空気圧の知識
空気圧不足は外観からはわかりにくい
下の写真は車両に取り付けられたタイヤの空気圧を「850kPa」と「500kPa」に設定し外観を撮影したものです。大型車用タイヤは、空気圧が不足していてもタイヤのたわみが少ないため、見た目ではわかりにくくなります。
●850kPa(245/70R19.5 実車時)
●500kPa(245/70R19.5 実車時)
空気圧の低下は燃費や摩耗悪化の原因に
空気圧が低下した状態で走行すると、燃費の悪化やタイヤの摩耗を早めるなど、さまざまな不利益が生じます。空気圧と燃費
空気圧 | 725kPa | 625kPa |
---|---|---|
燃費 | 100 | 101.5 |
- 速度:70km / h
- 負荷荷重:24.52kN 2-D・4 10t車
- タイヤサイズ:10.00R20 14PR
〈横浜ゴム(株)調べ〉
指定空気圧からの過不足は、性能が損なわれるだけでなくタイヤ損傷の原因に
タイヤ空気圧不足による悪影響
- タイヤのたわみが大きくなり、過度の発熱によってはく離(セパレーション)やコード切れを起こします。
- タイヤショルダー部の摩耗を早め、走行安定性が悪くなります。
- ビードの動きが大きくなり、リム擦れやリムカットを起こします。
- 走行抵抗が増し、燃料消費が多くなります。
タイヤ空気圧過多による悪影響
- トレッドが外傷を受けやすくなる他、ショックバーストやコード切れを起こし易くなります。
- 発進時や制動時にタイヤがスリップし易く、トレッド中央部が早く摩耗します。
- ビード部に無理な力がかかり、ビードワイヤー折損やビード部のはく離(セパレーション)を起こすことがあります。
JATMA 発行「自動車用タイヤの選定、使用、整備基準」より
温度変化で空気圧も変わる
外気温やタイヤの温度が変化すると空気圧も変化します。タイヤが暖まっている時の空気圧調整は行わないでください。温度変化による空気圧変動状態
タイヤ内 空気温度 |
60℃ | 40℃ | 20℃ |
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タイヤ空気圧 | 1036kPa | 900kPa | 832kPa |
- タイヤサイズ:275/80R22.5
- 空気圧値はタイヤ内容積を一定とした場合の理論値です。