ニュースリリース

産業廃棄物を減らせるシーリング材容器「e-can」開発

2002年09月19日

  • 工業品関連
  • サステナビリティ

横浜ゴム(株)(社長:冨永靖雄)は、廃棄量を大幅に減らせるポリプロピレン製シーリング材容器「e-can(イーカン)」を開発した。特殊な成型方法(特許出願中)により、頑丈でありながら使用後は簡単に解体でき、従来のブリキ缶の8分の1まで体積を減らすことができる。昨年から「e-can」容器入り商品を試行販売し好評を得たため、今年9月から主力商品の2成分形シーリング材「スーパーII」を手始めに、容器をブリキ缶から「e-can」に順次切り替えていく。
シーリング材は建築物の外壁パネルなどの継ぎ目をふさぐ目地材として使われる。シーリング材の容器は、屋外での保管や運搬作業を考慮し、これまで頑丈なブリキ缶が使われることが多かった。しかし、使用後のブリキ缶は埋立処理され産業廃棄物増加の要因になることから、改善が求められていた。
「e-can」は縦に割れやすい特殊成型で、解体して簡単に廃棄量を削減できるのが特徴。また、開口部から底部に向かって細くなっているため、解体しなくても積み重ねるだけでブリキ缶の3分の1に減量できる。強度も確保し、自動攪拌機を使い「e-can」容器内で混練しても破損する心配がなく、現行のブリキ缶と同様の方法で作業できる。さらに、開口部の縁が鋭角でヘラしごきがしやすいなど使い勝手にも優れる。
産業廃棄物の削減に貢献するため、1994年に焼却処理できる紙製容器「P-CAN」を発売したが、焼却方法によっては不完全燃焼によるダイオキシン発生の懸念があることから、今回新たに廃棄量を減らせリサイクル可能なポリプロピレン製の「e-can」を開発した。当面は解体による産業廃棄物の減量が目的だが、将来的には「e-can」の回収ルートを確立し、リサイクルしていく考え。

※写真をクリックすると印刷用高解像度画像がダウンロードできます。

積み重ねた状態

積み重ねた状態

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解体して圧縮した状態

解体して圧縮した状態