ニュースリリース

横浜ゴム、2023年度第3四半期決算は売上、利益ともに過去最高、通期の利益予想を上方修正

2023年11月10日

  • 経営関連

横浜ゴム(株)の2023年度第3四半期決算(2023年1月1日から2023年9月30日)は、売上収益は6,925億円(前年同期比12.5%増)、事業利益は492億円(同6.7%増)、営業利益は524億円(同15.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は446億円(同33.9%増)となり、売上収益と事業利益および当期利益は過去最高を達成しました。また、第3四半期単独(7月-9月)では売上と全ての利益で過去最高となりました。2023年度通期の連結業績予想は2023年5月公表値を上方修正します。売上収益は1兆円を据え置き、事業利益を900億円(前回予想比6.5%増)、営業利益を925億円(同6.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益を625億円(同9.6%増)へ上方修正します。
※事業利益は日本基準の営業利益に当たる指標として設定。事業利益=売上収益-(売上原価+販売費及び一般管理費)で算出。

タイヤ事業は売上収益、事業利益ともに前年同期を上回りました。新車用タイヤの売上収益は、中国での日系自動車メーカーの販売不振による影響があったものの、国内や北米では好調に推移し、前年同期を上回りました。市販用タイヤは国内では年初の降雪により冬用タイヤの販売が堅調に推移したほか、海外では中国、アジア地域で販売を伸ばし売上収益は前年同期を上回りました。オフハイウェイタイヤ(OHT)は、欧州、北米では厳しい市場環境が続きYOHT(Yokohama Off-Highway Tires、旧ATG)の販売は伸び悩みましたが、5月に買収完了したY-TWS(旧Trelleborg Wheel Systems Holding AB=TWS)の業績が加わったことで、OHT全体の売上収益は前年同期を大きく上回りました。なお、Y-TWSの第3四半期単独(7月-9月)の事業利益は、プレミアムブランドとしての価格優位性に加え、物流費などの下落により買収前を含めて過去最高(PPA※償却前)となりました。
※purchase price allocation(取得原価の配分)

MB(マルチプル・ビジネス)は売上収益、事業利益ともに前年同期を上回りました。ホース配管事業の売上収益は、米国で米系自動車メーカーにおけるストライキの影響はあったものの日系自動車メーカー向けホースが堅調に推移したことなどから前年同期を上回りました。工業資材事業の売上収益はコンベヤベルトの販売が国内、海外ともに大きく伸長したほか、海洋商品も好調で、また航空部品も民間航空機向け補用品販売が好調だったことから前年同期を上回りました。

中期経営計画「YX2023」の進捗

横浜ゴムは2021年度から2023年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023 )」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーサン)の下、既存事業における強みの「深化」と大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進することにより、次世代の成長に向けた「変革」を図っています。

新たな活動では、タイヤ消費財事業の戦略のひとつである新車装着において、トヨタ自動車(株)のミッドサイズSUV「グランドハイランダー」と、(株)SUBARUの北米専用の新型SUV「Crosstrek Wilderness(クロストレック ウィルダネス)」に「GEOLANDAR(ジオランダー)」が新車装着されました。補修市場ではEV専用ウルトラハイパフォーマンスサマータイヤ「ADVAN Sport EV(アドバン・スポーツ・イーブイ)」を欧州で発売したほか、2023年のグッドデザイン賞を受賞したクロスオーバーSUV向けオールシーズンタイヤ「GEOLANDAR CV 4S(ジオランダー・シーブイ・フォーエス)」を10月に国内外で発売しました。
モータースポーツ活動では国内外で結果を残しており、「ADVAN」装着車が「SUPER GT」のGT300クラスにおいて第5戦でワンツーフィニッシュおよび最終戦の第8戦で優勝したほか、ドイツの「ニュルブルクリンク耐久シリーズ」では全9戦中5戦で総合優勝を獲得する圧倒的な強さでNLS Speed Trophy部門で優勝を達成しました。また、「GEOLANDAR」装着車ではアジア最大のクロスカントリーラリー「アジアクロスカントリーラリー2023」で2年連続の総合優勝および1位~3位独占を果たしています。

サステナビリティにおける進捗

横浜ゴムはESGの取り組みが事業を強化する実際的な事業戦略のひとつであると捉えており、取り組みを通じて持続的な企業価値向上に繋げていきます。ESG活動における進捗では、カーボンニュートラルモデル工場を目指す新城南工場において、自社太陽光発電システムによる電力や再生可能エネルギー由来の電力を使用して「ADVAN Sport EV」やその他のハイパフォーマンスタイヤの生産を開始しました。また、タイの天然ゴム加工会社Y.T. Rubber Co., Ltd.(ワイ・ティー・ラバー)が、国際的な森林認証組織であるFSC®※1の加工・流通過程の管理の認証である「CoC(Chain of Custody)認証」を取得しました。茨城工場は生物多様性保全に貢献する区域として、環境省が国際的目標である「30by30」の達成に向けて取り組む「自然共生サイト」に認定されました。コーポレート・ガバナンスでは引き続き政策保有株式の売却を進め、資本効率の向上と持続的な企業価値向上に取り組みました。また、8月には経営戦略と事業活動の全体像を包括的に報告する「統合報告書2023」を発行しました。
※1:FSC®=Forest Stewardship Council®、1994年に設立された責任ある森林管理を世界に普及させることを目的とする国際的な非営利団体

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