三島工場(SP)

乗用車用タイヤ製造
敷地面積112,000m2
従業員数994名(2023年12月)
所在地〒411-0832 静岡県三島市南二日町8番1号
相談・苦情などの受付窓口三島工場業務課 TEL:055-975-0800 FAX:055-976-4322
工場長ご挨拶

松本 俊成(まつもと としなり)
三島工場は、静岡県東部の世界ジオパーク伊豆半島の北伊豆エリア三島市に位置し、工場からは世界遺産である富士山を北に望み、雄大な景観と恵みを授かることの出来る地域にあります。乗用車用タイヤ、ライト・トラック用タイヤを主として生産し、横浜ゴムグループで唯一、モータースポーツ向けレーシング用タイヤの製造も行っております。
工場は富士山および伊豆ジオパークからの恵みである清流に囲まれており、2007年からの横浜ゴムグループで取り組んでいる「千年の杜」づくりによる植樹活動で、近年、工場前の植樹エリアの清流で初夏には蛍が見られるようになりました。一方、工場周辺は伊豆箱根鉄道の三島二日町駅に近い利便性から住宅地が整備されてきており、排気・排水・騒音の規制管理だけでなく臭気等の感覚的な対応も必要となっており、少しずつ取り組んでおります。
会社としては地球貢献企業を目指していますが、工場では、やはり地域貢献企業を目指していきます。
現在行っている工場周辺の清掃活動や伊豆ジオパークの一つである楽寿園の清掃活動への参加、工場西側を流れる御殿川の生物多様性活動による環境保全および観察を通じ、この地の豊かな自然の恵みを培っていきたいと思います。
今後も地域に愛される工場を目指し、すべてのステークホルダーとの信頼関係を構築できるよう取り組んでまいります。
組織統治
コーポレートガバナンスとコンプライアンス
「社会からゆるぎない信頼を得ている地球貢献企業」を横浜ゴムの重要課題と位置付けている中で三島工場としても活動を展開してまいりました。また、環境マネジメントシステムを強化する中で環境リスクを低減し地域社会へ貢献することを重点課題として、利害関係者とのコミュニケーションを深め、環境汚染・感覚公害の予防と過去の環境トラブル・ヒヤリを定期的に振り返り、先手管理による環境改善を継続的に進めています。
汚職に関する方針
全従業員に対して品質不正防止に関わるコンプライアンス教育を実施し、方針の理解と徹底を図りました。
人権
人権教育
全従業員に対して「コンプライアンス・カード」の配布による啓発と教育を実施しました。加えて人権に関わるコンプライアンス教育を実施し理解と徹底を図りました。
採用活動においても、性別・年齢・障がいの有無で差別をせず雇用をしています。
障がい者雇用・従業員の多様性推進
障がい者の方は15名在籍しております。
総数685名のうち女性は29名、高齢者(60才以上)は41名です。(2023年12月現在)
労働慣行
労働安全衛生
従業員、協力社員の安全と健康の確保が企業活動の基盤であるとの認識の下、安全、健康で快適な職場を実現するための手段として、OSHMS(労働安全衛生マネジメントシステム)の認証を2010年11月に取得しました。全員参加のもとで3S活動・作業前KYを基本とし、リスクアセスメント活動によるリスクの洗い出しから対策や改善によるリスクの軽減を図り、安全衛生活動を推進しています。
従業員の多様性
2023年介護休業取得者は0名、育児休業取得者は12名です。
仕事と生活の両立
毎月第2・4金曜日は家族団らんの日として、定時退社を行っています。
職場における人材育成・訓練
従業員に必要な知識・スキルを向上のため、経験年数・役職ごとによる階層別教育を実施。対象者が受けるべきタイミングで受講できるよう計画を立て、内容についても受け身だけの座学ではなく、しっかり自身で考えステップアップできるように対象者に合わせて実施。集合研修では55名、三島工場独自の役付研修18名、合計73名の教育訓練を実施しました。
また、新入社員には一人ひとりにトレーナーをつけ、一人で作業ができるまでしっかりサポートを行っています。さらに技術面だけでなく、不安や心配事を解消できるような体制で日々フォローしています。
環境
環境マネジメント
ISO14001環境マメネジメントシステムで運用し、経営方針に示した「社会に対する公平さと環境との調和を大切にする。」を規範とし、環境方針を宣言しています。

環境に与える負荷を低減するために、温室効果ガス排出量の削減、産業廃棄物の削減、化学物質管理、水使用量の削減を主要な課題とし、生産工程の改善やエネルギーの無駄をなくす活動に取り組んでいます。その他の取り組みとしては、法令順守による法規制対応では自主管理値を設け、自主管理値内での運用を行っています。
地域への環境貢献の取り組みの中では、全社活動でもある「YOKOHAMA千年の杜」プロジェクトでは、29,646本(2023年12月現在)の植樹活動の他に、静岡県内では掛川市の防潮堤「希望の森づくり」、の支援を行なっています。
掛川市の防潮堤「希望の森づくり」

2023年2月植樹会

2023年10月除草作業
生物多様性保全活動の取り組みとしては、工場西側にある御殿川において、上流、中流、下流としたチーム活動を取り入れて水質測定・生物観察ではハグロトンボやコヤマトンボのヤゴ、オイカワやカワムツ、ナマズなどの魚類、スッポンやクサガメ、アカミミガメなどのは虫類、また、工場敷地内では珍しく三島市のシンボルマークであるカワセミが営巣し、ハヤブサ科のチョウゲンボウが飛来し、多様な生き物が暮らしていることが確認されています。外来生物を除去しながら活動しています。一方、河川に投棄されるゴミが多く、御殿川を美しく保つために少しでも貢献していきたいとモニタリングの後に河川清掃を行っています。2019年5月に静岡県沼津土木事務所、三島市及び三島工場の3者による「リバーフレンドシップ」の同意書に調印し、御殿川での植生の再生と水生生物の住みやすい環境の整備を行なっています。2013年から活動を始めて10年目にして工場排水後の下流で初めてミシマバイカモが着底し水中で綺麗な花を咲かせています。
活動中に見られる生き物

絶滅危惧Ⅱ類のマツバラン

ミシマバイカモ

小魚を捕まえたカワセミ

最終排水口でスッポンとアカミミガメ

ナマズ

千年の杜でアオダイショウ

厚生ホールでツバメのヒナ

建屋の出入口でイソヒヨドリのヒナ

木に群がるクマゼミ

カーボンタンクで交尾するチョウゲンボウ
環境データ
温室効果ガス排出量の削減
温室効果ガス排出量

- 基準年:1990年を原則としていますが、京都議定書に準じてHFC、PFC、SF6は1995年としています。
- 温室効果ガス(GHG)の算定方法:環境省・経済産業省発行の「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」に準拠しています。
なお、2009年度の電力購入からのGHG算定は、環境大臣公表の契約電力会社別実排出係数を使用しています。
資源の有効活用/廃棄物の削減
廃棄物データ

水使用量

工場用水として地下水を工場の使用量の9割を使用しています。残りは上水道です。
水・大気・土壌への排出対策
水質汚濁にかかわるデータ
工場で使用した工場用水は、工場内の処理施設で処理後、1級河川の御殿川に放水しています。
画面を左右に動かすと、表組みの情報がご覧になれます
項 目 | 規制値 | 自主管理値 | 2023年度実績 | ||
---|---|---|---|---|---|
平均値 | 最大値 | 最小値 | |||
pH | ※5.8~8.6 | 6.2~8.2 | 7.6 | 7.7 | 7.4 |
BOD濃度(mg/l) | 15 | 4以下 | 1.7 | 10.9 | 0.5 |
COD濃度(mg/l) | ★120 | 5以下 | 2.0 | 5.6 | 1.2 |
SS濃度(mg/l) | 20 | 8以下 | 1.1 | 3.0 | 1.0 |
油分濃度(mg/l)鉱 | 2 | 1以下 | 1.0 | 1.0 | 1.0 |
- 三島市環境保全協定、★は水質汚濁防止法に準拠(BOD規制値は最大濃度)
- 排水先 御殿川
大気汚染物質(NOx、SOx)
画面を左右に動かすと、表組みの情報がご覧になれます
項 目 | NOx | SOx |
---|---|---|
排出量(t/年) | 18 | ― |
施設名称 | 項 目 | 規制値 | 自主管理値 | 2023年度実績 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
平均値 | 最大値 | 最小値 | ||||
三島工場 コージェネレーション |
窒素酸化物濃度※1(ppm) ばいじん濃度(g/m3N) |
100 0.05 |
80 0.01 |
53 0.005 |
64 0.005 |
38 0.005 |
三島工場ボイラー | 窒素酸化物濃度※2(ppm) ばいじん濃度(g/m3N) |
130 0.1 |
65 0.02 |
29 0.005 |
33 0.005 |
25 0.005 |
- 大気汚染防止法、三島市指導値
- 1 数値はO2濃度16%換算値を記入しています。
- 2 数値はO2濃度5%換算値を記入しています。
化学物質の管理状況についての報告(PRTR法への対応)
副資材・補助材関係はSDSで対象化学物質の有無を確認し、PRTR法で定められた量の取り扱い物質について年1回、国(県)への報告と安全性影響度評価を行っています。
PRTR法に基づく取り扱い物質については、国内生産拠点の安全性評価表を参照ください。
公正な事業慣行
取引先とのかかわり
2023年5月29日、6月2日に、原料調達部・資材調達部合同主催でWEBによる第1回取引先説明会を開催。
- 対象:横浜ゴム全体の取引先
- 主な説明項目:パートナーシップ構築宣言、CSR調達ガイドライン、人権方針、環境中期計画、物流2024年問題、情報セキュリティー対応など
- 参加者数:950社(内三島工場の主要取引先43社)
参加して参考や勉強になったとの意見が多かった一方、参加者多数のため、今回主催者側の説明がメインとなりました。参加者の理解をより深めていただくため、今後は事前に質疑応答を受け付けるなど、双方にとってより有意義な会となるように努めて参ります。
消費者課題
消費者とのコミュニケーション
工場見学をしていただいたお客さまに、自動車産業品質マネジメントシステム規格ISO/IATF16949認証の取得をご紹介しています。
また、製品納入先のお客さまからの問合せには、迅速に調査しご報告を行っています。
コミュニティへの参画及びコミュニティの発展
これまで寄せられた主な意見や苦情と対応内容
年2回(春、秋)地域住民懇談会を開催しております。工場近隣にお住まいの方と環境モニター向けの工場見学会と環境への取り組みなどをご説明しています。新型コロナウィルス感染拡大防止措置以降、2022年度から小規模で行い、2023年度は6名の参加となりました。三島工場では、地域コミュニケーションの窓口として環境管理事務局が工場周辺を取り巻く4町内にお住まいの中から28軒(2023年12月現在)を環境モニターとしてご協力をいただき、月1回の訪問にてご在宅時に操業状況など意見交換を行い、2023年度は訪問とダイレクトメールを実施し、訪問358回(うち対話82回)お伺いさせて頂きました。その内容の多くは騒音・臭気に関するものでした。感覚公害に該当する取り組みでは、騒音対策としては防音化を進め、臭気対策としては消臭装置を3台稼働し操業中は24時間噴霧しております。環境対応などの説明と意見を取り入れながら改善していく事で、2023年度は外部苦情ゼロという結果となりました。
地域社会とのかかわり
- 三島地区環境保全推進協議会主催の三島市立公園「楽寿園」清掃奉仕作業へ参加しており、2023年度33名の参加でした。(2回/年、5月雨天中止、10月開催)
- 工場周辺の清掃活動を週1回実施しています。(工場正門~三島二日町駅周辺と工場正門~従業員駐車場周辺)
- 献血を年2回事業所内で開催しており、従業員ほか協力会社関係者に協力いただいております。2023年度は58名の参加でした。
- 消防団協力事業所として機能別団員7名を三島市消防団に登録し、地域での火災時に、出動する体制を継続しています。
- 普通救命2講習は有資格者73名の内、2023年度は33名受講しました。心肺蘇生とAEDのやり方を身につけた経験者273名の内、応急手当指導員の資格者は8名おります。
工場見学・説明会のご案内
2023年度は工場見学の受け入れ60件、延べ538名(前年比+449名)が三島工場へ来訪されました。
2020年4月以降、新型コロナウィルス感染拡大防止措置で、見学者は0件になりましたが、2022年6月以降、小規模で工場見学を再開し、2023年5月5類に移行してからは、12名/回の受け入れを再開しました。
工場見学について
モータースポーツタイヤ生産能力の増強に伴う生産ラインの拡張工事に伴い、当面の間は工場見学の受入を中止とさせていただきます。