ニュースリリース
A380フェアリング用プリプレグの供給に向け、エアバス社から認証取得
2006年06月26日
- 工業品関連
横浜ゴム(株)(社長:南雲忠信)は、A380のフェアリング向けプリプレグについて、エアバス社が独自に定める材料規格の認証を取得した。エアバス社は同規格の認証取得企業の中から材料のサプライヤーを選定しており、プリプレグで同規格の認証を取得したのは日本企業では横浜ゴムが初めて。
プリプレグはカーボン、ガラスなどの織布に熱硬化樹脂を含浸させたシート状のもので、これを何枚か重ねて成型し、加熱硬化させることで、軽くて強いFRP(Fiber Reinforced Plastics=繊維強化プラスチック)の成型物になる。今回、A380のフェアリング向けに開発したのはカーボン繊維にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグ。フェアリングは空気抵抗を減らすため、主翼の付け根の下面に取り付ける流線型の覆いで、A380用はハニカムをFRPの板ではさんだサンドイッチ構造のパネルを採用している。
A380向けに横浜ゴムが開発したプリプレグの特長はふたつある。ひとつは樹脂を溶かすために使用される有機溶剤が不要な点で、高温で樹脂を溶かす方法により可能になった。これにより環境への付加が低減できる。もうひとつはハニカムコアの両面にFRPを貼る際、接着剤を使わず加熱・加圧するだけで接着できる点で、工程が減るため生産性の向上が図れる。こうした高い技術力が認められ、今回の認証取得に至った。
横浜ゴムは世界有数のタイヤメーカーであるとともに、FRP、ゴム、金属などを使った航空機用部品を製造している。すでにA380向けには飲料水用のウォータータンク、トイレ用浄化槽のウエストタンクを独占供給している。今後は、フェアリング以外のプリプレグ認証取得にも積極的に活動を行っていく。