2017 MACAU GRANDPRIX =Friday Report=

2017 MACAU GRANDPRIX Friday Report

マカオ市街地に作られた全長6,120mのギア・サーキットを舞台に、今年で64回目を迎える伝統のイベント、『2017 マカオ・グランプリ』。走行2日目となる11月17日(金)は、ヨコハマタイヤがワンメイクタイヤを供給する『FIA F3ワールドカップ』のフリープラクティス2と予選2回目が、『WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)』のフリープラクティス2と予選、MAC3が行われた。また、『CTMマカオ・ツーリングカーカップ』も『オーバー1950cc』クラス、『1600ccターボ』クラスともに予選が行われている。


Macau Grand Prix FIA Formula 3 World Cup

FIAヨーロピアンF3選手権や全日本F3選手権などからトップランカーたちが集い争われるFIA F3ワールドカップ。全車がヨコハマタイヤの供給するコントロールタイヤを装着して行われるレースは、走行2日目となる11月17日、フリープラクティス2と予選2回目が行われた。

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11時50分にスタートしたフリープラクティス2は、前日よりもやや気温も高く感じられる晴天模様。計測2周目からミック・シューマッハー選手や、1日目から上位タイムを記録していたダニエル・ティクトゥム選手が早々に2分15秒台のタイムをマーク。さらに3周目には、ジョエル・エリクソン選手が2分14秒台、翌周にはティクトゥム選手、カラム・アイロット選手らが2分13秒台と、1周ごとにタイムが上がっていく。

しかし、開始から14分というところでペドロ・ピケ選手がマタニティ・ベントでクラッシュ。このセッション一度目の赤旗が提示される。再開後、12時18分にはポスト16付近でシューマッハー選手がクラッシュ。こちらも赤旗が提示された。

再開後、タイムを削ったのはランド・ノリス選手。さらにティクトゥム選手も2分12秒142へとタイムを縮めるものの、終盤さらにそれを上回ったのは、ジョエル・エリクソン選手。2分12秒032というタイムを記録しトップへ。直後、ラルフ・アーロン選手がモーリッシュヒル・ベンドでクラッシュしたため、12時37分にフリープラクティス2は終了となった。トップはエリクソン選手、2番手にティクトゥム選手、3番手にはフェルディナンド・ハプスブルク選手がつけた。

CTMマカオ・ツーリングカーカップ、WTCC等の予選をはさみスタートしたFIA F3ワールドカップの予選2回目は、WTCCで赤旗による走行中断が相次いだため、31分遅れの午後3時56分にコースオープンとなった。気温も午前に比べて低下したこともあり、開始直後からノリス選手、ハプスブルク選手らが2分13秒台のタイムを記録。また、牧野任祐選手、ダニエル・ティクトゥム選手もタイムを削っていく。

しかし、予選2回目開始から9分後、ユアン・ダルバラ選手がソリチュード・エスでバリアにヒット。マシンを止めてしまい、赤旗が出されて走行は中断。再開後は、ハプスブルク選手、グァンユー・ヂョウ選手らが2分12秒台、さらにセルジオ・セッテ・カマラ選手、ティクトゥム選手らが2分11秒台に入った。ただ、セッテ・カマラ選手はフィッシャーマンでスピンし、クラッシュ。ふたたび中断となった。

16時23分に走行再開となるが、リ・スタート後、ノリス選手が2分10秒744というタイムを記録し、ただひとり2分10秒台へ突入した。しかし、その5分後にわずか0.024秒差でノリス選手のタイムを上回ったのは、エリクソン選手。2分10秒720でトップに躍り出た。

ふたりのタイムに迫るドライバーはなかなか現れなかったが、16時40分、ヂョウ選手がテディ・イップ・ベンドでクラッシュし、予選2回目で3回目の走行中断となった。残り時間は5分21秒という時間ということもあり、ノリス選手らは再アタックを断念。ただ、カラム・アイロット選手が再開後に2分10秒810を記録し、3番手に浮上している。

最後のチャンスを活かすべく、多くのドライバーがアタックを繰り返すなか、関口雄飛選手が残り14秒というタイミングで、最終コーナー立ち上がりでクラッシュ。そのまま予選2回目は終了となった。エリクソン選手、ノリス選手、アイロット選手がトップ3という結果になり、ギュンター選手が4番手。ヨーロピアンF3のランキング上位が2列目までを独占する結果になった。


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WTCC (FIA世界ツーリングカー選手権)

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11月16日に行われたフリープラクティス1に続き、11月17日の9時15分にスタートしたWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)のフリープラクティス2。ただ、前日に続きダニエル・ナギ選手が走行開始直後、電気系統のトラブルでストップ。早々に赤旗提示されて、走行は中断となる。

再開後、ノルベルト・ミケリス選手が2分26秒768を記録するも、その直後にネストール・ジロラミ選手がフィッシャーマンズ・ベンドでトラブルに見舞われてしまい、ストップ。ふたたび赤旗中断となった。

その後、9時38分に走行再開となると、ミケリス選手、トム・チルトン選手、ロブ・ハフ選手らが積極的にタイムを記録。その後チルトン選手が2分25秒601で、トップに躍り出る。しかし、フリープラクティス2の残り5分というところで、ミケリス選手、メディ・ベナーニ選手、ハフ選手らがタイムアップ。このセッションはミケリス選手が2分25秒156でトップとなった。

13時30分からスタートしたWTCCの予選は、気温28度と暑さが際立つなかでの予選となったが、Q1から開始5分にマ・キンファ選手がマタニティ・ベンドで、その10分後にはニッキー・キャツバーグ選手がフィッシャーマンで、さらに12分後にはポ・ワ・ウォン選手がソリチュード・エスでクラッシュし、相次いで赤旗中断となってしまった。そのため各車とも満足なアタックができなかったが、チルトン選手が2分24秒912でトップタイム。ベナーニ選手、ミケリス選手と続いた。

続くQ2でも赤旗の提示が相次ぐ。ジロラミ選手がポスト16でバリアにヒットすると、それを避けきれなかったベナーニ選手が衝突。これで赤旗が出されたほか、午後2時35分にはRベンドでジョン・フィリッピ選手がクラッシュ。Q2に出走した12台のうち、Q1でクラッシュしながらもQ2進出を果たしていたキャツバーグ選手を含め、4台がストップする予選となってしまった。

最終的にQ2でトップ5に食い込んだのは、ハフ選手、エステバン・ゲリエリ選手、ミケリス選手、テッド・ビョーク選手、チルトン選手という5人。それぞれがシングルカーアタックで争ったQ3では、最後にアタックしたハフ選手が、ガードレールギリギリを攻める走りをみせ、2分23秒995でメインレースのポールポジションを獲得。ミケリス選手、チルトン選手というトップ3となった。

オープニングレースのポールポジションとなる10番手はジロラミ選手となったが、フリープラクティス2でのトラブルのためエンジン交換を行っており、グリッド降格に。オープニングレースはベナーニ選手がポールポジションとなった。予選後に行われたMAC3では、ポールスター・シアン・レーシングのボルボ・S60 WTCCが3台中2台アクシデントに見舞われており、レーシングスピードでは走れなかったため、ホンダの勝利に終わった。


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CTM Macau Touring Car Cup

例年地元マカオや香港など、アジアから多くのドライバーが争うCTMマカオ・ツーリングカーカップは、11月17日の10時20分から1600ccターボクラスの予選が、12時42分からオーバー1950ccクラスの予選が行われた。

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1600ccターボクラスでは、開始10分を過ぎるころに、ヨコハマタイヤを装着するプジョー・RCZのポール・プン・タク・チュン選手が2分36秒856を記録。その後、2台がリスボア・ベンドでクラッシュするなどのアクシデントがあったが、赤旗が提示されることはなく走行が続いた。

そんな中、フィリペ・デ・ソウザ選手やヨコハマタイヤを履くジェロニモ・バダラコ選手がタイムアップするものの、残り3分というところでアグレッシブなアタックを展開したのは、プン・タク・チュン選手。2分35秒510というタイムでポールポジションを獲得。バダラコ選手は3番手につけ、ヨコハマタイヤ装着車が1&3番手となった。

オーバー1950ccクラスでは、開始10分後にテディ・イップ・ベンドで火災が発生したマシンがおり、赤旗中断になったほか、開始から36分が過ぎたところで、フィッシャーマンでクラッシュが起き、二度の赤旗による走行中断となった。

各車とも3~5周ほどしか走行することができず、タイムアタックのチャンスが少ないなかでの予選となったが、ヨコハマタイヤを装着するレオン・イアン・ベング選手が2分33秒790を記録し、予選2番手につけた。また、5番手には同じくヨコハマタイヤを履くウォン・ワン・ロン選手がつけ、ヨコハマタイヤ装着車がトップ5のうち2台を占めている。


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