ニュースリリース

横浜ゴム、2023年度第1四半期決算は売上収益が過去最高を達成

2023年05月12日

  • 経営関連

横浜ゴム(株)の2023年度第1四半期決算(2023 年 1 月 1 日から 2023 年 3 月 31 日)は、売上収益は2,043億円(前年同期比10.1%増)、事業利益は130億円(同4.8%減)、営業利益は132億円(同2.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は97億円(同4.4%減)となりました。主力のタイヤ事業では原材料価格や物流費、エネルギー費の高騰、半導体不足による自動車メーカーの減産などの影響が利益を押し下げましたが、「ADVAN(アドバン)」「GEOLANDAR(ジオランダー)」をはじめとする高付加価値商品の拡販やMIX改善、値上げの浸透に努めたほか、為替円安も寄与し、売上収益は過去最高となりました。
※事業利益は日本基準の営業利益に当たる指標として設定。事業利益=売上収益-(売上原価+販売費及び一般管理費)で算出。

タイヤ事業の売上収益は前年同期を上回りましたが、事業利益は前年同期を下回りました。新車用タイヤの売上収益は、中国での自動車メーカー向け販売が低調だったものの、国内、北米での新規車種獲得に加え、為替円安も寄与し、前年同期を上回りました。市販用タイヤは、国内では年初の降雪により冬用タイヤの販売が堅調に推移したほか、海外では「ADVAN」など高付加価値商品の拡販に努めた結果、中国、アジア地域で販売を伸ばし、売上収益は前年同期を上回りました。農業機械用や建設車両用などのオフハイウェイタイヤ(OHT)を生産販売するYOHT(Yokohama Off-Highway Tires、旧ATG)は、売上収益は前年同期を下回りました。
※2022年度より「YOHT(旧ATG)」の業績は顧客および商品特性の類似性などを踏まえ「タイヤ事業」に集約しています。

MB(マルチプル・ビジネス)は、売上収益、事業利益ともに前年同期を上回りました。ホース配管事業の売上収益は北米で自動車の生産が回復したことなどから前年同期を上回りました。工業資材事業の売上収益は、コンベヤベルトの国内販売が前年を上回り、また航空部品も民間航空機向け補用品需要が回復したことにより、前年同期を上回りました。
※航空部品事業部は2022年3月30日に工業資材事業部へ統合しました。

2023年度通期の連結業績予想は、2023年5月2日のTrelleborg Wheel Systems Holding AB(TWS)の買収完了に伴い、2月公表値を修正します。売上収益は1兆円(前回予想比11.1%増)、事業利益は845億円(同15.8%増)、営業利益は870億円(同19.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は570億円(同23.9%増)を見込んでいます。

TWSの買収は、タイヤ生産財事業の“さらなる成長ドライバー”と位置付けているOHT事業の拡大のために実施したもので、OHT事業はタイヤ生産財の中でも安定的に高い収益を確保できる事業です。本買収により、現在2:1になっている横浜ゴムのタイヤ消費財とタイヤ生産財の売上構成比を世界市場規模に合わせて1:1に適正化するとともに、タイヤ商品やサービスの研究開発、生産、販売、品質、サステナビリティなどすべての領域において当社とTWSの強みを融合し、OHT事業のさらなる成長に取り組みます。

中期経営計画「YX2023」の進捗

横浜ゴムは2021年度から2023年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023 )」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーサン)の下、既存事業における強みの「深化」と大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進することにより、次世代の成長に向けた「変革」を図っています。

タイヤ消費財

タイヤ消費財では「高付加価値品比率最大化」を掲げ、「ADVAN」「GEOLANDAR」「ウィンタータイヤ」の構成比率を2019年度の40%から50%以上にすることを目標としています。そのため「ADVAN/GEOLANDARの新車装着の拡大」「補修市場でのリターン販売強化」「ウィンタータイヤを含む商品のサイズラインアップ拡充」「各地域特性に合致した商品の販売強化」に取り組んでいます。

新車装着ではトヨタ自動車(株)の「GRカローラ」や「GRMN Yaris」に「ADVAN」が装着されたほか、「プリウス」「プリウスPHEV」など環境対応車に「BluEarth」が装着されました。新商品では北米と豪州でフルサイズピックアップトラックなど商用車両向けのオールテレーンタイヤ「GEOLANDAR A/T XD(ジオランダー・エーティー・エックスディー)」を発売しました。モータースポーツ活動では「ニュルブルクリンク耐久シリーズ」第2戦で総合優勝、「SUPER GT」開幕戦および第2戦のGT300クラスで優勝、米国のオフロードレース「King of the Hammers」の4900 Can-Am UTVレースで優勝するなど「ADVAN」「GEOLANDAR」装着車が国内外で活躍しました。また、冬用タイヤの開発力強化を目的に「北海道タイヤテストセンター」に国内最大の屋内氷盤旋回試験場を開設しました。構造改革では米国のタイヤ卸売子会社であるFriend Tire Companyを売却しました。

タイヤ生産財

タイヤ生産財では「コスト」「サービス」「デジタルトランスフォーメーション(DX)」「商品ラインアップの拡充」をテーマに掲げ、市場変化を「探索」しています。TWSの買収を完了したほか、新たなタイヤソリューションサービスの確立を目指し、タイヤ内面貼り付け型空気圧センサーとタイヤ空気圧遠隔監視システム(Tire air Pressure Remote access System=TPRS)のEVバスでの実証実験を開始しました。

MB事業

MB 事業は強みであるホース配管事業と工業資材事業にリソースを集中し、安定収益を確保できる構造を確立します。工業資材事業ではコンベヤベルトのシェア最大化に注力しており、難燃中温耐熱性コンベヤベルト「FLAME GUARD #2110(フレイムガード・ニセンヒャクトオバン)」および高温耐熱性コンベヤベルト「HAMAHEAT Super 80(ハマヒート・スーパーハチジュウ)」の2商品を発売しました。

ESGにおける進捗

横浜ゴムはESGの取り組みを事業を強化する実際的な事業戦略の一つとして捉えており、取り組みを通じて持続的な企業価値向上に繋げていきます。環境分野では、ネイチャーポジティブを促進するため「生物多様性のための30by30アライアンス」および「TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)フォーラム」に参画しました。社会分野では、従業員による社会貢献基金「YOKOHAMAまごころ基金」とともに被災地や地域コミュニティーへのサポート、社会貢献団体などへの活動支援に継続的に取り組んでいます。コーポレート・ガバナンスでは取締役会の監督機能の強化および経営の意思決定の迅速化を図るため、3月に監査等委員会設置会社へ移行しました。また、政策保有株式の一部を売却しました。引き続き保有資産の売却などを進め、資本効率の向上と持続的な企業価値向上に努めます。

なお、横浜ゴムは4月より競泳・池江璃花子選手と所属契約を結びました。池江選手は当社所属として初めてエントリーした「第99回日本選手権水泳競技大会」で4冠を達成し、バタフライと自由形で7月14日から開催される「世界水泳選手権2023福岡大会」に出場します。当社は今後も池江選手の夢の実現とグローバルな舞台での挑戦を支えていくとともに、社会人として新たな世界を歩み始める池江選手を支援し、当社の様々な活動に参加いただく機会を提供していきます。

決算ハイライト(百万円)

事業別(百万円)