E :Environment
自然との共生

自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)提言に基づく情報開示

自然関連課題への対応

横浜ゴムグループは、天然ゴムなどの自然資本を活用し、タイヤや産業用ゴム製品などを開発・生産・販売しています。気候変動や自然資本の毀損など、地球規模の環境課題が深刻化する中、事業活動における温室効果ガス排出や自然資本の利用や土地の改変がもたらす地球環境への影響を認識し、持続可能な事業活動を推進しています。高温・豪雨・積雪など、変化する気候条件に対応できるタイヤの開発や、再生可能原料・リサイクル原料などの持続可能な原料の使用比率の向上など、さまざまな対策に取り組んでいます。
当社グループを取り巻く気候変動や自然資本に関する課題のリスクと機会を分析し、事業戦略に反映するとともに、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)や自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言に沿って、幅広いステークホルダーに対して透明性のある情報開示を積極的に行っていきます。

一般要件

TNFD提言では、開示情報に一貫性を持たせるため、4つの柱である「ガバナンス」「戦略」「リスクとインパクトの管理」「測定指標とターゲット」に対し、6項目からなる一般要件を適用することが求められています。当社グループは開示にあたり、以下の通り一般要件を適用しました。

1. マテリアリティの適用

当社グループを取り巻く事業環境や社会課題の変化を踏まえ、外部要因と内部要因(事業活動)の観点から課題を認識し、事業が社会・環境に与える影響及び社会・環境課題が事業に及ぼす影響をステークホルダーごとに評価し、ダブルマテリアリティの観点から分析し、「持続可能な社会に貢献する製品・サービスの提供」、「脱炭素社会・循環型経済への貢献」、「自然との共生」、「地域社会との共生」、「持続的な企業価値向上を実現する人材力」、「持続可能なサプライチェーンの構築」、「コーポレートガバナンス強化による経営のレジリエンス向上」をマテリアリティとしています。

2. 開示のスコープ

本開示においては、当社グループの企業活動に加え、上下流のグローバルバリューチェーン全体を包含して分析し、その結果を開示しています。

3. 自然関連課題がある地域

企業活動を展開しているエリアを特定し、可能な範囲において地域固有特性を考慮して自然関連課題のある地域を特定しています。

4. 他のサステナビリティ関連の開示の統合

自然関連課題において、気候変動をはじめ、資源循環、水リスク等の環境課題との相関を分析し、その結果を開示しています。将来的には本開示以外の開示との整合を取りながら統合的な開示を検討していきます。

5. 考慮する対象期間

リスクが発生する期間として、短期を現在(基準年:2024年)から3年間(2027年まで)とし、中期を2030年まで、長期をそれ以降(2050年目途)と設定して検討を行っています。

6. 先住民族、地域社会と影響を受けるステークホルダー・エンゲージメント

当社グループでは、国際規範等に基づいて「横浜ゴムグループ人権方針」や「持続可能な天然ゴムの調達方針」を策定し、これらの方針に基づいて、天然ゴム農園で働く人々の人権デューデリジェンスなどを実施しています。また、天然ゴム農園の訪問調査や生産拠点周辺の地域住民懇談会など、自然関連のリスクと機会に関して、インパクトが大きいステークホルダーとの対話を継続的に実施しています。
  • 継続的改善
    開示した時点までに、LEAP手法に従ってENCOERによる事業活動による自然への依存とインパクトの影響評価及びAqueduct, WWF Water Risk Filter, WWF Biodiversity Risk Filterなどを用いて事業活動を行っている地域のリスク分析を行いました。今後もネイチャーポジティブを実現するため、ステークホルダーとのエンゲージメントを継続し、戦略の見直しや活動の提案と実施を行い、統合報告書での年次報告を行っていきます。

ガバナンス

TNFD提言における「ガバナンス」では、自然関連課題を監督する上で取締役会が果たす役割や、それらの課題を評価・管理する上で経営陣が果たす役割を説明することが求められています。また、自然資本は先住民族や地域社会と密接に関連していることから、それらを含むステークホルダーに対する組織の人権方針とエンゲージメントを示しています。

自然関連課題に関するガバナンス体制

代表取締役会長兼CEOが議長を務めるCSR会議を年に2回(5月・11月)開催し、当社ゴムグループが取り組むべきサステナビリティ課題について立案・検討する体制を整えています。
気候変動や自然資本に関する課題については、CSR会議の下部組織として「環境推進会議」(議長:CSR本部長)を設置し、カーボンニュートラル戦略をはじめとした気候変動、自然資本に関する戦略の検討とモニタリングを実施しています。さらに「環境推進会議」の下部組織として4つの委員会、2つの部会と2つの会議を設置し、個別テーマを深く検討しています。
また、重要事項や早期の意思決定、報告・審議が必要な場合には経営会議で報告・審議を行い、その重要性に応じて取締役会に上程(報告・審議)しています。
サステナビリティ課題の進捗に関しては、毎月、代表取締役会長兼CEO、代表取締役社長兼COO、CSR本部担当取締役、社内取締役監査等委員に報告を行い、また、海外を含むグループ全役員が集まって事業戦略等を議論する会議(年2回開催:5月、11月)においても、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブなどの環境課題を継続的なテーマとして議論しています。これらの議論を通じて決定された方針・戦略、移行計画については、環境推進会議において具体的な施策や目標設定の議論と進捗管理を実施しています。

人権方針及び人権マネジメントプロセス

当社グループは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、2022年4月に「横浜ゴムグループ人権方針」を策定しました。事業活動に関わる全ての人々の人権を尊重し、差別やハラスメント、強制・児童労働の禁止、労働者の権利尊重に加え、事業活動が影響を与える地域社会、特に先住民の権利を尊重します。広く社会から信頼される企業として、持続可能な社会の実現に貢献するため、グループ全体で人権尊重の取り組みを実践します。
具体的な取り組みとしては、人権尊重の責務が果たされ、その業務執行が適正に行われているかを確認するため、人権デューデリジェンス(人権DD)の体制を整備・強化し、定期的に人権デューデリジェンスを実施しています。また、「一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)」に加入しており、同機構の苦情通報窓口を通じて横浜ゴムグループの国内外の全てのステークホルダーの皆さまの苦情を受け付け、適切な対応を行う体制を整備しています。

戦略

TNFD提言における「戦略」では、特定したマテリアルな自然関連課題の評価・説明や、自然関連リスクへの対応策、評価の結果から得られた優先地域の開示が求められています。

自然への依存・インパクト

当社グループの主要事業であるタイヤ事業、MB事業(ホース配管、工業資材)、その他事業(PRGRブランドのゴルフ用品)において、バリューチェーン全体における原材料調達や事業プロセスに紐づく自然への依存・インパクトを評価し、立地に基づく周辺地域の自然の特性や注視すべき自然関連リスクならびに自然関連の課題が存在する可能性のある拠点を抽出しました。対象地域は日本国内以外に、主要な生産拠点が立地する中国、インド、東南アジア、米国、欧州を含みます。
タイヤ事業に関するバリューチェーンは下図のようになります。

タイヤ事業におけるバリューチェーン

リスクの把握にあたっては、自然関連リスク評価ツールENCOREを用い、更に自然との接点を“WWF Biodiversity Filter”で、水リスクを“Aqueduct” や“WWF Water Risk Filter”により評価しました。その結果、バリューチェーン上流では特に天然ゴム生産地での土地利用・森林破壊、生産拠点での土地利用及び水利用に依存・インパクトが高い傾向があることが判りました。

天然ゴムのバリューチェーン

天然ゴムのバリューチェーンにおいては、当社から天然ゴム加工工場までのプロセスは比較的追跡が容易ですが、天然ゴム加工工場からさらに上流の天然ゴム農園までの間は追跡が困難となっています。その理由としては以下の3点が挙げられます。
(1) 天然ゴム生産のほとんどが、全世界で600万戸といわれる小規模農家によるものであること
(2) 天然ゴムは国際的なマーケットで価格が変動し、天然ゴム農家から原料ゴムを買い取ったディーラー(仲介業者)が買取価格を見て販売先や販売タイミングを決めること
(3) ディーラー間の転売が複数回に及ぶケースや、地域や国境を越えた取引もあること
天然ゴムの産地は概ね赤道をはさんで南北緯度15度付近に集中し、東南アジアが世界の天然ゴム生産量の約8割を占めます。この地域は生物多様性に富んだ熱帯多雨林地域と重なっており、天然ゴム農園の拡大は貴重な生き物の暮らしに影響を与えることがあります。また、欧州森林防止規則(EUDR)に対応することが急務となっているため、当社グループはトレーサビリティーツールの活用や天然ゴム農家を訪問してのヒアリングなどを通じてトレーサビリティの向上に努めています。
また、バリューチェーンの下流(製品の使用・廃棄段階)においては、タイヤの不法投棄防止、使用済タイヤの回収・リサイクル、リトレッド※をグループ全体で推進しています。
  • 走行により摩耗したタイヤの接地面(トレッドゴム)を除去し、新しいゴムを貼り合わせて新品同様の機能を持たせること。リトレッドタイヤは新品タイヤに比べて使用するゴム量が68%削減でき、タイヤ製造時に発生するCO2量を60%削減することが可能とされる。(出所:更生タイヤ全国協議会ウェブサイト https://www.retread.jp/)

LEAPアプローチに沿った当社の評価手法

ENCOREを⽤いた分析結果のヒートマップ
(依存に関するヒートマップ)

(インパクトに関するヒートマップ)

ENCOREを用いた分析の結果、依存については農産物・林産物由来の原材料の調達段階でのリスクが高くまた、事業全体を通して水利用、土地利用、気候の安定化、病虫害防除のリスクが高いことが示されました。インパクトについては、農産物・林産物の原材料調達段階での土地利用、水の枯渇、自然資源の枯渇及び周辺生態系に与えるリスクが高くまた農産物・林産物及び金属・鉱業のリスクが高いことが確認されました。

タイヤ事業におけるマテリアリティ分析結果

タイヤ事業の事業活動が自然環境に与えるインパクトを横軸に、事業活動における自然への依存を縦軸にしてENCOREインダストリーごとの強度を図示しました。その結果、当社グループが優先して取り組むべき課題は農産物・林産物となりました。

課題につながる主な操業要因

画面を左右に動かすと、表組みの情報がご覧になれます

水利用 ゴム製造において、ゴムに望まれる物性を与えるためにゴム分子間を硫黄で結合させる加硫工程は欠かせません。この工程では一定時間高温・高圧を維持するために多量の蒸気(水蒸気)を使用し、冷却にも水を使用しています。工程で使用する水は地域の水資源に依存しており、取水及び排水により地域の自然への負荷をかけています。そのため、水ストレスが高い地域での操業においては雨水の利活用や排水クローズドシステム(排水等を外部に出さないで再利用するシステム)の導入を行っています。一方、原料調達段階での水使用については、タイ・スラタニで調査した天然ゴム農園においては主に雨水を使用していることを確認しています。しかし、気候変動により降水パターンの変化が生じ、一部地域では渇水によるパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)の成長不良が見られる一方、降雨による収穫の中断が長期化することで生産量の減少が懸念されています。
気候の安定化 私たちは、自然資源を使ってタイヤ、ホース、コンベヤベルトなどの多様なゴム製品を製造・販売しています。特にその製造工程及び使用段階における温室効果ガス(GHG)の大気への排出を低減することは、気候変動の防止に寄与するだけでなく、降雨パターンの変化や海水面の上昇を防ぎ、特に水リスクの高い地域での継続的な操業にとって重要な取り組みであると認識しています。
病虫害防除 天然ゴム生産地では、パラゴムノキの葉枯れ病や白根腐病などの蔓延による生産量の低下が懸念されています。天然ゴム農園では生産性を上げるために同一のクローン(遺伝子組成が同一の個体)が植えられることが多く、一旦病気が発生するとゴム園全体に広がる可能性があります。天然ゴムの栽培は地域経済を支えているため、病気の蔓延は地域経済に影響を与え、社会の安定性を損なう恐れもあります。
生物資源の利用・自然資源の枯渇・周辺生態系への影響 当社は購入原料のうち約20%(季節、製品構成等により変動)の天然ゴムを使用しています。天然ゴムの主要生産地は概ね赤道を挟んだ南北15度以内に限られ、生物多様性が豊かな熱帯多雨地域に含まれているため、農園の拡大に伴う生物多様性の劣化が懸念されています。一方、天然ゴムはパラゴムノキから作られるカーボンポジティブな(大気中の二酸化炭素を有機物として固定し、減少させる)原料であり、これらの地域での主要な自然資源として地域や国の経済を支えています。2025年12月から開始されるEUDR(EU森林破壊防止規則)では、ヨーロッパで生産・販売される天然ゴムを含む製品は森林破壊を伴わないものであることを証明する必要があり、当社グループも対応できる体制を構築しています。
土地利用 インパクトに関するヒートマップ分析では、自社操業段階において、工場及び周辺の土地利用が周辺生態系に大きなインパクトを与えると評価されました。具体的には、工場敷地の改変により自然度が低下し、周辺環境との連続性が遮断されることで、生物の移動が妨げられる可能性があります。

自然関連のリスク・機会

リスク・機会の分析にあたってはTNFDのガイダンスを参照し、下図のとおり、「市場ニーズと規制強化の整合性(移行リスク)」と「生態系サービスの劣化(物理リスク)」の2軸により、4象限のシナリオを設定しました。
4象限のシナリオに基づき、当社グループのビジネスにおけるリスクとインパクト及びその対応策を検討しました。

リスク・機会の分析シナリオ

自然資本に関するリスクとインパクトおよび対応策

画面を左右に動かすと、表組みの情報がご覧になれます

TNFDの分類 組織にとっての
事業リスクと機会
組織の事業に
及ぼしうる影響
財務影響(定性) 時間軸 今後の対応策
リスク 移行
リスク
政策 規制の導入・強化 森林破壊や原材料、水に関する既存規制の強化や新たな規制の導入への対応による調達・開発コストの増加 中 短・中期 対応策1
対応策2
市場 原材料価格の上昇 生態系保全コストの増加による天然ゴムその他の原材料の調達コストの増加 大 短・中期 対応策3
消費者行動の変化 生態系保全への取り組み不足による消費者の当社製品購入回避 大 短・中期 対応策4
対応策5
技術 環境負荷の低い技術の開発・普及 サステナブル原料の開発・導入コストの増加 大 短・中期 対応策3
評判 消費者・社会からの評価 生態系保全への取り組み不足による顧客離れ、企業イメージの低下 中 中・長期 対応策4
対応策5
投資家からの評価 生態系保全への取り組み不足によるESG評価の低下、株価の低下 中 中・長期 対応策4
対応策5
賠償責任 法規制、判例の発展による賠償責任の発生 先住民・地域コミュニティの権利侵害に関する訴訟の増加 中 短・中期 対応策1
対応策4
環境規制等の強化による訴訟・行政指導への対応 中 短・中期 対応策4
物理的リスク 急性 自然災害の増加 生産拠点周辺の生態系劣化に伴う自然災害の発生による生産停止 中 短・中期 対応策4
慢性 気候変動と病害等による中長期的な収量低下 気候変動(降水パターンの変化等)、病害の深刻化、ゴムの木の老齢化、森林伐採規制(EUDR等)が複合的に連鎖する「構造的危機」による、天然ゴムの調達難および調達コストの増大 大 中・長期 対応策7
単⼀栽培等による⽣物多様性の低下と、それに伴う土壌・⽣産基盤の劣化 単一栽培継続による土壌劣化・保肥力低下に伴う樹木免疫力低下、病害蔓延リスク上昇、天然ゴム収量減少および調達コスト大幅高騰 大 中・長期 対応策4
対応策7
機会 資源効率 効率化ソリューションの普及 リサイクル原料の採用や資源効率性の向上によるコスト削減 中 中・長期 対応策3
市場 消費者行動の変化 環境負荷低減や生態系保全に配慮した製品の需要拡大への対応 中 中・長期 対応策5
対応策6
製品・サービス 自然資本関連の事業拡大 生態系保全に配慮した農業・林業機械車両用タイヤの開発・販売 中 中・長期 対応策6
生物多様性回復や土壌保全が実証されているアグロフォレストリーや間作の導入による持続可能な天然ゴム製品の使用 大 中・長期 対応策4
対応策6
対応策7
評判 消費者・社会からの評価 ネイチャーポジティブへの取り組み加速による顧客評価、企業イメージの向上 中 中・長期 対応策4
対応策5
投資家からの評価 ネイチャーポジティブへの取り組み加速によるESG評価、企業価値の向上 中 中・長期 対応策4
対応策5

画面を左右に動かすと、表組みの情報がご覧になれます

対応策1 トレーサビリティの確保
森林破壊や自然の劣化を防ぎ、先住民や地域コミュニティに配慮するために、原材料の正確な原産地を把握
対応策2 水資源の適正管理
水リスク地域での水利用のクローズド化(循環利用のためのクローズドシステム導入)による取水量の削減、排水量の低減と水質基準の管理
対応策3 循環型経済への貢献
原材料の使用量の最小化、再生可能原料(籾殻シリカなどバイオマス由来の原料)、リサイクル原料の探索・採用と使用比率の向上。
対応策4 生物多様性保全活動の強化
専門家との連携、生物多様性ガイドライン及び科学的根拠に基づく生物多様性活動の強化を通じたネイチャーポジティブへの貢献。
対応策5 ステークホルダー・エンゲージメントの強化
ウェブサイト等における自然資本に関する開示内容の拡充、ステークホルダーとの対話・連携を通じた信頼関係の構築及び取組の実効性確保
対応策6 環境貢献商品の生産・販売
グリーン調達及びサステナビリティ調達の実現。電気自動車向けタイヤの提供や省エネルギー性能製品の提供。バリューチェーンでの環境負荷低減への貢献
対応策7 持続可能な生産基盤の強化と生産者への適応支援

天然ゴム農園における自然関連のリスク・機会

天然ゴム農園で想定される自然を変化させるインパクトドライバーと外部要因から生態系サービスの利用可能性の変化と他の組織・社会・自然の変化を特定しました。

リスクとインパクトの管理

「環境推進会議」の下で、自然資本関連のリスクとインパクトについては「ネイチャーポジティブ推進委員会」をはじめとする委員会、部会、会議がそれぞれ、リスクとインパクトの特定・評価を実施し、その低減活動を行っています。
委員会、部会、会議にて特定された重要なリスクとインパクトについては、「環境推進会議」において対策を審議・決定しています。
また、自然災害等の物理リスクについては、「中央防災会議」において防災、BCPに取り組み、リスク低減を推進しています。重大かつ緊急性の高い事案については、当社を取り巻くさまざまなリスクからの防衛体制を強固にするために設置された「リスクマネジメント委員会」(議長:リスクマネジメント担当役員)において審議され、適切に評価対応しています。「リスクマネジメント委員会」の活動状況は、取締役会に定期的に報告されています。

指標と目標

リスク・機会の評価により認識された依存、インパクト、リスク、機会に対応するため、自然資本に関する指標と目標を設定し、ネイチャーポジティブの実現に向けたグループ全体の活動進捗をモニタリングしています。
今後、モニタリング結果をもとに、自然資本関連のリスクと影響の最小化ならびに機会の最大化を図るための移行計画の策定を検討していきたいと考えています。
また、今回の分析で特定された優先地域における、持続的な天然ゴム調達に関する具体的な取り組みについては、「持続可能な天然ゴム調達の取り組み」のページを参照ください。

画面を左右に動かすと、表組みの情報がご覧になれます

指標(KPI) 実績 目標
2023年 2024年 2025年
YOKOHAMA千年の杜活動における植樹・苗木提供本数(累計) 130万本 140万本 149万本 2030年度:
累計150万本
事業拠点の環境省「自然共生サイト」認定件数(累計) 1件 1件 2件 2026年度:
累計5件
重大環境事故件数(単年) 0件 0件 0件 0件の継続
天然ゴム農園の調査件数(累計) 667軒 861軒 1,050軒 2030年度:
累計1,200件
天然ゴム農家向けセミナーイベントの実施件数(単年) 2回 2回 2回 年間2回以上
サプライチェーンにおける人権DD実施件数(単年) ― 1件 1件 年間1件以上

今後の方針

横浜ゴムグループは、バリューチェーン全体で自然関連の依存・インパクト・リスク・機会を評価し、対策を推進します。昆明・モントリオール生物多様性枠組での2050年目標と、「横浜ゴムグループ生物多様性ガイドライン」に基づき、マテリアリティである「自然との共生」に向けてLEAPアプローチの拡充、戦略展開、開示指標の拡大などを検討していきます。