2018 MACAU GRANDPRIX =Thursday Report=

2018 MACAU GRANDPRIX Thursday Report

マカオ市街地の一般公道を封鎖して特設された全長6,120mのギア・サーキットを舞台に、今年で65回目を迎えた伝統のイベント「マカオ・グランプリ」が、11月15日(木)に開幕した。

この週末、ヨコハマタイヤは1983年にマカオでF3が開催されるようになった初年度から35回目となるワンメイクタイヤ供給を行う『FIA F3ワールドカップ』をはじめ、前身のWTCC(世界ツーリングカー選手権)から引き続きワンメイクサプライヤーをつとめる「FIA WTCR(ワールド・ツーリングカー・カップ)」、タイヤコンペティションである「マカオ・ツーリングカーカップ」と、3つカテゴリーへタイヤを供給する。万全の体制でレースを支えるため、日本、アジア、ヨーロッパからスタッフが集まり、準備を進めてきた。

4日間のマカオ・グランプリの走行初日となった15日(木)は、各カテゴリーのフリープラクティスとともに、FIA F3ワールドカップの予選1回目が行われた。


FIA Formula 3 World Cup

ヨーロッパで開催され、毎年多くの若手ドライバーを輩出しているFIAヨーロピアンF3選手権、そして全日本F3選手権など、F3を中心に各国で覇を競ってきたドライバーたちが集結し、“F3世界一決定戦”として開催されるFIA F3ワールドカップ。ヨコハマタイヤが2017年から2年連続、今年で35回目となるワンメイクタイヤ供給を行う、マカオ・グランプリのメインイベントだ。今年は28台のマシンが集い、9時55分からフリープラクティス1がスタートした。

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曇天ながらドライコンディションでスタートしたフリー走行1回目は、2017年にこのレースを制したヨーロピアンF3ランキング2位のダニエル・ティクトゥム選手を先頭にコースイン。多くのドライバーは一度ピットに戻り調整を行うなか、3回目の挑戦となる全日本F3選手権チャンピオンの坪井翔選手、宮田莉朋選手が積極的に周回を重ね、タイムを縮めていく。

そんななか、上位陣のタイムは2分12秒台に突入していくと、カラム・アイロット選手、ジョエル・エリクソン選手らがタイムアップ。さらに、ユーリ・ヴィップス選手やティクトゥム選手がタイムを上げていく。

多くのセッションでクラッシュによる赤旗中断があるマカオ・グランプリながら、このフリー走行は接触こそあったものの、赤旗中断はなくセッションは推移。終盤にタイムを上げ、このセッションで2分12秒168というトップタイムをマークしたのは、ヨーロピアンF3選手権チャンピオンのミック・シューマッハー選手。アイロット選手が2番手、ヴィップス選手が3番手という結果に。坪井選手は9番手で最初の走行を終えることになった。

14時20分にスタートした予選1回目では、開始から13分に、レオン・ホン・チォ選手がポリス・ベンドでクラッシュ。コースを塞ぐかたちで停止してしまい、早々に赤旗中断となってしまう。

その後も片山義章選手がリスボア・ベンドでクラッシュ、エナーム・アーメド選手もポリス・ベンドでクラッシュして赤旗となるなど、荒れた展開となったが、そんななかで上位陣は2分11秒台へ。アイロット選手やティクトゥム選手が2分11秒台の前半に突入していく。また、そこに坪井選手や関口雄飛選手が食い込んでいった。

終盤、アーメド選手のクラッシュによる赤旗の後、再度再開されるものの、最終コーナーとなるRベンドで、今度は阪口晴南選手がクラッシュしてしまい、そのまま予選1回目は終了となった。最終的に予選1回目のトップとなったのは、2分11秒004をマークしたティクトゥム選手。次いでアイロット選手、シューマッハー選手というトップ3に。4番手はジェイク・ヒューズ選手、5番手に関口雄飛選手がつけた。


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FIA WTCR (ワールド・ツーリングカー・カップ)

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ヨコハマタイヤがワンメイク供給しているFIA WTCR(ワールド・ツーリングカー・カップ)は、三重県の鈴鹿サーキットで開催された第9ラウンドから、マカオに場所を移して最終戦が開催される。

9時05分からスタートしたフリー走行1回目では、ガードレールに接触するマシンはあったものの、赤旗中断なくセッションは推移。走行の多くでトップタイムをマークしていたジャン・カール・ベルネ選手が、終盤に2分31秒328にタイムを上げ、2015年に記録されたTCR車両によるレコードタイムを0.2秒更新した。

2番手につけたのはエスティバン・グエリエリ選手で、2分31秒903というタイムをマーク。“キング・オブ・マカオ”の異名をとり、このレースで強さをみせるロブ・ハフ選手は、2分32秒297で3番手につけた。チャンピオンを争うイヴァン・ミューラー選手は4番手。ガブリエレ・タルクィーニ選手は12番手で最初の走行を終えた。

13時30分にスタートしたフリー走行2回目は、午前に続き曇天。このセッションでも赤旗中断はなかった。そんななか、“キング・オブ・マカオ”の本領発揮となったのはハフ選手。終盤2分29秒766までタイムを伸ばし、この日の最速となった。

2番手につけたのは、ヤン・エアラッシ選手。その叔父であるミューラー選手が3番手につけることに。午前のトップだったベルネ選手は、4番手でこのセッションを終えた。タルクィーニ選手も順位を上げ、9番手で走行を終えている。

FIA WTCRは、このマカオでは変則のスケジュールで、11月16日(金)に予選、さらにノックアウト予選が行われ、17日(土)にレース1を、18日(日)にレース2、レース3を開催する。


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Macau Touring Car Cup

例年地元マカオや香港など、アジアから多くのドライバーが争うツーリングカーレースは、それまでの「Road Sport Challenge」と「Touring Car Cup」が2017年から統一された。新たな「Macau Touring Car Cup」において、前者が「Over1950ccクラス」、後者は「1600ccターボクラス」とされて今年も開催される。ともにタイヤはコンペティションで、ワンメイク制は採用されていない。

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11時35分から行われたフリー走行1回目では、開始から16分でクラッシュが起きたため、赤旗中断となる。その他にも接触等はあったが、中断は一度のみとなった。

30分間の走行で2分35秒502という総合トップタイムをマークしたのは、1600ccターボクラスのポール・プン・タク・チュン選手でヨコハマタイヤを装着するプジョー・RCZを駆る。ヨコハマタイヤ装着車では、総合4番手にオーバー1950ccクラス3番手のレオン・イアン・ベング選手もつけている。

その他にもオーバー1950ccクラスのトップ5中3台が、1600ccターボクラスのトップ5全車がヨコハマタイヤ装着車と、優れたパフォーマンスを初日から披露した。


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