ニュースリリース

プラスチック用ハードコート材「Y-coat VH323」新発売

傷つき難さに加え、スリップ性にも優れる

2010年12月16日

  • 工業品関連

横浜ゴム(株)(社長:南雲忠信)は、プラスチック素材の表面を保護する紫外線硬化型のハードコート材「Y-coat VH323」を12月に発売する。同商品は本年1月に発売した強靭性ハードコート材「Y-coat VH322F」の硬度(鉛筆硬度がPMMA上7Hおよびポリカーボネート上3H)や靭性といった物性を継承しながら、塗膜に高いスリップ性を付与することができる。また、指紋や油分などの汚れが除去し易いといったメリットも持つ。

「Y-coat VH323」は、独自に設計した強靭なアクリル樹脂に特殊な骨格の合成樹脂を結合させることで塗膜表面に高滑性を持たせた。これにより接触時の傷や汚れが軽減できることから、耐擦傷性やスリップ性が求められる携帯電話、携帯情報端末などのディスプレイや樹脂成型品の保護に適している。また、プラスチック素材として広く使われているポリカーボネートやPMMAなどへの接着性にも優れる。さらにPETフィルムへの塗装に適したグレードも設定しており、幅広い分野への使用が可能である。

Y-coatは携帯電話やデジタルカメラなど情報家電用途を中心に展開している真空蒸着用コート材のシリーズ。2009年よりラインナップを拡充しており、その一つであるプラスチック用ハードコート材は真空蒸着用コート材の要素技術を応用し、高硬度と強靭性を併せ持つことで高い耐擦傷性と耐衝撃性の両立を実現したことが最大の強みとなっている。今後もユーザーのニーズに合わせた高機能なハードコート材の開発に注力し、市場への積極的な展開を図っていく。

※写真をクリックすると印刷用高解像度画像がダウンロードできます。

写真右がスリップ性に優れる「VH323」、左が従来品である「VH322F」を塗布したABS板。それぞれに1円硬貨を乗せた実験では、「VH323」の方がより低い角度で滑り出す。

写真右がスリップ性に優れる「VH323」、左が従来品である「VH322F」を塗布したABS板。それぞれに1円硬貨を乗せた実験では、「VH323」の方がより低い角度で滑り出す。