2016 Japanese Championship Champion Interview (1)

2016 Japanese Championship Champion Interview (1)

2016年のモータースポーツシーンでも、数多くの名勝負が繰り広げられた。そして、激戦を勝ち抜いた者に与えられる名誉ある称号が“シリーズチャンピオン”。今年もヨコハマタイヤとともに、ラリーとスピード行事の最高峰である全日本選手権において、この輝かしい栄冠を手中におさめた選手をご紹介していこう。まずは全日本ジムカーナ選手権でチャンピオンを獲得したお二人から、この一年を振り返っていただいた。


片山誠司 選手 – 全日本ジムカーナ選手権 PN2クラス

2016年のジムカーナにおいては、8月にデビューした「ADVAN A052」の優れたポテンシャルが大いに話題を集めた。今や全体の半数を占めるまでに成長したPN車両部門において使われ、デビューウィンを飾ったことは記憶に新しい。一方、改造範囲の広い車両部門、中でもSA1クラスでは「ADVAN A050」を装着するヨコハマタイヤ勢が何度も表彰台を独占して強さを見せた。チャンピオン争いもヨコハマタイヤ勢同士の熱い戦いとなり、見る者を大いに魅了した一年であった。

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片山選手は2012年PN車両部門が全日本ジムカーナ選手権に設立されて3年目のシーズンとなる2012年から、本格的に全日本選手権への挑戦をスタート。マシンは一貫してFD2型のホンダ・シビックで、準優勝など表彰台獲得歴も多い。そんな片山選手、2016年は第3戦と第4戦をスキップしたものの、残る6戦に出場してシリーズ争いの主役となった。

チャンピオン獲得の原動力になったのは、8月にデビューした「ADVAN A052」。デビュー戦となる第6戦のツインリンクもてぎ・南コース、灼熱のフルパイロン戦は第1ヒートでクラス唯一となる1分26秒台をマーク、2番手を1秒以上引き離した。第2ヒートはペナルティを受けてしまったが、他の上位選手もタイムアップはならず、見事に「ADVAN A052」のデビューウィンを飾ったのである。続く第7戦・スピードパーク恋の浦も制して連勝、有利な条件で臨んだ最終戦は天候に翻弄される部分もあったが、しっかり表彰台を獲得してシリーズチャンピオンの称号を手中におさめた。

CHAMPION DRIVER

片山誠司 選手 [PN2クラス シリーズチャンピオン]

ずっと「ADVAN NEOVA AD08R」で走ってきましたが、今年は前半を他社のタイヤで戦いました。これは、シリーズポイントを獲得したことよりも、むしろ「勝ち方」を覚えることが出来たというメリットがありました。そのため、「ADVAN A052」のデビューに対してピッタリと合わせ込めて、もてぎでのデビューウィンを飾ることが出来ました。公開練習の第1ヒートで初めて装着したのですが、思っていた以上の出来の良さを実感しました。

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それまで使っていたタイヤのセッティングそのままで走ったのですが、なんと扱いやすいんだろう、と。練習もいらないくらい素直で良いタイヤですね。特にFF(前輪駆動)ではフロントのキャパシティが増えたことによって、ドライビングの幅が広がりました。自分のやりたいことが、思い通りに出来るんです。今まで関東の地区戦をメインにしていたのですが、そこでやってきたことが間違っていないことの証明でもあるチャンピオン獲得は嬉しいですね。

実はこのシビック、奥さんの車なのです。一緒に関東選手権を走ってきたのですが、子供の受験があって遠征が難しくなったため「お父さん、一人で行ってきていいよ」と言われて全日本を追うことになったんです。これまでスポットで全日本に出た経験や、地区戦での実績から全日本でどのくらいのポジションになるかはある程度の予想も出来たのですが、タイヤが良すぎたのかな(笑)?

ここまでの結果が出るとは、正直なところ僕も奥さんも思っていなかったんです。だから、今年の結果を自己採点すれば、250点くらいつけても良いですよね!!

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若林隼人 選手 – 全日本ジムカーナ選手権 SA1クラス

年を追って参加台数が増え有力選手の移籍も話題を集めるPN部門がある一方、まだまだ改造車による部門も熱い戦いが繰り広げられている。改造範囲の広さは車両が本来持っている特徴を活かしつつ、ドライバーやメンテナンスガレージがノウハウをつぎ込む余地が大きく、車両の個性も魅力のひとつだ。また、改造によって耐久性が向上する面もあるために参戦経費を抑えることも可能なため、ベテランに対して若手が台頭を見せて勝負が面白くなっている。

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そんなSA1クラスで2015年の開幕戦、岡山国際サーキットにおいて強豪をおさえて全日本デビュー戦で優勝を飾って注目を集めたのが若林隼人選手。自分自身よりも“年齢的に先輩”というEF型のホンダ・CR-Xを駆る若林選手は、2年目となる全日本選手権にも同じマシンで参戦。しかし、前半戦は3位で表彰台にこそ立ったものの勝ち星には恵まれず。

やや出遅れたようにも見られたシーズンだったが、後半戦に入って第5戦のスポーツランド美川で待望の今シーズン初優勝を飾ると勢いをつける。第6戦のもてぎもフルパイロン、ここでは弟の拳人選手と兄弟ワン・ツーで表彰台の真ん中に立ち、さらに第7戦の恋の浦も制して3連勝。一気に形成を逆転してシリーズトップで臨んだ最終戦は表彰台を獲得出来なかったが、ここまでの“貯金”が効いて参戦2シーズン目にして全日本チャンピオンに輝いた。

CHAMPION DRIVER

若林隼人 選手 [SA1クラス シリーズチャンピオン]

今年はまわりに「全勝してチャンピオンを獲る!!」と宣言していたのですが、いきなり開幕戦でコケて3位になって。表彰台には立ったのでまぁ良しとしたのですが、次のエビスは体調不良もあって沈んでしまって。第3戦の舞台となった名阪は嫌いじゃないので勝てるかなと思っていたのですが、これまたコケて勝てなくて(笑)。

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スナガワをスキップしたので第5戦の美川に臨んだのですが、その時点でシリーズランキングは5番手とかだったのですが、自分の中に緊張や気負いのようなものは無かったんです。僕はあまり緊張するタイプではなくて、最終戦の第2ヒートも平常心でした。過去2回だけ、チャンピオンがかかっていた2015年の本庄の第2ヒートと、公開練習がまったく奮わず理由も分からないままにスタートを迎えた今年の恋の浦の第1ヒートだけですね、全日本で緊張したのは(笑)。

2016年はカレンダーを見ても、CR-Xは後半戦のほうが得意なコースが多いと思っていました。同じCR-Xでは弟も参戦していますが、大会になればライバルの一人という位置づけです。ですが、普段は自分の車に乗ってもらったり、情報交換もしています。ただ、ドライビングスタイルやセッティングの嗜好はまったく違うんですけれどね。僕は全国どこでも乗りやすい車、弟はどちらかというと関東、中でも関越スポーツランドに特化した感じですね。

最終戦はチャンピオンこそ決められましたが、成績としては最悪でしたね。雨を克服するのは大きな課題、これまでは練習に行こうとしても雨が降っていたら「今日は止めておこう」となっていたのですが、もっと雨も練習しなければ。チャンピオンになった2016年、自己採点したら60点を合格ラインとすれば61点ですね。最終戦で優勝していれば90点なのですが(笑)

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UPDATE : 4.Nov.2016