The next generation of street sports tire =ADVAN A052= (4)

「ADVAN A052」は発売されたその週末に、全日本ジムカーナ選手権の第6戦・もてぎラウンドで全日本選手権競技へのデビューを果たした。南コースを舞台にフルパイロンコースで競われた一戦は、8月最初の週末ということで厳しい暑さに見舞われた。そんな中でPN1とPN2クラスでデビューウィンを飾った「ADVAN A052」。全日本ジムカーナ選手権のトップドライバーに、そのフィーリングをお聞きしてみよう。


グッドバランスで、助手席に女の子を乗せられます – 斉藤邦夫 選手

第6戦のもてぎ、注目を集めた「ADVAN A052」のデビュー戦で見事な優勝を飾ったのがPN1クラスの斉藤邦夫選手。今シーズンから現行型のマツダ・ロードスターにマシンをスイッチしてPN1へと移籍した斉藤選手だが、待望の初優勝を「ADVAN A052」で手中におさめた。そんな斉藤選手は「ADVAN A052」について、グリップレベルの高さは当然としてコントロール性の高さに注目する。

PN1クラス|斉藤邦夫 選手 (マツダ・ロードスター)

「グリップの高さはデビューウィンで証明出来たと思っています。その上でコントロール性能について、『ADVAN NEOVA AD08R』も悪くなかったのですが『ADVAN A052』はワンランク、いやツーランク高いところにありますね。楽に、安全に車を走らせることが出来て、普通に乗って秒単位のタイムアップが叶います。これまで、サイドターンを絶妙な操作でスライドコントロールして、針の穴を通るような運転で出ていたタイムが、極端に言うとズボラな運転で出せてしまうんです(笑)。現実的にはタイムのバラつきが少なくなって、良いタイムをリザルトに並べることが出来るようになりますね」

セッティングにおいてはバネレートを前後ともに高めて、高まったグリップに対して踏ん張れるようにしているという。「ADVAN NEOVA AD08R」にあわせたセッティングで「ADVAN A052」を使うと、少し勿体ない部分も出てくるとも語った斉藤選手。こうしたセットアップを施した上で、斉藤選手は「ADVAN A052」の優れた摩耗性にも注目しているという。

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「もてぎの全日本戦に先立って練習で使ったタイヤ、これで一日走って家まで帰り、そのままのタイヤで全日本の本番に来て、金曜日と土曜日を走りました。これだけ走っても、初期からのポテンシャルに大きな変化は見られず、とても扱いやすいタイヤですね」

摩耗性にも優れる「ADVAN A052」。アタックを重ねてもポテンシャルの変化が小さいということは、それだけ競技への参戦コスト低減にもつながり財布にも優しいタイヤということになる。さらに斉藤選手に“ここがお勧めというポイント”をお聞きすると、ちょっと意外な答えも含めて締めくくってくれた。

「『ADVAN A052』は、“グッドバランス”の一言に集約できますね。トラクション性能、コーナーリングのグリップ、コントロール性能、摩耗性能、そして走行を重ねたときのタイムダウンの少なさ。ジムカーナという競技レベルでも好タイムを記録できる“有効本数”が多いので、一か八かの勝負ではなくミスをしないで普通に走り切ればタイムを出せるのは最大の美点ですね。そしてもうひとつ、意外と普段の移動が快適なんですよ。晴れでも雨でも、ずっと『ADVAN A052』を装着したままで競技会場を往復しても全く問題無いので、PNという部門の主旨にもあっていますよね。助手席に女の子を乗せても、苦情は出ないと思いますよ(笑)」



自信を持って使ってほしいタイヤ – 天満 清 選手

2016年は主力選手のクラス移籍が話題を呼んでいるが、PN3クラスの天満清選手もそのうちの一人だ。長年にわたりハイパワーな改造車と競技用スポーツラジアルタイヤという組み合わせで全日本ジムカーナ選手権を戦い、チャンピオンも獲得してきた天満選手。今シーズンは開幕戦からプジョー・208 GTiを投入して、ストリートスポーツラジアルタイヤを使うPN3クラスに出場している。ベテラン・天満選手は「ADVAN A052」をどう見ているのだろうか。

PN3クラス|天満 清 選手 (プジョー・208 GTi)

「開幕戦から『ADVAN NEOVA AD08R』で戦ってきましたが、第6戦から投入した『ADVAN A052』は全ての領域で良いですね。8月上旬から使っているので余程の低温域については未経験ゆえ分かりませんが、気温が35℃近くなる暑さでも、春秋の過ごしやすい陽気でも、スタートからゴールまでの全てにおいてしっかり走りを支えてくれるという印象です」

ここで、天満選手にはあえて競技用スポーツラジアルタイヤである「ADVAN A050」と比較しての「ADVAN A052」の印象をお聞きしてみよう。

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「もちろん『ADVAN A052』はストリートスポーツラジアルタイヤですから、競技用に作られたという雰囲気は無くて、特にコンパウンドはストリート向けという感じですね。ただ、そのコンパウンドに対してパターンと構造のバランスがとてもマッチしていて、自分自身もクラスとマシンが変わり、今回はタイヤも変わりましたがドライビングについては何も変わっていません。これから『ADVAN A052』を使うみなさんも、まずは今まで通りに走るだけで間違いなくタイムがあがります。その上で自分の好みに応じて空気圧や車のセッティングなどを細かく見直して行けば良いと思います」

ベテラン・天満選手も納得のポテンシャルという『ADVAN A052』。最後に天満選手にも、“ここがお勧め”というポイントをひとつ挙げていただいた。

「そうですね、『ADVAN A052』は自信を持って使えるタイヤであると言えます。ライバルに対して決して引けを取っていませんし、やはりタイヤの威力というのは大きいものですよ。ですから、みなさんにも自信を持って『ADVAN A052』を使ってほしいですね」



次回はジムカーナドライバーに聞く「ADVAN A052」のインプレッション、後編をお届けします。