2015 Japanese Championship Champion Interview (2)

2015 Japanese Championship Champion Interview (2)

改造範囲に応じて、PN、N、SA、SCの各部門が設けられている全日本ジムカーナ選手権。さらに排気量や駆動方式によりクラス分けがなされているが、2015年は3つのクラスでヨコハマタイヤを装着する選手がチャンピオンの栄冠を手中におさめた。このページではPN4クラスとN2クラスで、それぞれ連覇をなし遂げた選手をご紹介していこう。


岡野博史 選手 – 全日本ジムカーナ選手権 PN4クラス

2011年から戦いの舞台を、改造範囲の狭いPN部門へと移した岡野博史選手。ランサー・エボリューションⅩを駆って同年のチャンピオンを獲得、翌年は惜しくも2位に留まったものの、2013年は参戦した大会を全勝、そして2014年も出場した6戦で5勝を挙げて連覇をなし遂げた。

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三連覇への期待を背負って臨んだ2015年シーズン。PN部門はJATMAのラベリング規格、もしくは欧州のグレーディング規格に適合するタイヤの使用が義務化されたが、そんな中でADVAN NEOVA AD08Rを装着して開幕戦から快調な走りを見せた岡野選手。一方で、強豪選手もライバルとしてPN部門に移籍してきたことから、その戦いぶりは注目を集めた。

岡野選手はドライで戦われた開幕の岡山、そしてウェットとなった第2戦の鈴鹿を連勝。第3戦と第4戦は優勝に惜しくも一歩届かなかったが、しっかりと準優勝を飾ってチャンピオン争いを演じていく。後半戦に入ると再びチャージ、第5戦と第6戦で再び連勝を飾ってチャンピオンに王手をかける。そして第7戦・恋の浦、ライバルの順位により通算6回目のチャンピオンを獲得した。


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CHAMPION DRIVER

岡野博史 選手 [PN4クラス シリーズチャンピオン]

今年はPN4に移籍してくる選手もありましたが、開幕の時点では相手のポテンシャルも未知数のところがあるので、とにかく前半戦は思い切り行けるだけ行こうという思いでした。マージンをとっていては負けてしまうでしょうからリスクも覚悟で思いっきり行ったのですが、ペナルティを受けることもなく、タイムも良くて開幕から連勝して波に乗れました。

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第3戦と第4戦は若干のつまずきもあって「ツキが離れたのかな」という感じもありましたが、第5戦で3勝目を挙げられて。特に何かをしたということは無くて、とにかく一戦一戦をベストで戦うというだけなんです。ただ、会場に入ったら路面と車が接する唯一の部分であるタイヤについて、しっかり内圧に気を配るなど、基本的なことをしっかりやることで、ベストなパフォーマンスを出していけましたね。車についてもコースに対しても、PNで今年5年目ですから蓄積があるわけで、これは大きなバックボーンになりましたね。

ランサーでは最後のシーズン、良い形で終えることが出来ました。来年はWRX STIを投入しますが、例えばランサーでもモデルチェンジすれば別の車になりますから。だから今度は、メーカーも変わるんだよね、という感じの認識です。WRX STIについては、やはり煮詰めるための時間はかかると思います。そして2016年はフルパイロンコースが増えますが、稼げるころはパイロンのほうが稼ぐことが出来ますから。やはり魅せるところは魅せたいので、わざとパイロンに寄って行ったりして(笑)。2016年は車も変わるので心機一転ですが、攻めの走りをお客さんにも楽しんでもらえたら嬉しいですね。



小林辰朗 選手 – 全日本ジムカーナ選手権 N2クラス

2014年は、全日本選手権への初参戦から10年目という節目の年で、嬉しい初チャンピオンに輝いた小林辰朗選手。開幕戦の準優勝、第2戦では優勝と、シーズン序盤から波に乗って5勝を挙げたことは記憶に新しいところだ。そして、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ2015年。マシンは2007年からステアリングを握るRX-7、しかしこれ程までに苦しいシーズンになろうとは小林選手本人も予想していなかったことだろう。

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マシントラブルで、開幕戦は出走叶わずノーポイント。そして続く第2戦は借り物のマシンで参戦したが10位に終わり、僅か1ポイントを得るに留まった。序盤2戦で完全にライバルから出遅れ、8戦中ベスト6戦の有効ポイントで競われるシーズンは、負けることが許されない展開となる。

しかし第3戦で4位と復調の兆しを見せると、第4戦で自らのマシンを駆って待望のシーズン初優勝。ここから一気に3連勝を飾ってチャンピオン争いに加わると、第7戦は準優勝で最終戦に全てを賭けて臨むことに。注目の最終決戦、1本目はミスにより6番手に沈んだが、2ヒート目で見事な逆転優勝。フィニッシュ後は涙を見せた小林選手が、2年連続チャンピオンの栄冠を手中におさめた。


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CHAMPION DRIVER

小林辰朗 選手 [N2クラス シリーズチャンピオン]

本当に今年は苦しかったんで……。ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ2015年ですが、必ず連覇するんだというつもりでシーズンインを迎えました。ところが、開幕の岡山で金曜日にエンジンを壊してしまって。ロータリーエンジンは難しいようで、過去の諸先輩を見ても、一度壊すと完全に直すにはかなりの時間を要するんです。その苦しみを、第4戦まで味わいました。

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第4戦までは、本当に地獄の苦しみでした。それまでがトラブル知らずでしたから。周りからは「今年は諦めろよ」と言われたりもしたのですが、自分は全くそんな気はなくて「残り全部を勝ってやろう」という思いで。自分が目標するドライバーの一人である柴田優作さんなどは、そうして勝ってきていますから、自分もどん底から全戦勝ってチャンピオンになってやろう、という思いを強くしましたね。

チャンピオンを賭けた最終戦の第2ヒート、スタートで去年までなら緊張していたと思います。でも、まるっきり緊張しないのもダメですが、程よいくらいの緊張を作れるようになりました。それは去年から今年にかけて徐々に身についたところですね。最後は堪えきれなくて涙が出ましたが、とにかくホッとしました。大会の週はピリピリしていたようですが、本番の会場に奥さんが来てくれたことも精神的に大きな支えになってくれましたね。



UPDATE : 6.Nov.2015