低燃費タイヤ
低燃費タイヤの開発で環境時代の先駆け(1990年代後半~)
1996年、「ADVAN」で定着した「走りのヨコハマ」というイメージに、さらなる付加価値を創出するためのプロジェクトが始動しました。設計、営業、宣伝など各部署から人材を集めて発足した新プロジェクトは、横浜ゴムの新たな核(DNA)となるタイヤを開発する、という目標から「DNAプロジェクト」と名づけられました。
DNAプロジェクトの開発キーワードは、時代に先駆けた「環境性能」。最優先のテーマは燃費の改善、CO2排出量の削減につながるタイヤの開発でした。グリップ力を低下させることなく、ころがり抵抗を低減し燃費改善につなげること。この相反する条件を両立させ誕生したのが、日本初の低燃費タイヤ「DNAシリーズ」です。
日本初の低燃費タイヤ「DNA」発売(1998年)

低燃費乗用車用タイヤ「DNA」シリーズ第一弾として「ES01」「ES02」発売(1998年)
横浜ゴムによる「タイヤのころがり抵抗を低減することで燃費を改善すると共に、CO2の削減を目指そう」という市場への提案は、国内のタイヤメーカーでは初めての試みでした。その提案は1998年、DNAシリーズの第一弾として発売された高級車向けタイヤ「DNA ES-01、ES-02」によって実現します。それは、従来の「D」(ドライビングに関わる運動・安全性能)と「N」(ノイズ低減をはじめとする快適性能)に、新たに環境アセスメントの「A」を加えた、新しい横浜ゴムのDNA(核)の誕生でした。
「DNA ES-01、ES-02」の発表会では、従来のタイヤと「DNA」を装着したクルマを同じ条件で坂道から下るデモンストレーションを行い、従来のタイヤより長い距離を進むことで、10%近くもころがり抵抗を低減させたことを実証。DNAコンセプトとそれを裏づける技術は、メディアの注目を集めました。また、タイヤという商品から環境問題に取り組んだ横浜ゴムの企業姿勢も高く評価されることになりました。
進化を続ける「DNAシリーズ」(1999年~)

乗用車用低燃費タイヤ「DNA ECOS」発売(2001年)
1999年、DNAシリーズの第2弾として、優れた操縦安定性で定評のある「GRAND PRIXシリーズ」の運動性能に、新たに環境性能を付加したスポーツカー向けの「DNA GP」を発売。低燃費性能に加え制動性能とコントロール性能も格段に向上し、さらにパターンノイズを大幅に低減したことで、ミニバンやステーションワゴンなどに装着しても十分な快適性を実現しました。
2000年には、第3弾として高級セダン、ラグジュアリーカー向けの「DNA dB」を発売。静粛性で定評の高い「ASPEC dB」のタイヤパターンを継承しながらコンパウンドを変更し、ころがり抵抗を「ASPEC dB」比で約10%低減しました。またパターンノイズとロードノイズを抑制し
静粛性を高め、さらにウェット性能や耐摩耗性といったタイヤの基本性能も向上させました。