公正な事業慣行

サプライヤーの社会性評価

KPI

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項目 2020年度実績 2021年度実績
社会への影響評価を行ったうえで、取引を開始した新規サプライヤーの割合 (連結)100%(39社) (連結)100%(37社)
サプライチェーンにおける社会へのマイナス影響、および行った措置 初めて取引を行う39社に対し、各種アンケートや調査、および監査を実施
社会へのマイナス影響を特定したサプライヤーはありませんでした。
初めて取引を行う37社に対し、各種アンケートや調査、および監査を実施
社会へのマイナス影響を特定したサプライヤーはありませんでした。

責任部門

調達本部 原料調達部 資材調達部

考え方・目標

なぜ「サプライヤーの社会への影響評価」が重要取り組み項目なのか
理由と背景の解説

横浜ゴムグループの主要製品に使われる原材料は、各種合成ゴムをはじめ石油化学製品(化学品)が多く、その製造工場がある地域住民とのコミュニケーション不足によってはその地での操業にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。また、各拠点で使用する資材類は、現地のサプライヤーから仕入れており、公正な取引が行われない場合、納品の遅れや不良品発生などから、コストアップにつながる場合もあります。
また、将来的に、安定的に倫理上問題なく調達を行っていくためには、その自然資源の育成・採取や工業品・加工品の製造にかかわる方々が家族と安心して生活ができ、健やかにまた安全に働ける労働環境が整備されていることが大切です。調達する地域によっては人権課題を抱えるリスクも否定できません。労働慣行や人権評価を行うことは重要な課題と認識しています。
さらには、紛争地域の鉱物(タンタル、スズ、タングステン、金)の取引による収益が反社会団体の活動資金として使われている可能性があるとして、アメリカの証券取引協会では、ドット・フランク法が策定され、精錬業者を特定することが求められています。横浜ゴムグループは、これらの社会影響を意識し、倫理的な問題がなく、安定に調達するという観点から、「サプライヤーの社会評価」を重要な取り組み項目として選択しました。

新規取引開始時の社会影響評価

新規の取引先に対して、CSRアンケートを実施し、労働条件、人権に関する質問への回答を依頼し、問題のないことを確認しています。
新規の原材料を採用する際には、そのサプライヤーに対して、(1)公正・公平な取引の仕組みが構築されているか、(2)外部コミュニケーションの仕組み、(3)どのように活動が行われているか、アンケートでの回答を依頼しています。また、「CSR取引先説明会」への参加や、紛争鉱物使用の有無に関する調査への協力を依頼しています。

サプライチェーンにおける社会影響への認識

各拠点のある国や地域によっては、国外・地域外から働きに来ている場合もあり、同じ作業が、同じ労働条件になっていない可能性があり得ると認識しています。また、国外・地域外から働きに来ている場合もあり、人権を毀損する行為や待遇が起こる可能性があり得ると認識しています。
各拠点のある国や地域によっては、商取引に対する腐敗、コンプライアンス、反競争的行為が、これまでの文化や風習の影響を受けて行われる可能性もあり得ると認識しています。

著しい社会影響があると判断したサプライヤーへの対策

著しい影響があると判断したサプライヤーに対しては、是正をお願いし、共に改善を進めます。悪質な場合は、取引を停止するなどのペナルティがあることを通知し、状況に応じて対応します。

例)児童労働(就学させていないなど)、強制労働(長時間労働・適切な休暇がない・低賃金など)が発覚した場合、著しい影響があると判断いたします。

目指す姿(達成像)/目標

業界再編や新たに進出した国・地域で、現地の原材料を調達する場合に、漏れなく評価を行い、確認して取引契約を行う仕組みが構築されている姿を目指します。
また、今後グローバルに生産拠点が広がる中で、各国・地域で適正な調達を行い、その比率を高めていくことを目標としています。そのために、新規サプライヤーとの契約締結時に社会影響評価を行い、問題がないことを事前に確認するため、取引先調査および取引先による自主チェックシートの回答内容について確認する運用を開始します。

目指す姿に向けた施策

行動指針、調達行動規範に沿って、当社従業員が新規サプライヤーの評価を確実に行っていることを点検します。
「CSR取引先説明会」を開催し、「取引適正化」の動向と取り組みについて情報を共有しています。
また、横浜ゴムグループの商品を構成する原材料を供給するサプライヤーに対して、紛争鉱物の使用がないことの調査・確認をお願いしています。

コンフリクト・ミネラルへの対応

横浜ゴムグループでは、人権・環境・社会への影響を配慮したグローバル調達に取り組みます。
その一環として、コンゴ紛争地域の鉱物(コンフリクト・ミネラル;タンタル、スズ、金、タングステン)を意図的に使用いたしません。
また、コバルトについても同様に調査を進め、紛争地帯の鉱物を意図的に使用いたしません。

2021年度の活動レビュー

2021年度に初めて取引を行う37社に対して各種アンケートや調査、および監査を実施し、改善の必要はありませんでした。
アメリカに上市されているお客さまに納めている商品には、紛争地域由来の鉱物(スズ、タンタル、タングステン、金)を使用した原材料はありませんでした。
今後、第10回CSR取引先説明会をオンライン(ウェビナー)形式で開催するにあたり、進め方や想定し得るトラブル等について何度も議論を重ね、準備をしました(開催は2022年春)。
サプライヤーへのCSRアンケートや訪問監査を実施しましたが、改善を図るような事例はありませんでした。 適正取引講習会(下請法)は、当社グループ社員が下請代金支払遅延等防止法(下請法)を理解し、違反行為を起こさないための活動です。
2021年度はコロナ禍により中小企業庁からの講師(弁護士)の当社開催地への派遣が中止となり、代わりにオンライン(ウェビナー)形式で説明会を受講する形式を継続しました。当社グループ会社からの参加者を含め、168名が受講しました。

CSR自己診断

お取引先に対し、CSRに関連する各項目について当社所定のチェックシートにて自己診断をお願いし、その結果について1,139社から報告いただきました。

課題と今後の改善策

横浜ゴムグループの商品に使われる原材料のサプライヤーに対して、社会的影響のある調査や評価の結果を取得・管理することを、漏れなく継続していくことが課題と認識しています。
サプライヤーの労働慣行に関しては、今後進出する拠点の国や地域の状況を横断的に情報共有するため、管理システムの運用を推進します。
また、海外サプライヤーのアンケート集計結果の分析を進め、対応策を検討します。