2017 MACAU GRANDPRIX =Thursday Report=

2017 MACAU GRANDPRIX Thursday Report

マカオ市街地に作られた全長6,120mのギア・サーキットを舞台に、今年で64回目を迎える伝統のイベント『2017 マカオ・グランプリ』が、11月16日(木)に開幕した。この週末、ヨコハマタイヤは2015年以来となる『FIA F3ワールドカップ』へのワンメイクタイヤ供給をはじめ、年間を通じてタイヤを供給する『WTC(FIA世界ツーリングカー選手権)』、タイヤコンペティションがある『CTMマカオ・ツーリングカーカップ』と、合計3カテゴリーへのタイヤを供給するため、日本、アジア、ヨーロッパからスタッフが集まり、タイヤの準備を進めてきた。4日間のマカオ・グランプリの走行1日目となった16日は、各カテゴリーのフリープラクティスとともに、FIA F3ワールドカップの予選1回目が行われた。


Macau Grand Prix FIA Formula 3 World Cup

ヨーロッパで開催され、毎年多くのF1ドライバーを輩出しているFIAヨーロピアンF3選手権、全日本F3選手権など、F3で覇を競ってきたドライバーたちが集結し、“F3世界一決定戦”として開催されるFIA F3ワールドカップは、2015年以来2年ぶりにヨコハマタイヤがワンメイクタイヤを供給するマカオ・グランプリのメインイベント。今年は22台のマシンが集い、9時35分からフリープラクティス1がスタートした。

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晴天のもと、先頭でコースインしたのは、ヨーロピアンF3チャンピオンで、ゼッケン1をつけるランド・ノリス選手。多くのドライバーは一度ピットインし、調整を行いながら再度コースへ。一方、4回目のマカオ挑戦となる山下健太選手や、昨年も参戦していたペドロ・ピケ選手らは、コースオープン以降積極的に周回を重ねていく。

そのなかで、好調なタイムを記録していたのは5台体制で参戦しているモトパーク・ウィズVEB勢。ジョエル・エリクソン選手が6周目に2分14秒916を記録。タイミングモニターの最上位に躍り出る。周回6周目には同じくモトパーク・ウィズVEBのダニエル・ティクトゥム選手も2分14秒995を記録し、同チームがワン・ツーを築いた。

しかし、周回10周目に2分14秒808を記録したのは、モトパーク・ウィズVEBのセルジオ・セッテ・カマラ選手。このタイムを破るドライバーは現れず、セッテ・カマラ選手がフリープラクティス1の首位に。エリクソン選手、ティクトゥム選手と、モトパーク・ウィズVEBがトップ3を独占する結果となった。

これにペドロ・ピケ選手。フェルディナンド・ハプスブルク選手といったヨーロピアンF3勢が上位に続くことに。終了間際、DRAGON選手がモーリッシュヒル・ベンドでクラッシュしたが、このとき赤旗は出されなかった。

予定よりも5分遅れとなる、14時15分にスタートとなった予選1回目は、午前に続き晴天。しかし、開始から4分後にDRAGON選手が、サンフランシスコ・ベンドでクラッシュしてしまい、まずは一度目の赤旗が提示される。14時26分には一度予選は再開されるものの、直後のマタニティ・ベンドでアレックス・パロウ選手がクラッシュ。ふたたびレッドフラッグとなった。

この時点でマキシミリアン・ギュンター選手が2分14秒359でトップに立っていたが、再開後上位陣は2分13秒台へ。まず2分13秒683というタイムを記録したのは関口雄飛選手で、さらにノリス選手も2分13秒674を記録。これをギュンター選手やピケ選手が上回っていく。

しかし、14時55分、Rベンドでフリープラクティス1の最速だったセッテ・カマラ選手が激しくクラッシュ。アウト側のスポンジバリアが飛散してしまい、50分間という長い中断に。セッションは15時45分に再開された。

残り11分29秒というなかで、各車がアタックを展開していくが、そのなかで2分12秒125、さらに翌周には2分11秒570とライバルを大きく上回るタイムを記録したのはノリス選手。残りわずかのところで、ユアン・ダルバラ選手がストップしたため四度目の赤旗となり終了となったが、ノリス選手のタイムを上回るドライバーは現れず、予選1回目のトップに。ピケ選手が2番手、ギュンター選手が3番手に続いた。


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WTCC (FIA世界ツーリングカー選手権)

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ヨコハマタイヤがワンメイク供給しているWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)は、栃木県のツインリンクもてぎで開催された第8ラウンドから、マカオに場所を移し、伝統のツーリングカーレースの名『マカオ・ギアレース』として開催される。

13時10分からスタートしたフリープラクティス1は45分間というセッション。ただ、開始直後にダニエル・ナギ選手がターン1立ち上がりでトラブルによりストップし、赤旗中断。再開後はふたたび各車がコースインし、ニッキー・キャツバーグ選手が2分31秒730を記録。さらに、メディ・ベナーニ選手、ロブ・ハフ選手が2分29秒台と、タイムを縮めていった。

しかし、それらのタイムを開始25分に上回りトップに立ったのは、もてぎ戦のメインレースでも優勝を飾ったノルベルト・ミケリス選手。2分27秒802というタイムで、ライバルたちを上回りトップに浮上した。

フリープラクティス1の残り4分ほどというところでは、ベナーニ選手がメルコヘアピンのアウト側ガードレールにヒットし、マシンを止めてしまうシーンもあったが、これはクレーンで移動されたためレッドフラッグは出されず、チェッカーとなった。

最終的にトップタイムとなったのはミケリス選手。2番手には2分28秒154までタイムを縮めたハフ選手がつけた。もてぎのオープニングレースで優勝したトム・チルトン選手が2分28秒745で3番手。クラッシュしたベナーニ選手が4番手、このマカオでひさびさのWTCC復帰となったマ・キンファ選手が5番手となった。

WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)は、このマカオでは変則のスケジュールで、11月17日(金)にフリープラクティス2と予選、そしてマカオで初開催となるMAC3が行われ、18日(土)にオープニングレースを、19日(日)にメインレースを開催する。


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CTM Macau Touring Car Cup

例年地元マカオや香港など、アジアから多くのドライバーが争うツーリングカーレースは、2017年から『Road Sport Challenge』がTouring Car Cupの『オーバー1950cc』クラスに、『Touring Car Cup』がTouring Car Cupの『1600ccターボ』クラスに名称が改められた。両クラスとも、タイヤコンペティションが存在するレースとなっている。

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10時35分からスタートした1600ccターボクラスのプラクティスは、プジョー・RCZやミニ・クーパーS、フォード・フィエスタといったマシンが主力。30分間に渡って行われた走行では、コースアウトやクラッシュも多発したが、ヨコハマタイヤを装着するプジョー・RCZのポール・プン・タク・チュン選手が周回4周目に2分40秒330を記録し、トップでプラクティスを締めくくった。

2番手につけたのは、ミニクーパーSのルイ・マン・キット選手。3番手には同じくミニクーパーSのセリオ・アルベス・ディアス選手がつけ、ヨコハマタイヤ装着車がトップ3を独占した。

12時27分にコースオープンとなったオーバー1950ccクラスは、ヨコハマタイヤを履く三菱・ランサーをドライブするレオン・イアン・ベング選手が2番手に0.805秒の差をつける2分35秒902というタイムを記録し、トップで走行を終えた。また、3番手にもヨコハマタイヤを装着するウォン・ワン・ロング選手がつけ、ヨコハマタイヤ勢がトップ5のうち2台を占めている。


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