ニュースリリース

横浜ゴム、岩手県大槌町で2期目の植樹会を開催、住民の皆様とともに5,000本を植樹

2013年05月24日

  • 経営関連
  • サステナビリティ

横浜ゴム(株)は、東日本大震災の被災地である岩手県上閉伊郡大槌町の復興を支援するため、5月18日に「平成の杜」植樹会を開催した。当日は大槌町住民の皆様160名を含めた553名が参加し、その土地本来の常緑広葉樹の苗木およそ5,000本を植樹した。会には碇川豊大槌町長、協賛企業の方々、植物生態学者の宮脇昭氏、元F1ドライバーの片山右京氏などが参加したほか、横浜ゴムからは南雲忠信会長兼CEO、野地彦旬社長ほか従業員ボランティア54名を含む245名が参加した。

大槌町は復興計画のひとつに「いのちを守る森の防潮堤」づくりを掲げている。横浜ゴムはこの活動に賛同し、昨年4月30日にそのモデルケースとなる「千年の杜」植樹会を実施しており、今回は2期目の植樹となる。1期目に植樹した50メートルのマウンドの隣に新たに長さ250メートルの植樹マウンドを建設し、今回はその内50メートルに植樹を行った。毎年50メートルずつ植樹していく計画で、横浜ゴム創業100周年の2017年度に300メートルまで延長する。なお、このモデルケースの杜は、平成に起きた大震災を決して忘れないものとするため、「千年の杜」から「平成の杜」に改名された。

今回の「平成の杜」づくりの最大の特長は、植樹マウンドに震災で発生した木質系がれき(建材は使わず自然木限定)や土砂、コンクリート片などの土系不燃がれきを表土以外の部分で活用している点である。こうした震災がれきの利用は、がれき処理のコスト削減や焼却処理によるCO2発生を抑制できるだけでなく、苗木の発育促進にも効果がある。横浜ゴムでは、今後の「いのちを守る森の防潮堤」づくりに繋げるため、第1期植樹場所で定期的に測定・調査を行い、震災がれき活用による効果を定量的に把握する活動を継続している。

横浜ゴムグループは2007年から従業員が中心となって作る森づくり「YOKOHAMA千年の杜」プロジェクトを進めている。「いのちを守る森の防潮堤」は同プロジェクトの植樹指導を行う宮脇昭氏(植物生態学者/横浜国立大学名誉教授)が提唱しており、東北地方の太平洋沿岸およそ300キロメートルに津波の被害を軽減できる「本物の森」をつくることを計画している。また、宮脇氏は震災がれきを植樹マウンドとして有効利用することを提言している。

※写真をクリックすると印刷用高解像度画像がダウンロードできます。

開会式の様子

開会式の様子

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植樹する参加者の皆様

植樹する参加者の皆様

主な出席者の挨拶(要約)

碇川豊大槌町長

宮脇昭先生から緑の防潮堤を作ろうというお話をいただき、昨年4月から命を守る防潮堤づくりを進めてきました。人口の1割が亡くなった災害の記憶を決して風化させないため、亡くなった方々の慰霊の場、鎮魂の杜としてこの「平成の杜」をしっかり育みながら、町民の憩いの場にしていきたいと考えております。また、高さ14.5mのコンクリート製の防潮堤の陸側を「平成の杜」で覆うことで災害から町を守りつつ、自然環境を考えた町づくりをしていきます。これから町づくりを進める中で、124棟建築した災害公営住宅がまもなく入居の運びとなるなど、少しずつではありますが着実に復旧は進んでおります。これも全国から集まった職員、そして皆様方のご支援によるものと深く感謝しております。本日はこの好天の中、皆さんにも心を込めて植樹をしていただきたいと思います。

南雲忠信横浜ゴム会長兼CEO

横浜ゴムは大槌町が復興計画のひとつに掲げている鎮魂の杜づくりに賛同し、昨年、そのモデルケースとなる第1期の植樹会を開催いたしました。ご覧のように苗木はすくすくと育ち、約1メートルになっております。本日は2期目の植樹会ですが、未曾有の大震災を決して忘れないものとするため、名前を「平成の杜」植樹会としました。これからも毎年、約5,000本の植樹を続けていく予定で、横浜ゴム創業100周年の2017年には300メートルのマウンドが緑でいっぱいになっていることと思います。そして、緑に覆われた300メートルのマウンドを見るたび、大槌町の鎮魂の杜への思いが伝わるよう願っております。また現在、仮設住宅の皆様にもどんぐりから苗木を育てていただいております。この「平成の杜」に皆様の思いが込められた苗木が植えられ、近い将来、命を守る森へ成長することを願っております。

野地彦旬横浜ゴム社長

皆様、本日はお疲れ様でした。先日、5年前に植樹を行った弊社のフィリピン工場に行ってきたのですが、高さが10メートル位になっていました。ですから、皆様にも自分で植えた苗木は最後まで面倒をみて可愛がってほしいと思います。また「平成の杜」という名前ですが、昨年7月に宮脇先生が天皇陛下とお話された際に、ぜひこの名前を使わせていただきたいとお願いしたことがきっかけです。天皇陛下も大変お喜びになっておられました。「千年の杜」から「平成の杜」に改名されましたが、皆様の命をつないでいく、DNAを残していくという思いは変わらず込められております。苗木は町内の仮設住宅でも育てていただいておりますし、弊社の新城、三重、尾道工場など色々な場所で育てております。その土地のどんぐりでなければならないため、また秋にはこの近辺でどんぐりを拾い、それをポットに植えます。これからも皆さんのお力添えをぜひお願いしたいと思っております。