2015 WTCC -FIA World Touring Car Championship- (4)

8回目にして初の関東上陸となった、WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)の日本ラウンド。11日(金)には戦いの舞台となる栃木県のツインリンクもてぎで30分間のテストセッションが行われ、一年ぶりに日本の空にWTCCのTC1車両がエキゾーストノートを轟かせた。


ツイリンクもてぎでの初WTCCに寄せる期待!!

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大会の開幕に先立って10日(木)には、東京都内で5人のドライバーによるインタビューセッションが催された。この場に顔を揃えたのはガブリエレ・タルクィーニ選手(ホンダ)、トム・コロネル選手(シボレーRML)、ティアゴ・モンテイロ選手(ホンダ)、ホセ・マリア・ロペス選手(シトロエン)、ニコラ・ラピエール選手(ラーダ)である。

各選手のコメントは別欄でご紹介していくが、一夜明けた11日(金)にはいよいよツインリンクもてぎでレーススケジュールがスタート。この日は12時30分からテスティング走行が30分行われたが、各選手は初開催コースということで特に貴重なこのセッションをフルに活用して走り込んでいた。

台風一過の青空が広がり、まぶしい日差しの下で行われたテスティングセッション。トップタイムをマークしたのはガブリエレ・タルクィーニ選手で1分57秒146、2番手0.513秒差でノルベルト・ミケリス選手となり、ホンダ勢がホームコースで幸先良い出だしとなった。

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そのほかではシトロエン勢ではホセ・マリア・ロペス選手が1分57秒669で3番手、メルディ・ベナニ選手が1分58秒152で6位、セバスチャン・ローブ選手が1分58秒169で7位、イヴァン・ミューラー選手は1分58秒852で9位。シボレーRML勢ではトム・コロネル選手が1分59秒077の11位で最上位、ラーダ勢ではニッキー・キャツバーグ選手が1分58秒075で5位に食い込む健闘を見せた。




もてぎでの戦いに臨むドライバーの思い!!

DRIVER VOICE

ホセ・マリア・ロペス 選手 [Citroen Total WTCC]

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日本に再び来られたことを、とても嬉しく思っています。日本は大好きで、特に昨年は鈴鹿でシリーズチャンピオンを決められたので、良い思い出であふれています。ただ、今年はまだ日本を含めて4大会を残しているので、シリーズ争いの状況は昨年とは異なっています。

昨年からTC1車両となりましたが、WTCCに参戦する以前、アルゼンチンでは長年ツーリングカーを走らせていて、その車両がTC1と似たスペックなので違和感なく乗れている感じです。シトロエンというリーディングチームで走れることがとても幸せですし、CエリーゼWTCCの走りをエンジョイしています。

ガブリエレ・タルクィーニ 選手 [Honda Racing Team JAS]

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昨年の鈴鹿では、第2レースで優勝を飾れて嬉しかったですね。第1レースの方がより重要という意見もあるでしょうが、優勝は素直に嬉しいものです。特にホンダにとっては日本で勝つということが重要ですし、私自身もいまは母国イタリアではレースをしていないので、ホンダと同様に日本がホームレースという感覚を持っています。

2年目を迎えるTC1車両ですが、ダウンフォースが旧規定よりも大きくなったので、それを利用して速さを出せるようになりました。もっとも、チームにはマシンのセッティングについて新しい試みを採り入れることも求められ、そのためにはテストの時間やコスト、人材も必要になっています。でも、これは変化でありチャレンジですから、とても前向きにとらえています。車両の進化と同時にタイヤも18インチになりましたが、グリップ性能が高くライフも伸びていて、そのパフォーマンスにはとても満足しています。

トム・コロネル 選手 [ROAL Motorsport]

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私は5年間日本に住んでいたので、日本の思い出は沢山あります。懐かしいことも多く、毎年できる限り長い時間を日本で過ごしたいと思いながら、WTCC Race of JAPANに来ています。今回はツインリンクもてぎが舞台ですが、いろいろなコースを転戦するWTCCにおいてもっともオーバーテイクシーンを観ることが出来るサーキットのひとつだと思います。1コーナー、ヘアピン手前、90度コーナーといったあたりが見どころになると思います。

今のTC1車両は、旧規定時代のような接触を伴う接近戦は難しくなった部分もありますが、速さは大いに増しています。僕たちレーシングドライバーは速さを楽しむ人種ですから、とても魅力が高まりましたね。日本は僕にたくさんのパワーを与えてくれる国だと思っているので、この週末もパーフェクトなレースを実現したいですね。

ニコラ・ラピエール 選手 [LADA Sport Rosneft]

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WEC(FIA世界耐久選手権)などに参戦してきましたが、今回WTCCにも出場することになりました。チームから誘いをいただき、夏にはポール・リカールでテスト走行をしてきました。WTCCのマシンに慣れる必要もあるので、いまはひとつひとつ勉強しているところです。やはりWECで走っていたプロトタイプカーとは全く異なり、FF(前輪駆動)ですし重さやバランスも別物です。チームメイトのロブ・ハフ選手のデータなども参考にして、まだまだ走り込みが必要ですね。

トヨタでWECを戦っていたので日本は大好きですし、多くの応援してくれるファンがいます。だから僕にとってのWTCCキャリアを日本でスタート出来ることを光栄に思っています。

ティアゴ・モンテイロ 選手 [Honda Racing Team JAS]

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シリーズのこれまでを振り返ると、アクシデントに見舞われることもありましたが決して悪い展開ではなかったと思っています。僕にとって日本はセカンドホームという位置づけで、先日は本当のホームレースが母国ポルトガルで開催されましたが、日本はその次に大切なレースだと思っています。

ツインリンクもてぎは、僕たちはテストでも走っていますし、レイアウトもアドバンテージになると思っています。夏のテストはとても成果があったので、大きな自信になりましたね。