2021 SUPER GT Round 5 Report

【SUPER GT 第5戦 / SUGO】

KONDO RACINGが大活躍を見せたSUGOラウンド、
GT300では88kgのSWを積んでなお3位表彰台をゲット!!

SUPER GT Round 5

開催日 2021年9月11日-12日
開催場所 スポーツランドSUGO
(宮城県)
天候 晴れ
路面 ドライ
決勝周回数 83周
(1周=3,586m)
参加台数 43台
(ヨコハマタイヤ装着車 20台)
SUPER GT 第5戦

全8戦で争われるSUPER GTはスポーツランドSUGOで第5戦を迎え、ここからシリーズ後半戦に突入することとなった。昨年はコロナ禍で開催サーキットが限定されたこともあって、SUGOでは2年ぶりのSUPER GTレース開催ともなり、加えて例年行われる公式テストも行われず、あらゆることがリセットされたこともあり、極めて混沌とした戦いとなることが大いに予想された。

初秋の東北は、他地区とは明らかに気候が異なり、衣類の読みを誤りがち。そういった意味で、今回は予想どおりと言うべきか。金曜日のSUGOには晴れ間が見られたが、曇りとなった土曜日の気温は24度、路面温度は27度から公式予選がスタートした。

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GT300クラスのQ1でヨコハマタイヤユーザーは、A組とB組ともそれぞれ5台が突破に成功。特にB組では「Studie PLUS BMW」の荒聖治選手がトップタイムを記録した。続くQ2では、「UPGARAGE NSX GT3」の名取鉄平選手が最後の最後で好タイムを記録し、2番手に食い込むことに。誕生日を自ら祝い、小林崇志選手とともに戦う決勝に期待を大いに抱かせた。また、元嶋佑弥選手とともに「JLOCランボルギーニGT3」を走らせる、小暮卓史選手も4番手を獲得。

ヨコハマタイヤユーザーはトップ10のうち、6台をも占めたが、最も驚くべくはポイントリーダーで前回のウィナー、「たかのこの湯GR Supra GT」の三宅淳詞選手がMAX100kgのサクセスウェイトを、ランキング2位につける「リアライズ日産自動車大学校GT-R」の藤波清斗選手も81kg積んで、それぞれ9番手、10番手につけたことだった。

一方、GT500クラスでは「WedsSport ADVAN GR Supra GT」の国本雄資選手が、そして「リアライズコーポレーションADVAN GT-R」の高星明誠選手が渾身の走りを見せてなお、13番手と15番手に留まり、それぞれ宮田莉朋選手、佐々木大樹選手にバトンを託せず。それでも、公式練習ではロングランのタイムには優れることを明らかにしており、決勝での激しい追い上げに期待が込められた。

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日曜日になると天気は一変して、上空には青空が広がるまでとなり、当然温度も著しく上昇。決勝レースを控えた時点で気温は29度、路面温度に至っては46度にまで上がっていた。そんな条件の中、「WedsSport ADVAN GR Supra GT」の国本選手、「リアライズコーポレーションADVAN GT-R」の佐々木選手は、それぞれポジションキープからレースを開始する。

今回のレースではGT500クラスに、トラブルを抱える車両が続出。そのつど2台とも順位を上げて、やがて国本選手は10番手、ポイント圏内にも飛び込んでくる。そして30周目に宮田選手と交代。ところが、45周目に突然の火災に見舞われ、「WedsSport ADVAN GR Supra」は無念のリタイアを喫してしまう。

一方、佐々木選手は36周目、最後まで後退を遅らせたことで一時トップも走るが、高星選手への交代後はポジションを落とす。しかし、終盤に入ってもアクシデントは相次ぎ、やはり徐々に順位は上がっていく。73周目には自力でのオーバーテイクにも成功し、最終的には6位でチェッカー。「リアライズコーポレーションADVAN GT-R」が2戦連続で入賞を果たした。

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GT300クラスでは「UPGARAGE NSX GT3」の小林選手が、ヨコハマタイヤユーザーのトップとして2番手からレースを開始。その後、3番手に落ちるも順調に周回を重ねていたが、マシントラブルが発生してピットで多くの時間を要し、大きく順位を落としてしまう。

代わってレース終盤に、主役の座を射止めたのが「リアライズ日産自動車大学校GT-R」だった。10番手スタートながら藤波選手がふたつポジションを上げ、31周目にJ.P.デ・オリベイラ選手にバトンタッチ。「WedsSport ADVAN GR Supra」のアクシデントでセーフティカー(SC)が導入されると、まだ交代を済ませていなかったチームは総じて順位を落とすことになり、また全車ピットに戻るとJP選手は、なんと6番手に。ウェイトを考えれば、これでも驚異のジャンプアップながら、JP選手はなおも追撃の手を止めず。ライバルの脱落とも合わせ、63周目には3番手にまで躍り出ると、そのままチェッカーまで駆け抜け、今季2度目の表彰台に立つこととなった。

そして、「グランシード ランボルギーニGT3」の松浦孝亮選手と坂口夏月選手が予選6番手から4位へ、「Yogibo NSX GT3」の道上龍選手と密山祥吾選手が予選12番手から6位へと躍進果たし、それぞれ今季初入賞を遂げた。

その一方で、一時は7番手を走行していた「たかのこの湯GR Supra GT」の三宅選手と堤優威選手だったが、最終ラップに後続車両の追突を食らって9位にドロップ。それでもランキング3位に踏み留まった。

DRIVER VOICE

高星明誠 選手 [リアライズコーポレーションADVAN GT-R]

【今回の成績 : GT500クラス 6位】
予選15番手から追い上げなければいけないという展開だったんですが、なんとかポイント獲りたいとチームとは話していて、それが6位という結果で実現できたので、本当に嬉しく思います。最後はペースも良かったんで、それはなぜペース良かったのか、なんで予選は遅かったのか、チームとヨコハマさんと話し合って解明していきたいと思います。

佐々木大樹 選手 [リアライズコーポレーションADVAN GT-R]

【今回の成績 : GT500クラス 6位】
序盤にトラフィックに引っかかってしまって、その時にピックアップ拾って、だいぶ差が広がってしまったんですが、その後は落ち着いてピックアップも取れて、300もばらけ始めたら、そんなに悪くなくて。前に追いついた形で高星選手に渡せたので、もうちょっと頑張りたかったな、というところはあるんですが、その後6位という結果につなげることができました。しっかりデータ取りできたので、今後に活かしていきたいなと思っています。次のオートポリスもまたチャンスだと思うので、あそこも路面は特殊で、いろいろな状況になりやすいので、そこをしっかり見据えて、またヨコハマさんと一緒に頑張っていきたいと思います。

国本雄資 選手 [WedsSport ADVAN GR Supra]

【今回の成績 : GT500クラス リタイア】
今まで実績のある、もてぎとか鈴鹿で使っていたタイヤと、新しいコンパウンドのまだテストしていないタイヤの2種類で、レースウィークを送りましたが、新規のコンパウンドは、想定していたグリップを出すことができなかったので、今までのタイヤで予選と決勝を戦いました。レースでは最低限コンスタントに走ることができたので、ポジティブなこともありましたし、ポイント圏内ぐらいのレースだったので、最後まで走れていれば……という思いはあるんですが、最後は火災が発生してしまって、リタイアで終わったのが残念です。宮田選手は無事でしたが、クルマが大きく燃えてしまったのが、心配な部分ではあります。また次戦に向けて、ヨコハマタイヤとチームと、TCDと力を合わせて、後半戦に向けて力強いレースができるように頑張っていきます。

藤波清斗 選手 [リアライズ日産自動車大学校GT-R]

【今回の成績 : GT300クラス 3位】
僕のファーストスティントのタイヤは違ったので、JPさんとは。でも、さほど差はなかったので、その選択で良かったと思います。この車重の中でチームの素早いピットワークで前に出られて、そこから運だったり、タイミングだったり、すごく良くて。JP選手もまたすごい走りを見せてくれました。これでランキングは2位、1ポイント差で。連覇したいんで、ここまで来たら、やっぱり。頑張りますよ!!

J.P.デ・オリベイラ 選手 [リアライズ日産自動車大学校GT-R]

【今回の成績 : GT300クラス 3位】
今日は3位で、すごくいい結果。ストラテジーとタイヤマネージメントでは、すごくいい仕事ができました。トップは速かったけど、3位はMAXな結果です。チームにありがとうって言いたい。オートポリスではまた頑張ります。チャンピオンシップを狙うために!!

松浦孝亮 選手 [グランシード ランボルギーニGT3]

【今回の成績 : GT300クラス 4位】
今回、持ち込んだタイヤは、温度レンジとサーキットに合っていて。でも正直SC出なかったら、最後まで保たなかったかもしれませんね。もう少し硬いタイヤで行くべきだったかな、と思うんですけど、それだとラップタイムが取れなかったかもしれないし、結果オーライです。今年このチームに入って初めてちゃんとレースできた感じもするし、レース中盤ペース悪くなかったので戦えていたと思うし、やっと。まわりはウェイト積んでいますけど、いいレースができたと思います。チームもノーミスでやれたし、自分たちが思い描いていったとおりに、事が進んでいったと思いますね。

坂口夏月 選手 [グランシード ランボルギーニGT3]

【今回の成績 : GT300クラス 4位】
今回から採用したコンパウンドのタイヤがグリップ高くて、ロングランに関しても今までの硬いタイヤに負けてないタイムを刻めていたので、すごくいい状態でした。僕がスタートで行って、交代した後も孝亮さんのペースがだいぶ良くて、それで前に行けました。タイヤは左2輪だけ換えました。右側はドロップもなくて、変な振動もなかったので、入る2、3周前ぐらいから行けるってことで、2輪交換で行きました。このチームで、やっと結果が出せてホッとしています。

道上 龍 選手 [Yogibo NSX GT3]

【今回の成績 : GT300クラス 6位】
予選はソフト目で行ったんですけど、今回は密山選手を先に行かせて、ロングスティントと思ったんですけど、密山選手の走っているフィーリングから我々のタイヤの状況を聞いたら、どうもフロントのソフトが厳しくなった、ということなので、僕はミディアムにチョイスを変えました、4本とも。それがライフ的にも良くて、最後までタイヤがバッチリで順位を6位まで上げることができたので、今回いいタイヤをチョイスすることができて、ありがたいです。

ENGINEER VOICE

白石貴之 [横浜ゴム MST開発部 技術開発1グループリーダー]

GT500クラスに関しては、SUGOが2年ぶりという事もあって最新の構造、コンパウンドがどう機能するかのデータが無く、予選では車両に上手くマッチングするタイヤを提供する事が出来ませんでした。それでもレースでは「リアライズコーポレーションADVAN GT-R」が鈴鹿に引き続き安定したタイムで追い上げる事が出来たので、そこは収穫かな、と。「リアライズコーポレーションADVAN GT-R」の連続入賞は、本当に嬉しいです。だからこそ、「WedsSport ADVAN GR Supra GT」のトラブルは、残念に思います。

GT300クラスの「リアライズ日産自動車大学校GT-R」は、単純にチームの力というところだと思います。あそこまで上がってくるというのは、本当にチームには頭が上がらないというところですね。

今回は純粋なSUGO向けということが試せていなかったので、そこは基本的に鈴鹿の踏襲という感じでした。その流れで上手くいった部分も、いかなかった部分もありました。。次のオートポリスもテストはしたのですが、ウェットになってしまったので、ドライのタイヤのテストができていません。

なのでSUGO同様、厳しい戦いになるかなと思うところはあるんですが、ちょっと時間もありますので、今回の結果を精査して少しでも結果につながる取り組みをしていきたいと思います。