMA千年の杜」活動で育てている苗木を、地域で植樹活動を行っている学校、社会福祉施設、NPO等に提供していきます。
・・・2023年度の活動レビュー(3) - 東日本大震災の被災地復興支援として、当社は岩手県下閉伊郡大槌町が復興計画の一つに掲げた「鎮魂の森」づくりを支援するために、2012年から2015年まで「平成の杜」と名づけた防潮堤への植樹会を開催しました。2014年からは大槌学園(前身の大槌小学校時代を含む)による「ふるさと科」の学習として育樹・植樹活動を支援しています。
・・・2023年度の活動レビュー(4) - 当社は従業員によるボランティア活動を支援するために「社会貢献活動支援制度」および「ボランティア休暇制度」を制定しています。
・・・2023年度の活動レビュー(5) - 従業員が毎月給与から積立を行う2016年5月に発足した「YOKOHAMAまごころ基金」では社会福祉・貧困地域への教育支援・環境保全活動などさまざまな活動を行っているNPOやNGO、社会福祉法人等への支援や災害発生時の災害義援金への寄付などを行っています。横浜ゴムは同基金が拠出した金額と同額を拠出し(マッチングギフト)活動を支援しています。
・・・2023年度の活動レビュー(6) - 各国・地域にある拠点において、インフラ整備やサービスの支援を行っています。川の氾濫に対する修復のボランティア支援、学校遊具やトイレの製作、雨水を浄化して供給する装置の提供などを行っています。
- 三重工場、新城工場、三島工場、尾道工場、茨城工場、長野工場、平塚製造所、ヨコハマタイヤリトレッド北海道事業所・埼玉事業所・名古屋事業所、D-PARC、愛知タイヤ
2023年度の活動レビュー
2023年度は以下のような施策を実施しました。
(1)国内12拠点、海外9拠点の生産事業所で生物多様性保全活動を実施しています。生き物調査(モニタリング)や外来種の除去(抜根等)や海岸清掃などは、2023年度も引き続き実施しました。
(2)「世界目標に貢献する私たちの保全活動~OECMを活用する」をテーマに第9回生物多様性パネルディスカッションを開催しました。オンラインを併用し、グループ会社を含む生産拠点の従業員、関係のある行政の方々、地域住民、環境NPO等の多くのステークホルダーの方にご参加いただきました。
日本自然保護協会OECMタスクフォース室長の高川晋一様から基調講演をいただき、その後、当社茨城工場でのサシバの暮らす工場を目指した取り組みを紹介し議論を深めました。
なお、2024年3月には、「新たな世界目標に向けた私たちの試み」をテーマに第10回のパネルディスカッションを開催しました。
日本自然保護協会OECMタスクフォース室長の高川晋一様から基調講演をいただき、その後、当社茨城工場でのサシバの暮らす工場を目指した取り組みを紹介し議論を深めました。
なお、2024年3月には、「新たな世界目標に向けた私たちの試み」をテーマに第10回のパネルディスカッションを開催しました。
(3)「YOKOHAMA千年の杜活動」の苗木提供において、2023年度には、28,597本、累計で527,261本の提供を行いました。
(4) 新型コロナウイルス感染拡大により2年間植樹を見送ってきましたが、2022年4月28日に、岩手県上閉伊郡大槌町立大槌学園4年生(小学4年生)の児童79名に植樹授業を行った後に、児童とともに大槌浄化センターの「平成の杜」マウンドに約530本の苗を植えました。今回の植樹は2012年から始まった平成の杜マウンドでの最終植樹となりました。2022年から大槌町NPO・ボランティア団体連絡協議会の皆さんと共に子どもたちが植えた植樹マウンドの草取りを開始しました。草取りの必要がなくなる植樹後3年をめどに皆さんとのマウンド整備の作業を進めてまいります。
(5)「社会貢献活動支援制度」により17件の従業員によるボランティア活動の支援を行いました。
主な内容は、衣料や学用品をフィリピンの貧困地域に届ける活動を行っているNPO法人に、従業員が集めた衣類や学用品などを送る活動への支援や各地で実施された植樹イベントへの従業員のボランティア参加や被災地での災害ボランティア参加などでした。
主な内容は、衣料や学用品をフィリピンの貧困地域に届ける活動を行っているNPO法人に、従業員が集めた衣類や学用品などを送る活動への支援や各地で実施された植樹イベントへの従業員のボランティア参加や被災地での災害ボランティア参加などでした。
(6)各拠点では、地域のインフラ整備やサービスの支援を行っています。
- 事例として、山東横浜ゴム工業制品有限公司(YRSC)では、地元政府(農業農村局)が主催する、大型台風に備えた防災演習に参加しました。農地に水があふれたという想定で土嚢の充填、あふれ出た箇所の封鎖、排水演習など2日間に渡る演習を行いました。

あふれ出た箇所の封鎖、排水の演習の様子

あふれ出た箇所の封鎖、排水の演習の様子
YOKOHAMAまごころ基金

国内外の災害発生時の支援、環境保全や子どもたちの支援に取り組む団体などに寄付しており、同基金と当社は2023年17件の寄付を行いました。
寄付金の合計額は約6,601万円でした。
「YOKOHAMAまごころ基金」は、基金に賛同する従業員(会員)から寄付(毎月100円~の希望額)を集め、支援したい団体を会員が推薦し、会員代表で構成する基金運営委員会で推薦団体を審査し、寄付の可否を決定します。
決定を受けた各種団体へ寄付を行うと共に、横浜ゴムは基金と同額を寄付する仕組み(マッチングギフト)となっています。
現在社員の42.5%(2023年12月時点)が加入しており、基金を通じて社員一人一人の「社会に貢献することの大切さ」に全社をあげて取り組んでいます。
寄付金の合計額は約6,601万円でした。
「YOKOHAMAまごころ基金」は、基金に賛同する従業員(会員)から寄付(毎月100円~の希望額)を集め、支援したい団体を会員が推薦し、会員代表で構成する基金運営委員会で推薦団体を審査し、寄付の可否を決定します。
決定を受けた各種団体へ寄付を行うと共に、横浜ゴムは基金と同額を寄付する仕組み(マッチングギフト)となっています。
現在社員の42.5%(2023年12月時点)が加入しており、基金を通じて社員一人一人の「社会に貢献することの大切さ」に全社をあげて取り組んでいます。
(主な団体支援先)
認定NPO法人 チャイルド・ファンド・ジャパン
公益社団法人日本聴導犬推進協会
かながわ県立病院小児医療基金
認定NPO法人 チャイルド・ファンド・ジャパン
公益社団法人日本聴導犬推進協会
かながわ県立病院小児医療基金
(主な災害等の支援)
2023年トルコ・シリア地震救援金
台風第2号およびそれに伴う前線の活発化による大雨
2023年アメリカ・ハワイ火災
2023年トルコ・シリア地震救援金
台風第2号およびそれに伴う前線の活発化による大雨
2023年アメリカ・ハワイ火災
事例紹介
神奈川県および東日本地区における筋電義手普及活動支援
筋電義手(きんでんぎしゅ)※1を必要とする方々への支援の一環として、「かながわ筋電義手バンク」への活動支援金を寄付しました。
「かながわ筋電義手バンク」は、障がいのある方々の社会参加に向け総合的なリハビリテーションサービスを提供する社会福祉法人「神奈川県総合リハビリテーション事業団」により、筋電義手を必要とする方々への支援の一環として2022年4月に設立されました。
支援金はリハビリテーション施設における訓練用筋電義手の用意のほか、神奈川県および東日本地区における筋電義手の普及活動に使用されます。
「かながわ筋電義手バンク」は、障がいのある方々の社会参加に向け総合的なリハビリテーションサービスを提供する社会福祉法人「神奈川県総合リハビリテーション事業団」により、筋電義手を必要とする方々への支援の一環として2022年4月に設立されました。
支援金はリハビリテーション施設における訓練用筋電義手の用意のほか、神奈川県および東日本地区における筋電義手の普及活動に使用されます。
- 1 筋肉が収縮するときに生じる微弱な筋電位を利用して、本人の意思で指を動かせる電動の義手

Y.T. Rubber Co,Ltd.(YTRC)(タイ)
横浜ゴムの天然ゴム加工会社であるY.T.Rubber Co., Ltd.(ワイ・ティー・ラバー)は、同社が立地するタイ・スラタニ地区で、近隣企業および公的機関(学校、病院、寺院)との会合にも参加し、情報の交換を行い、寄付活動にも参加し地域の発展に協力しています。地域の植樹活動やスポーツイベントにボランティアで参加したり、協賛を通じて、地域の発展のための取り組みを進めたりしています。工場周辺の村で洪水が発生した際には、隣接する2つの村の全世帯に対して、洪水直後に飲料水と米を支給しており、大変感謝されています。

地元救急隊へYOKOHAMAタイヤを寄贈

学校運動会での飲料水支援

バレーボール大会支援
Yokohama Tire Manufacturing (Thailand) Co., Ltd. (YTMT)(タイ)
地域社会に対する下記の活動を実施しました。
- 千年の杜や植樹指導、生物多様性学習、魚の放流などを含む環境対応活動
- 地域行事への参加など、地域社会との関係強化活動
- 寺院の保護を含む文化保護活動
- ボランティア活動や寄付などの社会貢献活動
2023年は、学校での安全に関する知識を高める学習や麻薬撲滅キャンペーン活動(地域清掃)も行いました。


Yokohama Tire Philippines, Inc. (YTPI) (フィリピン)
苗木の寄付を通じて地域の環境を豊かに
YTPIは、2023年6月、環境月間活動の一環として、またピナツボ山の噴火32周年を記念して、アンヘレス州バコロールの市環境天然資源局 (MENRO) に、当社で育てたさまざまな苗木100本を寄贈しました。その他複数の団体にも苗木を寄付しました。これらの寄付は、地域環境の美化と持続可能性に貢献し、すべての人にとってより緑豊かで健康的なコミュニティづくりに役立てられます。

Yokohama Tyre Vietnam Inc. (YTVI)(ベトナム)
障がい者施設や孤児院への訪問と物資の寄付、ささやかながら心を込めた地域社会への支援活動を行いました。

LLC Yokohama R.P.Z. (YRPZ)(ロシア)
YRPZは経済特区「リペツク」が始めた植樹活動に参加した。他のSEZ企業と協力して、私たちはSEZ領域内に200本の木と40本の低木を植えました。また、市外にあるがんに苦しむ子供たちのための地域回復センターを支援するボランティアキャンペーンに参加しました。 YRPZの職員がセンターを訪問し、区域の清掃を手伝いました。

Yokohama Tire México, S de RL de CV (YTMX)(メキシコ)
YTMX チームはハリケーン オーティスによる被害を支援するアカプルコの住民を支援するために赤十字に寄付を行いました。


今後の課題
生物モニタリングを通じた環境影響評価については、地域住民とのコミュニケーションを含めたPDCAサイクルの仕組みが完成し、生物多様性保全活動が開始されています。コロナ禍での感染予防を取りながら活動を行うためのガイドラインを策定しましたが、活動の成果を地域コミュニケーションにどのように活かしていくのかを検討していきます。
また、地域での社会課題解決のため、コロナ禍でも実施できるボランティア活動やYOKOHAMAまごころ基金を通じた活動を推進していきます。
また、地域での社会課題解決のため、コロナ禍でも実施できるボランティア活動やYOKOHAMAまごころ基金を通じた活動を推進していきます。