2021 JDTC – Challenge with “Red in Black” (2)

2021 JDTC – Challenge with “Red in Black” (2)

スピードD車両は、安全面を中心とした規定さえ満たせば事実上改造範囲は無制限と言える。昨年までの全日本ダートトライアル選手権ではDクラスと称されていたが、2021年はJD1クラスと名称を改めたダートトライアルの最高峰クラスだ。このJD1にADVANカラーのBRZで参戦する谷田川敏幸選手は、これまでに15回のチャンピオンを獲得しているトップドライバー。新生・JD1の初代王者という称号も賭けた、2021年に臨む意気込みをお聞きした。


JD1 Class – 谷田川敏幸 選手

2019年の第5戦・門前からBRZを投入、昨年の開幕戦からはADVANカラーとして戦う谷田川敏幸選手。2017年から2シーズンにわたりADVANカラーのWRXを駆ったことも記憶に新しいが、谷田川選手にとっては4シーズン目のADVANカラーとなる。そんな谷田川選手、2021年になって2回目というテスト走行の会場で、開幕に臨む心境をお聞きした。

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「昨シーズンは新型コロナウイルスの影響で大会の中止や順延が相次ぎ、インターバルも長くなってしまいました。例年と異なることでストレスがあったりもしましたが、2021年は主催者の皆さんも開幕戦から開催に尽力されています。私たちもみんなで感染防止にしっかりつとめていくことで、コンスタントに各大会が開催されれば自分のリズムもとりやすくなると思っています」

マシンについて、このシーズンオフではどのような進化を遂げているのだろうか。

「サスペンションのリンク類を変更してジオメトリーを最適化したり、ショックアブソーバーの仕様変更などを施しました。D車両は改造無制限なので何でも出来ますが、あまりイジリすぎて間違えた方向に行ってしまうと迷ってしまうこともあるので、そこは慎重に進める必要があります。実際にはライバルと本番モードで走ってみなければ何とも言えないところでもありますが、自分としては走らせてみて良い感じに仕上がってきていると思います。一方で、まだまだ発展途上の部分もありますから、そこは開幕に向けてもっと詰めていきます」

PROFILE

谷田川敏幸 選手

大学在学中にモータースポーツをはじめ、全日本ダートトライアル選手権には1990年にデビュー。11月に丸和オートランド那須で開催された大会で、全日本初優勝を飾る。

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これまでに獲得した全日本選手権のシリーズチャンピオンは15回、SC3クラスで2005年から7年連続、Dクラスに移籍後も2013年から6年連続でチャンピオンという圧倒的な強さを見せてきた。2020年シーズンを終えた時点で、手元の調べでは全日本戦とJAFカップをあわせて98勝。

マシンは2019年の中盤から4WDに改造したBRZを駆り、2021年も昨年に続いてRed in BlackのADVANカラーをまとってタイトル奪還を目指す。



昨年までのDクラスは、今シーズンからJD1クラスへと名称を新たにする。参戦している立場で、クラス名称の変更は気になるものなのだろうか?

「JD1クラスは昨年までのDクラスとイコールなのでわかりやすい方だと思いますが、他のクラスは理解するのに時間がかかりそうですね。『JD●クラスって、去年までの何クラスだっけ?』という感じで(笑)。会場では場内放送を聞いて、例えば4WD車両が走るクラスなら見に行こうとなるのですが、それが今年の最初のうちは戸惑うことになりそうですね」

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ダートトライアルとジムカーナでは、クラス表記に加えてもうひとつ2021年は大きな規則の変化がある。決勝で2回のタイムアタックを行ったうちのベストタイムで順位を決する従来の方式に加え、新たに2回のタイムを合計したもので順位を決する方式も加えられた。いずれを採用するかは個々の大会主催者に委ねられており、全日本ダートトライアル選手権でも合算タイムで勝敗を決する大会が行われる可能性がある。

「合算方式はどちらかというとジムカーナから来ている話のようなので、ダートトライアルは従来と同じベストタイム方式を各主催者が選択するのではないかと個人的には思っています。もちろん規則ですから、合算方式となれば、『だったら、2ヒートともトップタイムであがればいいんだろう』という感覚で受け止めています。

変化もある2021年だが、クラスがJD1と名称を新たにしてもトップドライバー同士の手に汗握る接戦が続くことは変わらない。いや、むしろ昨年以上にヒートアップすることも間違いなし、あらゆるモータースポーツの中でも全日本ダートトライアル選手権の最高峰クラスは見応えある熱戦の舞台だ。そんな全日本ダートトライアル選手権は、いよいよ来週3月14日(日)に開幕戦を迎える。

「残念ながら無観客での開催となりますが、いよいよ2021年シーズンも開幕を迎えます。やはり開幕戦を勝てば精神的に次が楽になりますし、オフシーズン中に自分がやって来たことへの評価でもありますから、しっかり勝ってスタートダッシュを決めたいですね。開幕戦の舞台となるコスモスパーク、ここは土系の転圧路面です。天気によってはパウダーが出たりするので、セオリーとしては走行ラインを絶対に外してはいけませんね。そういう点にも注意しながら、慣熟歩行でしっかりと状態を確認して本番の走りにつなげていきます」

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谷田川選手の開幕直前インタビューも締めくくり、最後に2021年シーズンの抱負をお聞きしよう。

「去年、一昨年とチャンピオンを獲れなかったので、奪還に向けてシーズンオフの間も頑張ってきました。まずは開幕戦のコスモスパークで勝利を掴んで、そのままの勢いでチャンピオンを獲りたいと思っていますので、応援よろしくお願いいたします!!」

2021年も激戦が予想される全日本ダートトライアル選手権、ヨコハマタイヤではウェブサイトやFacebookページを通じて各大会の最新情報などをお届けして参りますのでご期待ください。また、ヨコハマタイヤとともに戦う各選手へのご声援も、よろしくお願いいたします!!