ニュースリリース

横浜ゴム、指紋の付きにくいハードコート材「Y-coat VH350」新発売

2011年04月14日

  • 工業品関連

横浜ゴム(株)(社長:南雲忠信)は、紫外線硬化型のプラスチック用フッ素系ハードコート材「Y-coat VH350」を開発し、販売を開始した。新製品は撥油(はつゆ)性を高めることで、指紋などの皮脂や汚れを付着しにくく、除去しやすくしたのが特長。さらに、2010年に発売したハードコート材「Y-coat VH322F」が持つ高硬度※、強靭性を継承し耐擦傷性にも優れることから、携帯電話や携帯情報端末(PDA)などの保護に最適となっている。
※ 鉛筆硬度がPMMA上7H

 「Y-coat VH350」は、画面を指で触り操作するタッチパネル式の携帯電話、PDAなどの急速な普及に応えて開発された。同製品は独自に設計した強靭なアクリル樹脂に撥油性を高める特殊フッ素化合物を結合させることで、撥油性の指標となるオレイン酸接触角試験で78°という高レベルを実現(特許申請中)。さらに光透過性にも優れ、画面が見やすくなっている。携帯電話やPDA以外にも、樹脂成型品に広く採用されているポリカーボネートやアクリル樹脂の保護に適している。また、PETフィルムへの塗装用グレードも設定するなど、幅広い分野への使用が可能になっている。

 「Y-coat」は横浜ゴムが2004年から発売しているプラスチック製品向け真空蒸着用コート材シリーズ。特に2009年からは、携帯電話やデジタルカメラなどの情報家電、化粧品容器や照明機器など多様な新分野向けの開発を強化している。顧客ニーズに合わせたコートシステムの提案、加飾性に優れたコート材の開発などによって各種製品ラインナップを充実しつつあり、国内外で販売を伸ばしている。

※写真をクリックすると印刷用高解像度画像がダウンロードできます。

油性マジックの付着性で評価する防汚性試験。写真右がVH322F、左がVH350を塗布したポリカーボネート板。ウエスによる拭取りを5往復行った。VH322Fの塗膜には油性マジックでの記入が可能で拭取れないのに対し、VH350の塗膜はインクがほとんど乗らず拭取りやすい。

油性マジックの付着性で評価する防汚性試験。写真右がVH322F、左がVH350を塗布したポリカーボネート板。ウエスによる拭取りを5往復行った。VH322Fの塗膜には油性マジックでの記入が可能で拭取れないのに対し、VH350の塗膜はインクがほとんど乗らず拭取りやすい。