ADAC Zurich 24h-Rennen 2015 (1)

メーカーワークスから純粋なプライベーターまで、多彩な顔ぶれが世界中から揃うニュルブルクリンク24時間レース。そこに集うものたちが目指すのは、丸一昼夜・24時間先に用意されているチェッカードフラッグだ。ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェを舞台とする伝統の一戦、2015年大会の模様をお伝えする。まずはレポート前半として、大会の概要などをご紹介していこう。


伝統のコースを舞台に今年も開催された24時間レース!!

[Photo]

今年で43回目の大会を迎えた「ADAC Zurich 24h-Rennen」(通称:ニュルブルクリンク24時間)。参加台数が160台近くと、世界最大規模のツーリングカーによる24時間耐久レースだ。舞台となるのは1927年に完成した1周20.8kmのノルトシュライフェ(北周回路)と近代的な1周5.1kmのグランプリコースを結んだ1周25.378kmのフルコース。

今年は直前に行われたVLN(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)レースで、レースカーがコースを飛び出して観客が亡くなるという事故があり、速度を落とすために速いクラスの車両には燃料リストリクターが義務付けられ、ノルトシュライフェの3箇所には200km/hと250km/hの速度制限区間が設定された。

ここニュルブルクリンクはアップダウンに富む山岳コース。自動車メーカーやタイヤメーカーのテストコースとしても利用されており、ここで結果を出すことは、優秀な性能を持つこととも言えよう。ヨーロッパはもちろんのこと日本を含めたアジアのタイヤメーカーの参戦も増えたが、横浜ゴムは1980年代よりヨーロッパのツーリングカーレースに参戦し、このニュルブルクリンク24時間にも長年にわたり参戦してきた。


ドライ3種類、ウェット2種類のタイヤを用意してチームをサポート!!

[Photo]

さらに今年はヨコハマタイヤがワンメイクタイヤ供給10周年を迎えているWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)もニュルブルクリンクで開催。WTCC全車のタイヤサービスもあり、今回24時間レースで横浜ゴムのタイヤを使用する車両数は17台と例年より少ない台数だったが、総合優勝を争うFIA GT3規定車両のクラスであるSP9 GT3クラスの21号車NISSAN GT-R NISMO GT3や、SP8クラスの49号車アストンマーティン・ヴァンテージV8、さらには146号車のオペル・マンタなどさまざまなキャラクターがそろった。

今年のイベントにエントリーした車両は160台ほど。予選を経て決勝レースに出走したのは151台で、これらは排気量や改造範囲などで21ものクラスに区分され、それぞれのクラスで順位を争った。

24時間用に準備されたタイヤの数は1,000本。SP9 GT3クラスに供給するタイヤは、日本のSUPER GT GT300クラスでNISSAN GT-R NISMO GT3が履いているタイヤをフィードバックしたもので、ドライ路面用スリックタイヤのコンパウンドはソフト、ミディアム、ハードの3種類で、ウェット路面用のレインタイヤはスーパーソフトとソフトの2種類。天候の変わりやすいニュルブルクリンクであるため、どのような天候でもチームのリクエストに応えられるようにしておきたいところである。


[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]



次回はいよいよスタートを迎えた、24時間決勝レースの模様をお伝えいたします。