横浜ゴム（株）（社長：南雲忠信）が中国蘇州市に建設を進めていた蘇州横浜輪胎有限公司のトラック・バス（TB）用スチールラジアルタイヤ工場が竣工、10月24 日、現地工場で開所式を行った。新タイヤ工場の稼動によって、横浜ゴムは日本、米国、タイ、中国の4 カ国でTB 用タイヤを生産することになった。

開所式には、中国各省のタイヤ販売会社、蘇州市行政担当者などおよそ280名を招き、横浜ゴムからは南雲忠信代表取締役社長、高井星児常務執行役員などが出席した。挨拶に立った南雲社長は「新工場は、小規模一貫生産システムのコンセプトの下、横浜ゴムの最新の技術と設備を投入して建設し、環境保護についても十分に配慮を払った工場になっている。従来、中国でのTB 用タイヤ販売は日本からの輸入に依存していたが、新工場の稼動により中国国内への供給能力は飛躍的に拡大する」と述べた。

蘇州横浜輪胎は、2006 年4 月、中国の事業統括会社である横浜橡胶（中国）有限公司の出資により資本金27.1 百万ドルで設立された。年間生産能力は34 万本で、2009年5 月までにフル操業に入り、その時点で従業員数は400 名になる予定。生産するTB 用タイヤは、すべて中国国内補修市場で販売する。新タイヤ工場建設のための総投資額は95 億円。横浜ゴムでは、将来の販売拡大にあわせさらに追加投資を継続し、生産能力の拡大を進める計画。

現在、横浜ゴムは中国において、乗用車用タイヤ、コンベヤベルト、接着剤、ホースと金具組み立てに関する生産販売会社4 社、タイヤ販売会社1 社、これら事業の統括会社1 社を通じて生産・販売活動を行っている。新たに蘇州横浜輪胎が操業を開始したことで、計7 社によって事業を行うことになった。