YOKOHAMA Original EV 開発コードネーム『AERO-Y』YOKOHAMA Original EV 開発コードネーム『AERO-Y』

この車両は横浜ゴムのタイヤ事業やMB事業の技術者が部門を越えて参集し、
自社技術を採用して一台のEVを創るとどうなるか? をテーマに、参考車両として製作いたしました。
次世代車に関わる様々な技術は、環境に良いベネフィットを生むものでなければいけません。
一方で、『走る歓び』を直感的に感じるものであって欲しいと、横浜ゴムは考えます。
このような背景から、「空気」「空力」をテーマにした、この『AERO-Y』は生まれました。
YOKOHAMA Original EV 開発コードネーム『AERO-Y』

カーボンプリプレグ(CFRP)

横浜ゴムにて設計・生産している、航空機用のプリプレグを車両用途に再設計。ボディのほぼ全般に採用
- 仕様部位に合わせた強度設計
- 成形性を考慮した樹脂仕様の設計

接着剤『ハマタイト』

車両軽量化のニーズにあわせた、接着剤の研究・開発。
- アルミ=樹脂 異種複合材料接着の開発
- 幅広い用途に使えるウレタン系接着剤の開発
※2021年11月1日にハマタイトは事業譲渡

次世代タイヤ(プロトタイプ)

高い運動性能と低転がり抵抗の両立。
クルマ全体での空気抵抗の低減に貢献するタイヤのエアロダイナミクス技術を採用

デザイン協力:ムーンクラフト

『クリーン且つスピード感のあるワクワク。』をコンセプトにムーンクラフトによって、デザインされました。
ここにもエアロダイナミクスの考えが反映されています。

カーボン・プリプレグ(CFRP)

横浜ゴムでは、CFRP用プリプレグの設計生産を主とした航空部品事業を展開しています。カーボンプリプレグを用いての降雨浮きボディ素材開発や、機内のラバトリーモジュール(化粧室ユニット)の設計・開発などが主な製品です。

今回の「AERO-Y」には、BOEING社に日本で初めて認証されたカーボンプリプレグをベースに専用再設計した素材を、ボディ全般に採用しています。次世代車であるEVのバッテリー消費量を低減させるためには車両の軽量化が必須であり、CFRPを用いての最適なボディ素材の確率が求められています。

※CFRPとはCarbon Fiber Reinforced Plastics=炭素繊維強化プラスチックの略。
※プリプレグとは補強繊維に樹脂を含浸させたシート状の材料で、CFRP用プリプレグは補強繊維に炭素繊維を使用。これを重ねて成型、熱硬化することでCFRPとなる。


接着剤

横浜ゴムでは、ゴム及びエラストマー技術を応用し建築や自動車などに使用する「ハマタイト」という接着技術を保有しています。
クルマのEV化が進むと、内燃機関の熱問題から開放されるため、樹脂系素材の採用範囲が拡大されると予想されます。(例:ボディパネル、エンジン周辺etc)
さらにバッテリー消費を低減するため、アルミや樹脂系素材を使用した車体フレーム構造が採用され、車両の軽量化が進みます、このように金属と樹脂といった「異種複合材」を接合するために、溶接に代わる「接着剤」は必須となり、幅広い用途に合わせた接着剤の研究・開発が求められています。
※2021年11月1日にハマタイトは事業譲渡


次世代タイヤ

タイヤのエアロダイナミクス(空気抵抗を低減する技術)

ディンプルデザイン、タイヤの車両外側

多数のディンプルによりタイヤサイドに沿った空気の流れを作り出し、タイヤの空気抵抗を低減する技術。

インサイドフィンデザイン・タイヤの車両内側

フィンによりタイヤハウス全面の圧力を高めて車両を前方に押し出す力を発生させる。これにより車両全体としての空気抵抗を低減する技術。


パターンデザイン

ハイレベルなドライ・ウェット性能を発揮しつつ、EV向けを考慮し、省燃費性と静粛性を高めたトレッドパターン
転がり抵抗を犠牲にすることなくグリップ力を高めたコンパウンド
マイクロシリカの効きを高めるシリカ分散剤

大量に配合した「マイクロシリカ」をシリカ分散剤で協力に拡散、均一化させ、高いウェットグリップを実現。

機能が異なる3種類の高分子量ポリマーをブレンド
  1. シリカとの化学結合力を強化する高反応ポリマー
  2. 低転がり抵抗と高いウェットグリップを両立するポリマー
  3. 耐摩耗性を向上させるポリマーのブレンド比率を最適化
ウェットグリップを高める基盤技術の「オレンジオイルを配合」

ゴムをしなやかにすることで、路面への追従性を高め、グリップ性能を向上させる。