2016 Season Review =SF Driver Voice=
最終戦まで激戦が続いた、2016年のSUPER FORMULA。それぞれの大会で熱い戦いのドラマを演じたドライバーたち、それぞれに一年間を振り返っていただいた。おのおのの戦いぶりに加えて、ワンメイクサプライヤー初年度となったヨコハマタイヤへの感想についてもお聞きした。
ドライバーが振り返る、2016年のSUPER FORMULA
山本尚貴 選手 [TEAM 無限]
ヨコハマタイヤのワンメイクとなった開幕戦で優勝して、幸先の良いスタートを切ることが出来ました。しかし、それ以降は苦戦を強いられて……。なかなか思うようなレースが出来ませんでしたね。ちょっと苦しい展開が続いてしまいました。
ヨコハマタイヤについては、とても“持ち”がいいですね。その上でグリップ力も高く、常にドライバーが100%のアタックを全ての周回において出来るところが最大の魅力です。
スタッフも現場での温度管理やタイヤのチェックを行ってくれて、ものすごく熱心な印象があります。ワンメイクサプライヤーなので、みんなに対して平等である立場の皆さんですが、みんなの役に立とうとする姿勢には感銘を受けています。
短い期間の中で去年から開発して、気がついたら開幕してからシーズンを通じてタイヤのトラブルが一回もありませんね。限られた時間の中で、性能が高くて安定した信頼できるタイヤを供給してくれたということに、とても感謝しています。
ストフェル・バンドーン 選手 [DOCOMO TEAM DANDELION RACING]
日本に来て、新しい文化、新しいサーキット、新しいタイヤを使うことになり、慣れるまでには時間はかかりました。しかし、がんばってそれらを乗り越えて、結果的に日本に来て良かったです。今後は、この経験を活かしていけると思っています。
初めてのヨコハマタイヤでしたが、非常に良い印象を持っています。コーナーリングにおけるグリップがとても高く、安定性がありますね。また、とにかく長持ちするタイヤで、1レースをタイヤ交換無しでも行けますからね。ピットインでは燃料給油だけで出て行けるのですが、これは非常に強い印象を持ちました。今までに、経験したことのないタイヤです。
ヨコハマタイヤのエンジニアは毎回会場に来ていて、ドライバーとのコミュニケーションを心がけ、どんなタイヤが良いかを一緒に考え、理解しようとしています。タイヤへの要望や車とのマッチングなど、よく聞いてくれています。
中嶋一貴 選手 [VANTELIN TEAM TOM’S]
色々なことがあったシーズンでした。開幕戦は自分のミスがありましたが、第3戦の富士くらいから流れが良くなって、勝ちこそありませんでしたが良いレースが出来ました。富士以降はなんとなく上位にいるイメージでしたが、全体的にはなんとなく噛み合わなかったシーズンだった印象です。
ほとんどのレースにおいてタイヤ無交換で行っているので、グリップとタイヤの持ちという点ではとてもレベルが高いと思います。SUPER FORMULAへの供給1年目なのに、高いレベルのタイヤを供給してもらっているという感じです。
ヨコハマタイヤのキャラクターはまだ掴みきれていないので、サーキットによってセットアップやタイヤの使い方を考えないといけないかな。今年からヨコハマタイヤに代わって、タイヤについても僕たちのインプレッションを聞いてもらっています。それが来年以降に向けて良い方向に変わっていくのかなと、期待がすごく持てると思います。そこは、ドライバーとしてもありがたいところです。
関口雄飛 選手 [ITOCHU ENEX TEAM IMPUL]
時折速さは見せるものの、安定性がなくて序盤は苦しかったのですが、中盤から第3戦・富士の表彰台をきっかけに安定して速さを見せられるようになりました。さらに結果を残すことも出来たので、中盤戦以降に関しては結構良かったのではないかと思います。
ヨコハマタイヤは、耐久性がすごく高いですね。燃料が減って軽くなると、普通はタイヤのグリップが下がってくるものです。しかしヨコハマタイヤの場合は初期性能の持続性が高いので、軽くなった分だけタイムが少し上がったりしますから、凄いなと思います。
もてぎのときにソフトタイヤを履いてタイムがポンと上がり、イメージ通りに走れました。
小林可夢偉 選手 [SUNOCO TEAM LEMANS]
2016年を振り返ると……、最悪です(苦笑)。
今年からヨコハマタイヤのワンメイクになりましたが、タイヤについてはグリップ力が凄く高いですね。開発期間が半年という中で、とても良い仕事をしてもらって、そんな中で1年間にわたって何もトラブルなくレースを出来たことに感謝したいです。今後も、レースを楽しくするタイヤを期待しています。
ヨコハマタイヤのエンジニアは、タイヤだけではなくレースを良くしようとして話を聞きに来てくれますね。改善をして、このシリーズを一緒に盛り上げようとする姿勢を感じるので、とてもありがたいですね。