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横浜ゴム、2023年度第2四半期決算、売上収益は過去最高、当期利益は18.8%増を達成

2023年08月10日

  • 経営関連

横浜ゴム(株)の2023年度第2四半期決算(2023年1月1日から2023年6月30日)は、売上収益は4,432億円(前年同期比13.2%増)、事業利益は256億円(同7.8%減)、営業利益は282億円(同4.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は277億円(同18.8%増)となりました。主力のタイヤ事業では原材料価格やエネルギー費の高騰、販売費及び一般管理費の増加、農業機械用などオフハイウェイタイヤ(OHT)の販売減などの影響もありましたが、高付加価値商品の拡販やMIX改善、値上げの浸透に努めたことに加え、MB事業の全事業で増収を達成、為替円安も寄与し売上収益は過去最高となりました。また、当期利益は遊休資産の売却や米国タイヤ卸売子会社の譲渡などにより増益となりました。
※事業利益は日本基準の営業利益に当たる指標として設定。事業利益=売上収益-(売上原価+販売費及び一般管理費)で算出。

タイヤ事業の売上収益は前年同期を上回りましたが、事業利益は前年同期を下回りました。新車用タイヤの売上収益は、中国での日系自動車メーカーの販売が不振だったことによる影響があったものの、国内や北米では新車販売の回復により好調に推移し、前年同期を上回りました。市販用タイヤは国内では年初の降雪により冬用タイヤの販売が堅調に推移したほか、海外では欧州、中国などの地域で「ADVAN(アドバン)」「GEOLANDAR(ジオランダー)」など高付加価値商品の販売が好調で、売上収益は前年同期を上回りました。OHTはYOHT(Yokohama Off-Highway Tires、旧ATG)の販売は減少したものの、5月に買収を完了したY-TWS(旧Trelleborg Wheel Systems Holding AB=TWS)の業績が加わったことで、OHT全体の売上収益は前年同期を大きく上回りました。

MB(マルチプル・ビジネス)は売上収益、事業利益ともに前年同期を上回りました。ホース配管事業の売上収益は、北米で自動車の生産が回復したことなどから前年同期を上回りました。工業資材事業の売上収益はコンベヤベルトの販売が国内、海外ともに大きく伸長したほか、海洋商品も好調で前年同期を上回りました。また航空部品も民間航空機向け補用品販売が好調だったことから前年同期を上回りました。

2023年度通期の連結業績予想は2023年5月公表値を据え置き、売上収益は1兆円、事業利益は845億円、営業利益は870億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は570億円を計画しています。
配当金は中間配当を当初計画より1円増配の1株当たり34円とし、期末配当の34円と合わせて年間で前年比2円増配の1株当たり68円を予定しています。

中期経営計画「YX2023」の進捗

横浜ゴムは2021年度から2023年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023 )」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーサン)の下、既存事業における強みの「深化」と大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進することにより、次世代の成長に向けた「変革」を図っています。

タイヤ消費財

タイヤ消費財では「高付加価値品比率最大化」を掲げ、「ADVAN」「GEOLANDAR」「ウィンタータイヤ」の構成比率を2019年度の40%から50%以上にすることを目標としています。そのため「ADVAN/GEOLANDARの新車装着の拡大」「補修市場でのリターン販売強化」「ウィンタータイヤを含む商品のサイズラインアップ拡充」「各地域特性に合致した商品の販売強化」に取り組んでいます。
新車装着では引き続き電動車向けの納入強化に取り組み、新たにLEXUS初のBEV「RZ」や中国の一汽トヨタ自動車有限会社の新型EVセダン「bZ3」に新車装着されました。電動車以外にも新型SUVやラグジュアリーミニバンなどに「ADVAN」および「GEOLANDAR」が相次いで装着されました。補修市場では2023年のテーマに掲げた「GEOLANDAR」の拡販=泥試合と誕生45周年を迎える「ADVAN」最大化への挑戦=ADVAN CHALLENGE に努めています。「GEOLANDAR」では3月に発売した北米など向け新商品の「GEOLANDAR A/T XD(ジオランダー・エーティー・エックスディー)」に続き、秋に北米、欧州など向け新商品として「GEOLANDAR CV 4S(ジオランダー・シーブイ・フォーエス)」を発売します。「ADVAN」ではEV専用ウルトラハイパフォーマンスサマータイヤ「ADVAN Sport EV(アドバン・スポーツ・イーブイ)」を秋頃より海外市場で順次発売し、好調な「ADVAN」「GEOLANDAR」の販売をさらに伸長させます。モータースポーツ活動を通じたブランド力強化においても国内外の人気レースで結果を残しており、「ADVAN」装着車が「SUPER GT」第3戦のGT500クラスで今シーズン初優勝を飾ったほか、ドイツの「ニュルブルクリンク耐久シリーズ」第4戦で第2戦に続き総合優勝、米国の「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」で2年連続の総合優勝(サステナブル素材比率33%のタイヤで参戦)を成し遂げました。また、世界で最も過酷なオフロードレースと言われる米国「King of the Hammers」の「4900 Can-Am UTV」レースでも「GEOLANDAR」装着車が優勝しています。

タイヤ生産財

タイヤ生産財では「コスト」「サービス」「デジタルトランスフォーメーション(DX)」「商品ラインアップの拡充」をテーマに掲げ、市場変化を「探索」しています。5月に買収を完了したTWSは横浜ゴムグループのY-TWSとして新たなスタートを切り、今後は両社の強みをあらゆる分野で融合しOHT事業をさらなる成長ステージへと押し上げます。TBR事業では米国ミシシッピ工場の供給能力が改善し単独黒字化を達成しました。また、国内ではEVバスでのタイヤソリューションサービスの実証実験に加え、当社初となるEVトラックへのタイヤ納入を開始するなど世界的に加速するEVシフトへの取り組みを強化しました。

MB事業

MB 事業は強みであるホース配管事業と工業資材事業にリソースを集中し、安定収益を確保できる構造を確立します。工業資材事業では長年の実績を持つ空気式防舷材に加え、新たに主要市場であるソリッド防舷材市場に参入しました。今後、ソリッド防舷材のラインアップを段階的に拡大することで収益基盤の強化を図ります。また、MB事業全体で事業運営の見直しや収益改善策の実行を進めています。

ESGにおける進捗

横浜ゴムはESGの取り組みが事業を強化する実際的な事業戦略の一つであると捉えており、取り組みを通じて持続的な企業価値向上に繋げていきます。環境分野において「カーボンニュートラル」では新城南工場での太陽光発電システムの稼働や三島工場での再生可能エネルギー由来電力の導入など生産拠点のカーボンニュートラル化を進めたほか、「サーキュラーエコノミー」では優れた耐久性を保持しながら劣化なくリサイクルできるゴム材料を開発しました。また「自然との共生(ネイチャーポジティブ)」では茨城工場がABINC賞の優秀賞を受賞しました。社会分野では人権デューデリジェンスに関する社内ワークショップを実施したほか、従業員による社会貢献基金「YOKOHAMAまごころ基金」とともに被災地や社会貢献団体などを継続的に支援しました。コーポレート・ガバナンスでは引き続き政策保有株式の売却を進め、資本効率の向上と持続的な企業価値向上に取り組みました。

決算ハイライト(百万円)

事業別(百万円)