ニュースリリース

横浜ゴム、撥水性に優れたハードコート材「Y-coat VH340」新発売

2011年04月14日

  • 工業品関連

横浜ゴム(株)(社長:南雲忠信)は、紫外線硬化型のプラスチック用フッ素系ハードコート材「Y-coat VH340」を開発し、販売を開始した。新製品の最大の特長は撥水(はっすい)性に優れること。表面を保護するだけでなく、水滴などの汚れがつきにくく除去しやすいメリットを持つ。さらに、2010年に発売したハードコート材「Y-coat VH322F」が持つ高硬度※、強靭性を継承し耐擦傷性にも優れることから、携帯電話や携帯情報端末(PDA)などの保護に最適となっている。
※ 鉛筆硬度がPMMA上7H

近年、携帯電話やPDAなどの急速な普及に伴い、使用者の多様なニーズに応えたハードコート材が求められている。「Y-coat VH340」は、水滴などをはじく高撥水性能を求めるメーカーの要望に応え開発した。同製品は独自に設計した強靭なアクリル樹脂に撥水性を高める特殊フッ素化合物を結合させることで、水接触角(撥水性能の基準)が110°以上という高レベルを実現している(特許申請中)。さらに光透過性にも優れ、画面が見やすくなっている。携帯電話やPDA以外にも、樹脂成型品に広く採用されているポリカーボネートやアクリル樹脂の保護に適している。また、PETフィルムへの塗装用グレードも設定するなど、幅広い分野への使用が可能になっている。

 「Y-coat」は横浜ゴムが2004年から発売しているプラスチック製品向け真空蒸着用コート材シリーズ。特に2009年からは、携帯電話やデジタルカメラなどの情報家電、化粧品容器や照明機器など多様な新分野向けの開発を強化している。顧客ニーズに合わせたコートシステムの提案、加飾性に優れたコート材の開発などによって各種製品ラインナップを充実しつつあり、国内外で販売を伸ばしている。

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水接触角試験。左はVH322F、右はVH340を塗布したもの。VH322Fの塗膜では水接触角が70°であるのに対し、VH340の塗膜では水接触角が111°となった。

水接触角試験。左はVH322F、右はVH340を塗布したもの。VH322Fの塗膜では水接触角が70°であるのに対し、VH340の塗膜では水接触角が111°となった。