2018 Champion Interview =Dirt-Trial=

2018 Champion Interview =Dirt-Trial=

2018年の全日本ダートトライアル選手権では、3つのクラスでヨコハマタイヤ勢がチャンピオンの栄冠を手中におさめた。ハイパワーな改造車部門で強さを見せたヨコハマタイヤ、路面コンディションに対する守備範囲が広いADVAN A053を軸に、超硬質路面用のADVAN A036、軟質路面用のADVAN A031というラインアップが、強者たちの走りを足元でしっかりと支えた。


山崎迅人 選手 – 全日本ダートトライアル選手権 SC1クラス

ディフェンディングチャンピオンとして2018年のシーズンを迎えた山崎迅人選手は、昨年に引き続き鮮やかなブルーの三菱・ミラージュを駆っての参戦。ただしオフシーズンの間にいわゆる“ハコ替え”を行い、マシンの戦闘力を高めての参戦となった。

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そんな山崎選手の前に、同じヨコハマタイヤで戦うライバルが立ちはだかる。開幕戦の丸和で佐藤秀昭選手が勝利、続く第2戦の恋の浦と第3戦の切谷内では奥村直樹選手が連勝、山崎選手も表彰台は獲得したものの第4戦のスナガワを終えて未勝利という予想外の展開に。

だが、シーズンの折り返し点となる第5戦の門前で待望のシーズン初優勝を飾ると、後半戦は連勝で底力を見せつける。そして第8戦の今庄を制して4連勝、最終戦を待たずして堂々の2連覇を決めることに成功した。

CHAMPION DRIVER

山崎迅人 選手 [2018年 SC1クラス シリーズチャンピオン]

2018年は昨年と同じミラージュですが、ボディを載せ替えて臨みました。重量などの関係でシーズン序盤は少し苦労したところもありますが、中盤くらいからはセッティングも決まってきて「これはイケるな」という手応えを掴み勢いに乗って連覇を決めることが出来ました。

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セリカを駆る奥村直樹選手とのタイトル争いになりましたが、奥村選手はシビックに乗っていた時代から速いドライバーで、自分にとってはなかなか手ごわい相手です。去年からセリカを走らせていらっしゃいますが、車がまだ完璧に仕上がってはいなかったようでした。そして今年は予想通り、速さがどんどん磨かれてきたので、「これはヤバイな~」と思ったりもしていました。

自分としても全く気を抜けない戦いが続きましたが、ミラージュも良い感じに仕上げることが出来たので、そこが最終的な勝因になったと思います。ボディを替えて基本は昨年と同じですが、やはり細かいところを改善したらセッティングも合わせて行く必要に迫られます。車高、重量、足回りといった箇所のバランスと煮詰め、ここをテストも通じて上手く仕上げられた一年でした。

去年も後半が良かったので、今年も尻上がりに調子が良くなって連覇への自信につながりました。全日本選手権は優勝するだけでも難しいハイレベルな戦いですが、去年はチャンピオンになれて、今年は二連覇を実現出来て最高の気分です。良い形で一年を終えられたので、自己採点は100点満点で90点をつけてもいいのではないかと思っています(笑)。

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田口勝彦 選手 – 全日本ダートトライアル選手権 SC2クラス

ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ昨年は、惜しくも一歩タイトルに届かずシリーズ2位で終えた田口勝彦選手。チャンピオン奪還を目指す2018年、マシンは引き続き三菱・ランサーエボリューションⅩを駆っての参戦となった。

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SC2クラスの2018年シーズンは、ヨコハマタイヤ勢のトップ4独占で幕を開けた。そして、この開幕戦で優勝を飾ったのが田口選手である。しかし第2戦の恋の浦、第3戦の切谷内はライバル勢が優勝、田口選手はともに準優勝でしっかりポイントを積み重ねる。そして田口選手が欠場した第4戦のスナガワを制したのはヨコハマタイヤ勢の上村智也選手、実に開幕から4戦全てで勝者が異なるという展開に。

後半戦に入りタイトル争いはますます混迷の色合いを濃くしていき、第5戦・門前と第7戦・コスモスパークは、第2戦を制したライバルがともに勝利してシリーズの主導権を引き寄せる。しかし田口選手もこれに食らいつき、第8戦の今庄で見事な逆転優勝を飾り最終戦へチャンピオン争いは持ち越しに。注目の最終戦、公開練習から気合いの入った走りを見せた田口選手は2ヒートともにライバルを大きく引き離す圧勝、見事にチャンピオン奪還をなし遂げた。

CHAMPION DRIVER

田口勝彦 選手 [2018年 SC2クラス シリーズチャンピオン]

長くSC2クラスをランサーで戦ってきましたが、それは今年が最後となります。来年からはDクラスに車輌も替えて移籍しますが、実は本来は東京オリンピックが行われる2020年から移籍するつもりでした。その計画を構想したのは3年前なのですが、ちょっと予定を一年早めることになったのです。

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2018年のシーズンに入ってから次の車が手元に来たのですが、思ったより早く車を作り上げることが出来そうな感じで、周りの人も「早く次の車で走りなよ」と言うので、ちょっと頑張って一年前倒しのクラス移籍という運びになりました。そんなこともあって、とても忙しい2018年というのが正直な感想ですね。

2018年は最終戦でのタイトル確定となりましたが、もつれた要因のひとつは自分にあるとわかっていました。つまり、次の車での参戦に向けて動き出した事で、ランサーの開発を止めたんです。細かい部分には目をつぶり、これまでの流れで行こうとしたのですが、そこをライバルに突かれたような感じですね。そこで夏にもう一度“褌を締め直す”ではないですが、ランサーの戦闘力をアップさせました。具体的には足まわりが少し合わなくなってきていたので、その点などを改善していきました。

最終戦は勝てるという自信がありましたが、もちろん上手く行くとは限りません。そこで公開練習の1本目から新品のタイヤを投入して、全開で行ってタイムを出してライバルにプレッシャーをかけていきました。思い通りに行ってライバルを2秒引き離せて自分の気分も良くなり、決勝でも第1ヒートで1秒上回って主導権をガッチリと握る事が出来ました。この差は本当に大きくて、自分は余裕を持って第2ヒートを走り、優勝でタイトルを獲得することにつなげられました。チャンピオンが最終目標ですから、自己採点は100点です。ただ、いままでやってきてスタートからフィニッシュまで完璧で100点の走りというのは無くて、あくまでもシリーズ全体の自己採点結果です。しっかり結果を残してSC2クラスのランサーを卒業出来たので、2019年はさらなる速さを求めて心機一転頑張ります!!

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谷田川敏幸 選手 – 全日本ダートトライアル選手権 Dクラス

2017年は横浜ゴムの創立100周年を記念して、Red in BlackのADVANカラーを駆ってチャンピオンに輝いた谷田川敏幸選手。一年限りのADVANカラーと思っていた人も多かっただろうが、2018年はADVANブランド40周年を記念して、昨年に引き続き伝統のカラーリングをまとうこととなった。あえて違いを探せば、ルーフに貼られた記念ロゴマークが創業100周年のものからブランド40周年のものに差し替えられている。

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2年目のADVANカラー、もちろん目指すは連覇あるのみ。その期待に応えて開幕戦を制すると、第2戦、第3戦と勝ち星を積み重ねて開幕3連勝を飾った。第4戦のスナガワこそ路面コンディションの影響もあって表彰台を逃してしまったが、この結果は谷田川選手の闘争心に一層火をつける結果となる。

シーズンの折り返しとなる第5戦の門前は、激しく追い上げてきたライバル勢をかわして4勝目。さらに第6戦の野沢、第7戦のコスモスパークと3連勝で圧倒的な強さを見せる。そしてこの過程において、第6戦で早々にチャンピオンを確定。6年連続のタイトルを手中におさめ、名実共に“最強のダートラ・ドライバー”として堂々の戴冠。その走りを支えたヨコハマタイヤの優れたポテンシャルも、あらためて実証される結果となった。

CHAMPION DRIVER

谷田川敏幸 選手 [2018年 Dクラス シリーズチャンピオン]

2年目のADVANカラーで戦った2018年ですが、車も更に煮詰めて速さを磨いてシーズンインしていきました。ドライバーも多少なるともレベルアップして、みなさんのご期待に応えてチャンピオンを獲得することが出来たので、とても良い一年になりましたね。

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長くダートトライアルをやってきていますが、今でもいつも緊張感に包まれた中で一戦一戦に臨んでいるので、シーズン後半になってチャンピオン獲得が見えてきた段階だからといって特別に緊張することはありません。チャンピオン確定が懸かった一戦であっても、あくまでもいつも通りに自分の走りをして勝てば良い、という感覚で走っています。

2018年のシーズンでひとつ大きかったのは、開幕戦の丸和をしっかり勝てた事ですね。オフシーズンの間にみんなが取り組んだことの結果が出るのが開幕戦ですから、そこで勝てたということはシーズンを戦ううえでの自信にもなりますし、なにより精神的に楽になりますしね。また今年の場合は、ラリーとジムカーナ、そしてダートトライアルと3つのカテゴリーで戦うADVANカラーが全て初陣を制しましたが、その中の一人として勝てて本当に嬉しかったです。

お蔭様で今年もチャンピオンを獲得して、ADVANの40周年にも華を添えることが出来ました。そんな一年を自己採点すれば、80点くらいでしょうか。シーズン後半、決して気を抜いているわけではなく自分なりに攻めて走っているのですが、終盤の2戦で勝てなかったのは反省点となるので、その分は減点ですね。2019年はシーズンを通じて限りなく100点に近い内容の走りをみなさんにご覧いただき、もちろん連覇を達成出来るように頑張っていきます!!

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UPDATE : 28.Dec.2018