トップメッセージ

代表取締役社長兼COO 清宮 眞二

「よいものを、安く、スピーディーに」を追求

社長兼COOに就任して以降、最も重視しているのは、技術・生産改革による「よいものを、安く、スピーディーに」というモットーの実現です。2025年度も引き続き、自ら陣頭指揮を執りながら、現場改革と構造改革を進めてきました。
「安く」の面では、抜本的製造コストダウンの見込み額を当初の65億円から200億円以上へと大幅に上積みしました。これは一過性の施策ではなく、工場での原価改善や原材料調達改革を継続的に積み上げてきた成果です。市場競争が激化する中、コスト改善を継続できる体制そのものが、当社の競争力になっていると考えています。
「スピーディーに」の面では、「1年工場」に挑戦した中国・新杭州工場において、当初目標を1カ月前倒しし、「11カ月工場」として2025年 11月に試作タイヤの生産を開始しました。さらにメキシコ新工場についても、2026年後半の試作開始、2027年の量産開始に向け順調に進捗しています。
こうした低コスト・高効率工場への転換を進めることで、収益性向上と将来の持続的成長の両立を図っています。

技術力とブランド力が競争優位の源泉

当社の最大の強みは、世界的なプレミアムカーメーカーの厳しい要求に応える「独自のゴム配合技術」と「高度なチューニング技術」です。この技術力が評価され、プレミアムカーへの新車装着本数は2022年度比で1.3倍に拡大しました。また、最先端技術に挑戦するための壮大な実験場としてモータースポーツにも積極的に取り組んでおり、レースを通じて培った技術をプレミアムカーのタイヤ開発に活かしています。
これらの妥協なき品質へのこだわりと開発力が、「ADVAN」「GEOLANDAR」「ウィンタータイヤ」といったプレミアムタイヤの性能を支え、競争の激しい市場においても他社との差別化を図る源泉となっています。
一方で、汎用タイヤ市場では中国メーカーを中心とした価格競争が激化しています。当社は、プレミアム領域では技術力で差別化を図りつつ、汎用領域では低コスト生産体制の強化によって競争力を高めるという、「両輪」の戦略を進めています。特に、中国・メキシコ新工場では、大ロット生産や自動化を積極的に取り入れ、人的生産性を高めることで、グローバル競争に耐えうるコスト競争力の構築を進めています。

HAICoLabが技術革新を加速

当社独自のAI 利活用フレームワーク「HAICoLab(ハイコラボ)」は、AIとシミュレーション、そして人の知見を融合させる開発基盤です。AIが導き出した根拠を可視化することで技術者に新たな気づきを与え、原材料・内部構造の最適化に加え、開発期間の短縮を実現します。また、この最適化はタイヤの軽量化や原材料使用量の低減をもたらすとともに、CO₂ 排出量削減やリサイクル原料・再生可能原料の活用拡大にも貢献しています。
HAICoLabは、プレミアムカー新車装着タイヤと共に、高い次元で耐摩耗性・静粛性・低転がり抵抗などが求められるEV向けタイヤ開発にも活用されており、こちらも順調に進捗しています。

開発スピードを飛躍的に向上

激化する市場環境を勝ち抜くため、「HAICoLab」の活用と「新・開発モデル」の導入による開発のスピードアップを進めています。HAICoLabにより金型製作から評価までのプロセスを効率化し、開発リードタイムの最大50%削減を目指します。
また、ベース開発とプラットフォーム開発を並行して行う「新・開発モデル」により、従来比 2年以上の開発期間短縮を実現し、2026年下期から新商品を順次上市する予定です。

ステークホルダーへのメッセージ

2025年度は、中国・メキシコ新工場の立ち上げやAI活用による開発革新など、持続的成長に向けた基盤づくりを大きく前進させることができました。これらは単なる効率化ではなく、将来にわたって競争優位を維持していくための重要な取り組みです。
今後も、安全・品質を最優先とし、環境対応やDX人材育成など未来への投資を着実に進めます。そして、高付加価値商品による利益成長と低コスト生産体制の強化を両輪で進めることで、持続的な企業価値向上を実現してまいります。