ニュースリリース

免震積層ゴム用耐火被覆システム「ファイヤーキャッチ」開発

1999年07月08日

  • 工業品関連

当社は、(株)大林組、鐘淵化学工業(株)と共同で、発泡ゴムを利用した免震積層ゴ ム用耐火被覆システム「ファイヤーキャッチ」を開発しました。「ファイヤーキャッチ」 は3層からなる耐火被膜材で積層ゴムを円筒状に包み込み、火災時に外層ゴムが4倍に発泡 することにより、積層ゴムを守る新システムです。新商品は、今年9月に完成する「角川 書店新本社ビル(仮称)」の免震積層ゴム用耐火システムとして初めて採用される予定。
 免震建物は、阪神淡路大震災以降、年間100件を超す評定件数となっており、事務所、 マンションなどに幅広く普及しています。同時に最近では、免震装置が置かれた地下ピッ ト部分を駐車場などに有効利用するマンションや、免震レトロフィット適用のため中間階 (地下1階と地上1階の間など)に免震装置を設置する建物が増えています。こうしたケー スでは、免震装置が火災によって損傷を受けやすいため、とくに強力な耐火被覆システム が求められています。
 積層ゴム用耐火被覆システムは、地震時に積層ゴムの変形を阻害せず、地震後も所定の 耐火性能が求められます。従来の耐火被覆システムとしては、セラミックスファイバーク ロスなど変形の少ない不燃材を「ちょうちん型」や「じゃばら型」に積層ゴムの周りにた るませたり、耐火被覆の外周に隙間を設けセラミックスファイバーのリングを積み重ねる ものがあります。しかしこうしたシステムは、柱形状より耐火被覆が大きくなったり、施 工に手間がかかるなど問題がありました。
 新開発の「ファイヤーキャッチ」は、厚さ32mm、3層からなる耐火被覆材を積層ゴムの 外周に円筒状に設置するものです。外側から、第1層は厚さ12mmの発泡ゴム、第2層は厚 さ10mmのセラミックスとグラスファイバーの断熱布、第3層は厚さ10mmのグラスファイ バーの断熱布となっています。外観は通常のゴム板と同じで、コンクリート台座の上部に ボルト止めするだけで施工できます。形状もコンパクトでスペースをとらず、コストパフ ォーマンスにも優れています。
 当社は今年7月から「ファイヤーキャッチ」を販売する計画です。大林組でも、今後新 システムを積極的に提案していく考えです。