ニュースリリース

シーリング材容器「e-can」を無償回収

マテリアルリサイクルで環境保護を推進

2005年07月07日

  • 工業品関連
  • サステナビリティ

横浜ゴム(株)(社長:南雲忠信)は、2成分形建築用シーリング材専用産業廃棄物対策容器「e-can」の無償回収によるマテリアルリサイクルを沖縄県を除いた全国で展開する。「e-can」はポリプロピレン製で、回収後、破砕・粉砕し再生ペレット化する。回収・再ペレット化作業は、横浜ゴムが「e-can」の製造を委託している(株)前田製作所(本社:東京都墨田区)が行う。

「e-can」を再生ペレット化する技術は、すでに確立されていたが、廃棄物処理法によって現場からの持ち出しが制限されていた。このため㈱前田製作所と協業し、回収システムの確立を進める一方、昨年夏より、「広域認定制度」(環境大臣が認定する廃棄物処理法の特例制度)の適用を申請、ことし6月に認定されたことから全国回収をスタートすることにした。広域認定制度取得は、産業廃棄物の不法投棄防止、マニュフェスト(産業廃棄物管理表)不要等の利点も有り、かねてより各建設会社からの強いニーズがあった。

普及にあたり、「e-can」の改善もさらに進めた。産業廃棄物の削減をさらに強化するため、従来より金属製把っ手を採用していたが、把っ手の取り付け位置を容器の口からやや下方にづらし、シーリング材の付着を少なくし、また容器の強度も高めた改良タイプに一新した。

建築用シーリング材は高層ビル・マンション・戸建住宅等の建築物の目地材として使用される防水材。従来からブリキ缶に充填して出荷されるのが一般的で、使用後のブリキ缶は埋め立て処理されてきた。こうした産業廃棄物の削減を目指し、横浜ゴムでは2001年から缶、フタ、ラベル全てがポリプロピレン製の「e-can」の販売を開始。使用後、缶内部に残るシーリング材も廃プラスチックとして一括焼却処理(サーマルリサイクル)ができるなどの利点が評価され、すでに横浜ゴムのシーリング材出荷量の約2割に「e-can」が使用されるまでになっている。横浜ゴムでは、マテリアルリサイクルの実現を契機に、今後さらに「e-can」の普及を図り、環境保護を推進すると同時に、建設会社・シーリング施工業者等の産業廃棄物処理費用の削減にも貢献していく方針。

※写真をクリックすると印刷用高解像度画像がダウンロードできます。

回収促進のため把っ手位置や強度の改善を図った新しい「e-can」

回収促進のため把っ手位置や強度の改善を図った新しい「e-can」