2018 MACAU GRANDPRIX =Sunday Report=

2018 MACAU GRANDPRIX Sunday Report

マカオ市街地に作られた全長6,120mのギア・サーキットを舞台に、今年で65回目という節目を迎えた伝統のイベント「2018 マカオ・グランプリ』。

大会最終日となる11月18日(日)は、ヨコハマタイヤがワンメイクサプライヤーをつとめる「FIA WTCR(ワールド・ツーリングカー・カップ)」のレース2とレース3、そして同じくワンメイクタイヤを供給するメインレースの「FIA F3ワールドカップ」の決勝レースが行われた。


FIA Formula 3 World Cup

いよいよ11月18日(日)に迎えた第65回マカオ・グランプリのメインレース、FIA F3ワールドカップ。現地時間の14時から、グリッドをはじめ各所でイベントが行われ、15時10分には、グリッドにマシンがついた状態で、恒例のライオンダンスが行われた。

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15時30分からのフォーメーションラップを経て迎えたスタートでは、ダニエル・ティクトゥム選手がリード。ジョエル・エリクソン選手、サッシャ・フェネストラズ選手が並びかけ、リスボア・ベンドではフェネストラズ選手が2番手に浮上する。

しかしその後方では、アレックス・パロウ選手がリスボア・ベンドにヒットし、レオン・ホン・チォ選手、キーファン・スーリ・アンドレス選手がパロウ選手にクラッシュ。また、笹原右京選手もマシンにダメージを受けてしまう。さらにその先では、佐藤万璃音選手がクラッシュするなど荒れた展開となり、セーフティカーが導入された。

レースは3周目にリ・スタートが切られるが、今度はリスボア・ベンドに差しかかったユアン・ダルバラ選手の右リアタイヤに、今回紅一点として出場していたソフィア・フローシュ選手がヒット。フローシュ選手のマシンは、イン側の縁石に飛ばされるようなかたちとなってしまい、ターンインしていた14番手の坪井翔選手のマシンにぶつかった後、アウト側のフェンスを破り、カメラマンスタンドにクラッシュする激しいアクシデントが起きてしまった。

このクラッシュによりフローシュ選手が怪我を負ったほか、カメラマン2名、オフィシャル1名が負傷。坪井選手も病院に搬送されたが、大きな怪我はなかった。

救護活動とフェンスの修復のため、レースは即座に赤旗中断となり、現地時間16時53分にセーフティカースタートで再開された。残り9周でレースはリ・スタートとなるが、ここでエリクソン選手がフェネストラズ選手をパスし2番手に浮上する。

その後、エナーム・アーメド選手のクラッシュによりフルコースイエローが導入されると、レースは開催可能な残り時間が少なくなり、最終的には15周でチェッカーが振られることに。最後までリードを譲らなかったティクトゥム選手が優勝し、マカオ・グランプリを連覇。エリクソン選手が2位、フェネストラズ選手が3位に入り、ジェイク・ヒューズ選手が4位、ミック・シューマッハー選手が5位という結果となった。


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FIA WTCR (ワールド・ツーリングカー・カップ)

11月16日(金)に行われたノックダウン方式の予選、そのトップ10がリバースグリッドで争われる8周のレース2は、11月18日(日)の現地時間8時20分にフォーメーションラップがスタートした。

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スタートでは、ポールポジションのティモ・シャイダー選手がトップに立ち、2番手にはフレデリック・バービシュ選手が続く。しかし1周目のリスボア・ベンドでは、トップ争いの後方でヤン・エアラッシ選手とペペ・オリオラ選手がクラッシュし、オリオラ選手のマシンにランキング首位のガブリエレ・タルクィーニ選手、レース1ウイナーのジャン・カール・ベルネ選手、“キング・オブ・マカオ”の異名をとるロブ・ハフ選手らが相次いでクラッシュ。マシンにダメージを受け、ピットに戻ってしまう波乱が起きる。

一方トップに立っていたティモ・シャイダー選手は、4周目のマンダリン・ベンドでフレデリック・バービッシュ選手にかわされ、後方には同じ周にケビン・チェッコン選手をかわしたイヴァン・ミューラー選手が迫る展開となる。

ミューラー選手は、5周目にシャイダー選手のリアにピタリとつけると、6周目のリスボア・ベンドでオーバーテイクにかかるが、シャイダー選手は絶妙なライン取りでポジションを死守。逆転チャンピオンに向けひとつでも多くのポイントが欲しいミューラー選手と、WTCRでの自己最高位を守りたいシャイダー選手との戦いはファイナルラップまで続いた。

トップのバービシュ選手は最後までトップを守りきり優勝。2位はシャイダー選手が死守し、自己最高位を獲得。ミューラー選手は3位となり、これでタルクィーニ選手の305ポイントに対して287ポイントと接近してレース3に迫ることになった。

11時にフォーメーションラップがスタートした12周のレース3では、2番手スタートのエスティバン・グエリエリ選手が好スタート。トップに立ち、ロブ・ハフ選手、ジャン・カール・ベルネ選手、ノルベルト・ミケリス選手、そしてタイトルを狙うミューラー選手と続く。

山側が速いハフ選手に対し、海側が速いグエリエリ選手の攻防は序盤から熾烈さを増すものの、3周目にオーレリアン・パニス選手が山側コース上でストップ。4周目にセーフティカーが導入される。

レースは6周目にリ・スタートとなるが、山側でそれまで9番手を走っていたタルクィーニ選手がテッド・ビョーク選手をパス。タイトル争いはふたたび僅差となっていく。そんななか、三つ巴だったトップ争いは、11周目にベルネ選手がリスボア・ベンドでクラッシュし、グエリエリ選手とハフ選手の一騎討ちに変わる。さらに、タルクィーニ選手とミューラー選手の差はこのままの順位ならば4ポイント差という関係に変化した。

残り2周、息詰まる攻防が展開されるかと思われたところで、最終のRベンドでツォルト・ザーボ選手がクラッシュ。破片が飛び、セーフティカー導入となった。そのままレースは終了となり、レースはグエリエリ選手が優勝。ハフ選手が2位、ミケリス選手が3位となった。

チャンピオン争いは、セーフティカー導入直前にタルクィーニ選手が10番手にポジションを落とすものの、ミューラー選手が303ポイントだったのに対し、タルクィーニ選手が306ポイントを獲得。56歳にしてFIA WTCRの初代チャンピオンに輝いた。


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