ニュースリリース

鋼線を使用しない高圧水素ガス用ホース「ibar HG70」を共同開発

水素貯蔵圧力70MPaの燃料電池自動車に対応、軽量で取り扱いやすい

2010年04月22日

  • 工業品関連

横浜ゴム(株)(社長:南雲忠信)は、岩谷瓦斯(株)(本社:大阪、社長:吉良佳浩)と共同で、高圧水素ガス用ホース「ibar HG70(アイバー・エイチジーナナゼロ)」を開発しました。燃料電池自動車に水素を充填するディスペンサー用ホース向けで、水素貯蔵圧力70MPaの車両に対応しています。従来の70MPa級高圧ホースに比べ、軽量で柔軟性に優れ、運搬や充填作業がしやすいのが特徴です。

70MPa級高圧ホースの多くは耐圧性の要となる補強層の材質に鋼線を使っていますが、「ibar HG70」は軽量化と柔軟性を実現するため特殊合成繊維を採用(特許出願中)しました。また繊維補強にしたことにより、鋼線補強の難点であった鋼材中に水素が吸収されて強度が低下してしまう水素脆化の問題も解決しました。

現在稼動している多くの水素ステーションは燃料電池自動車への最高充填圧力が35MPaであるため、一回の充填で走行できる距離がガソリン車より短いといった課題があります。その対策として、燃料タンクの容積を変えずに水素ガスをさらに高圧で充填する方法が候補となり70MPa以上での使用を想定したステーション設備や車載タンクの開発が進められており、現在4つの水素ステーション(千住/横浜・大黒/船橋(移動式)/横浜・旭)で実証レベルにあります。

「ibar HG70」は、横浜ゴムが独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から「70MPa級水素充填対応ステーション機器システム技術に関する研究開発」の委託を受け開発したものであり、横浜ゴムの保有する高圧ホース製造技術と、岩谷瓦斯の保有する工業ガスハンドリング及び評価技術をベースに35MPa対応樹脂ホース「ibar HG35(アイバー・エイチジーサンゴー)」開発で培った技術をさらに発展させ完成に至りました。今後、水素ディスペンサー用にとどまらず、高気密性を生かして各種産業用高圧ガス用途へも展開を図っていく計画です。

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ibar HG70

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