2016 SUPER FORMULA Round 2 Report

【SUPER FORMULA 第2戦/岡山国際】

今季初のウェットレースとなった岡山国際サーキットでの第2戦、
セーフティーカー先導での8周で中断もレース成立で石浦宏明選手が優勝!!

SUPER FORMULA Round 2

開催日 2016年5月28日-29日
開催場所 岡山国際サーキット
(岡山県)
天候
路面 ウェット
決勝周回数 8周
(1周=3,703m)
参加台数 19台
SUPER FORMULA 第2戦

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

ヨコハマタイヤが今季からワンメイクタイヤを供給している「全日本スーパーフォーミュラ選手権」。その第2戦が、5月28~29日に岡山国際サーキットで行われたが、ドライコンディションの予選日から一転、決勝は激しい雨に見舞われた結果、僅か8周での成立となり石浦宏明選手(P.MU/CERUMO・INGING)が凱歌を上げた。

初夏を思わせるような陽気となった金曜日のフリー走行はもちろん、土曜日もまずまずの晴天に恵まれた岡山国際サーキット。午前のフリー走行に続き、公式予選は土曜日の14時10分にQ1がスタートした。

20分間のこのQ1では、セッション序盤から中盤にかけては各車1分15秒台のタイムに留まっていたが、ラスト7分から再度のアタックが行われた結果、1分14秒095で石浦選手がトップタイムをマーク。これに伊沢拓也選手(REAL RACING)、国本雄資選手(P.MU/CERUMO・INGING)が続くなど、14台がQ2に駒を進めたが、なんとここでストフェル・バンドーン選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がマシントラブルのために脱落。さらに小林可夢偉選手(SUNOCO TEAM LEMANS)もタイムが伸びず、フォーミュラ・レースの最高峰であるF1を知るふたりの注目ドライバーがいきなり姿を消してしまった。

14時40分から行われた7分間のQ2では、Q1をトップ通過した石浦選手が再び1分13秒897で首位の座を譲らず。さらに伊沢選手、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)までがトップ3となったが、アンドレ・ロッテラー選手と中嶋一貴選手(ともにVANTELIN TEAM TOM’S)、中嶋大祐選手、ベルトラン・バゲット選手(ともにNAKAJIMA RACING)といったドライバーたちが涙をのむことに。

そして14時57分から行われた同じく7分間のQ3では、塚越選手、伊沢選手、さらにはオリベイラ選手らが1分13秒台のタイムで上位を争ったものの、ここで石浦選手が1分13秒620をたたき出してモニターの最上位に浮上。その後このタイムを上回るドライバーは現れず、石浦選手の今シーズン初となるポールポジションが決定した。

しかし、日曜の岡山国際サーキットは早朝こそまずまずの天候だったものの、徐々に厚い雲がサーキット上空を覆い始める。9時から行われた30分間のフリー走行はドライコンディションだったものの、ピットウォークのころには霧雨から徐々に雨粒が大きくなり、サポートレースの全日本F3選手権・第6戦の決勝も全車レインタイヤを装着しての戦いになってしまう。

このため、15時スタートのスーパーフォーミュラの決勝も全車レインタイヤを装着してグリッドへ。さらに、徐々に雨脚が強まり始めたことで主催者はセーフティーカー先導によるレーススタートとすることを決定する。

オンタイムの15時ちょうど、セーフティーカーに先導されたまま各車がレース1周目をスタートさせるが、雨の中で電気系トラブルに見舞われるマシンが現れ、小林選手がステアリングを交換するためにピットインした他、2番手スタートのオリベイラ選手もセーフティーカー先導中にコース上でストップしてしまうなど、混乱が続いてしまう。

さらに雨量が増えたことから、セーフティーカー先導のまま8周終了の時点でレースはいったん赤旗中断に。ところが、この雨は弱まる気配を見せず、残念ながら決勝レースは再開されることなく終了。セーフティーカー先導の8周のみながら、レースは成立となり石浦選手が今季初優勝。2位に塚越選手、3位に伊沢選手が続く結果となった。

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

ENGINEER VOICE

秋山一郎 [ヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナル 開発本部長]

まず金~土曜日のドライコンディションでの走行では、路面コンディションの変化によって、タイヤのスタビリティの部分で影響をうける傾向が少しあったように感じました。このサーキットの路面と、我々のタイヤとのマッチングということだと思いますが、鈴鹿に比べてこの岡山では路面からの入力が少ないですし、想定したほどは気温が上がらず温まるのに時間が掛かったようです。

そのため予選でも7分間のQ2、Q3では早々にコースインしてようやく終盤にタイムが出るという感じで、結果的にセッションの最初から最後まで、ほとんどのマシンが周回を続けるという形となりましたね。セッションが始まってもずっとピットで待機していて、ワンアタックだけで終わってしまうような予選はスタンドの観客の方にとっては面白くないと思いますが、土曜の予選はその逆で、そういう意味ではシリーズの盛り上げに多少なりとも貢献出来たのかな、と。

ただ、決勝は一転してウェットとなりましたが、フリー走行がドライコンディションでしたので、そこでトライ出来なかったソフトコンパウンドは使用せず、全車使用経験のあるミディアムのレインタイヤで決勝をスタートしました。セーフティーカーによる先導は5周ほどで終わって、そこから本格的なレースがスタートするものと期待していたのですが、結果的に雨量が多くなってしまい、赤旗となり再開出来ず終了してしまいました。正直レインタイヤでのレースにとても興味があったので残念ではありますが、雨が強まってしまったので仕方なかったと思います。

次は7月の富士スピードウェイです。レイアウトもコンディションも違う舞台での戦いとなりますから、興味深いですね。