ニュースリリース

中期経営計画「GD100」のフェーズⅡをスタート

環境の変化にゆらぐことのない「高質な成長」を基本方針として

2009年05月12日

  • 経営関連

横浜ゴム(株)(社長:南雲忠信)は、2017年度に売上高1兆円、営業利益1,000億円、営業利益率10%をめざす中期経営計画「グランドデザイン100(GD100)」の第二ステップとして、4月からフェーズⅡをスタートさせた。フェーズⅡは2009年度から3年間の経営戦略で、最終年度の2011年度に売上高5,500億円、営業利益385億円、営業利益率7%の財務目標をめざす。また、次のフェーズⅢ、フェーズⅣでのさらなる成長に備え、300億円以上のフリーキャッシュフローの創出を図る。

フェーズⅡの基本方針は「高質な成長」で、世界経済の回復への道筋がいまだみえない中、不透明な経営環境にあっても成長を持続できる質の高い企業基盤の確立をめざす。成長の牽引役となるタイヤ事業では、海外でのプレゼンス向上、各国の状況に応じた弾力的な生産増強、地域別事業体制のグローバル化に力を入れる。MB事業はホース、コンベヤベルト、海洋商品(マリンホース、空気式防舷材など)で海外展開を推進するほか、自然エネルギーなどの環境分野で独自技術を生かした新規事業開拓を進める。

 技術戦略では、環境への負荷を低減する技術に加え、横浜ゴムの基本方針である「良いモノを、安く、タイムリーに」をさらに徹底する技術の開発に力を入れる。経営基盤の強化では、CSR経営の徹底、「ムダ取り活動」継続によるコスト競争力の強化、国内事業の構造改革に取り組む。

2006年度からスタートした「GD100」は、上記の長期財務目標に加え、「企業価値・市場地位において、独自の存在感を持つグローバルカンパニー」になることを企業ビジョンに掲げている。また、このビジョンを実現するため、メーカーの使命である「良いモノを、安く、タイムリーに」供給すること、社会から受け入れられ、社会に貢献するトップレベルの環境貢献企業になること、高い倫理観を持ち、顧客最優先の企業風土を作り上げることを基本方針としている。3年度ごとに4つのフェーズに区分し、各フェーズで基本方針、事業戦略、財務目標を定めており、2009年3月末に第一ステップであるフェーズⅠが終了した。

フェーズⅡの詳細

■タイヤの成長戦略

成長の牽引役となるタイヤ事業ではまず、海外でのプレゼンス向上に取り組む。具体的にはヨコハマタイヤの中で最高レベルの省燃費性能を誇るエコタイヤ「DNA dB super E-spec」を欧米市場へ投入するほか、高性能タイヤ「ADVAN」の新車装着をグローバルに推進する。

また、経済環境が不透明な中でも各国の状況に応じて生産増強を行っていく。潜在的成長力の高いロシアでは2011年の稼働をめざしタイヤ工場を建設する予定で、先行して景気回復が見込める中国でも凍結していた杭州工場の生産拡張を再開する。

そのほか、地域別事業体制のグローバル化にも力をいれる。マーケティング機能の現地への移行で市場に合わせた商品開発を進めるほか、タイムリーなタイヤ供給の実現のため提携先との委託生産なども視野に入れる。

■MBの成長戦略

ホース、コンベヤベルト、海洋商品(マリンホース、空気式防舷材など)を成長分野と位置づけ、積極的に海外展開を図る。特にホース、海洋商品については、2009年4月に設立したドイツのMB事業会社を拠点に欧州での販売を強化していく。中国やロシアの新興市場ではコンベヤベルト、海洋商品を戦略商品とし、生産・販売体制を構築する。

環境分野で、横浜ゴムの独自技術を生かした新規事業開拓を進める。具体的には太陽電池用の高性能シール材や、車両の軽量化に寄与する構造用接着剤の開発に取り組む。

■技術戦略

技術戦略のひとつの柱は、環境への負荷を低減するための技術。特に商品のライフサイクルの中で、最も二酸化炭素の発生量が大きいとされる商品使用時の消費エネルギーの低減を最優先課題として取り組む。タイヤについては走行時のころがり抵抗の低減や軽量化に力を入れる。

もうひとつは、横浜ゴムの基本方針である「良いモノを、安く、タイムリーに」をさらに徹底するための技術。市場分析や商品企画力の強化に加え、グローバルな評価体制の構築、地域の実情に合った最適な量産化技術の開発をめざす。また、高い技術を持つ人材の育成や技術・技能の伝承などに力を入れる。

■経営基盤の強化

CSRは社会から信頼される企業をめざし、環境、社会・人の側面からバランスの取れた経営を進める。具体的には環境貢献商品の拡大、世界全生産拠点でのゼロエミッション化、国内外の拠点に50万本を植樹する「YOKOHAMA 千年の杜」プロジェクトなどに取り組む。

従業員参加型の「ムダ取り活動」では、2006年からの3年間で約240億円のコスト削減を達成。フェーズⅡではこの取り組みをさらに掘り下げ、横浜ゴムの企業文化として育成していく。

少子高齢化が進む国内事業の構造改革に着手する。市販用タイヤ販売事業を再編するほか、MB事業でも支店の廃止や流通網の見直しによる構造改革を実施する。