ニュースリリース

乗用車用スタッドレスタイヤ「アイスガード」新発売

「ダブル吸水ゴム」の採用で吸水力が約2倍に向上

2002年07月09日

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横浜ゴム(株)(社長:冨永靖雄)は、氷上性能を大幅に向上した乗用車用スタッドレスタイヤの新商品「アイスガード」を7月10日から順次発売する。発売サイズは、245/40R18 93Q~155/80R12 77Qの全68サイズ。価格はオープンプライス。
「アイスガード」は、トレッドコンパウンドが路面の水膜を吸収する力を約2倍※1 に向上した乗用車用スタッドレスタイヤの新ブランド。従来の「ガーデックスK2」シリーズから配合している「吸水バルーン」に、今回新たに開発した「吸水カーボン」をプラスした「ダブル吸水ゴム」を採用した。「吸水バルーン」と「吸水カーボン」のダブル吸水により、氷上でのスリップの原因である路面のミクロの水膜を効果的に除去するため、従来品(ガーデックスK2F720)に比べ氷上性能を20%向上した。トレッドパターンには、「ピラミッドサイプ」、「マイクログルーブ」などを新開発し、氷上から積雪路面まで優れたグリップ力と走行安定性を実現した。40~55サイズ(ロープロファイルサイズ)は、氷雪性能で高い評価を得ている「ガーデックスK2F721」のトレッドパターンを継承し、トレッドコンパウンドに「ダブル吸水ゴム」を採用した。

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■「アイスガード」の主な特長

2倍の吸水力で、氷上性能を大幅に高めた「ダブル吸水ゴム」

凍結路面においてタイヤがスリップする原因は、氷表面にできたミクロの水膜。水膜が出来るとタイヤが路面と直接接することが出来ないため、摩擦力を発揮できない。横浜ゴムでは、水膜除去機能を備えたスタッドレスタイヤの開発に取り組み、1999年に「吸水バルーン(気泡)」を配合した「氷着バルーンゴム」をコンパウンドに採用した「ガーデックスK2F720」を開発した。「吸水バルーン」は、路面と接すると割れ、その中に水膜を吸水する。これによってタイヤが路面と密着し、グリップ力を発揮できる。
今回、開発した「ダブル吸水ゴム」は、「吸水バルーン」と新素材「吸水カーボン」をブレンドした。「吸水カーボン」は、強力な吸水力を備えた層状構造の空洞が路面に接した際に、表面張力の原理を利用して空洞内に水膜を吸い上げ、タイヤを路面に密着させる。「吸水バルーン」と「吸水カーボン」のダブル吸水により、従来品(ガーデックスK2F720)に比べ氷上性能が20%向上した。
また、バルーン自体が剛性力を持つ「吸水バルーン」がブロックの倒れ込みを防ぎ、安定した走行性能を実現。さらに、低温でもしなやかさを保つシリカと横浜ゴム独自の「ゼルマ(シリカ分散剤)」の配合ゴムが低温下でも優れたグリップ力を発揮する。

氷上、雪上性能を高次元で両立した新トレッドパターン

5本のストレートグルーブの採用により、積雪路面での直進安定性、ブレーキ性能を向上するとともに、氷雪路面での横滑りに対するグリップ力を強化した。また、ブロック形状を均一にすることで、接地圧をより均一化した。これにより、優れた接地性を実現し氷上グリップを高めた。

ブロック剛性を確保するピラミッドサイプ

夏タイヤと比べると、スタッドレスタイヤのトレッドコンパウンドは柔らかく、路面との粘着摩擦力に優れる反面、ブロック剛性を確保しにくい。こうした問題を解決するのが「ピラミッドサイプ(ブロックに刻まれた波状の細溝)」。立体化したサイプ同士を支え合うように配置したため、ブレーキング時などブロックに大きな荷重がかかる時でも、ブロックの倒れ込みを防ぎ路面との接地面を十分に確保する。これにより氷上でのグリップ力を向上した。また、エッジ効果やサイプの吸水力も高めた。

装着初期から優れた氷上性能を発揮するマイクログルーブ

各トレッド表面に細かいスリットを斜めに配置することで、装着初期の氷上性能を向上するとともに、各方向へのエッジ効果も高めた。

ロープロファイルサイズにも「ダブル吸水ゴム」を採用

■「アイスガード」の発売サイズ