【SUPER GT 第7戦 ／ もてぎ】

GT300クラスの表彰台をヨコハマタイヤ勢が独占、
リアライズ日産自動車大学校GT-Rがランキングトップに立った!!

SUPER GT Round 7

開催日	2020年11月7日-8日
開催場所	ツインリンクもてぎ (栃木県)
天候	晴れ
路面	ドライ
決勝周回数	63周 (1周＝4,801m)
参加台数	45台 (ヨコハマタイヤ装着車 23台)

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暦の上では立冬を迎えた週末、ツインリンクもてぎを舞台に、SUPER GTの第7戦が開催された。今回はウエイトハンデ半減のレースということで、前回までよりランキング上位陣は重さに苦しむことなく、戦いに臨んでいた。

GT300の公式予選Q1は、ヨコハマタイヤユーザーが11台も突破に成功。このところの好調ぶりを、改めて証明することとなった。続いて行われたQ2においては、トップにこそ0.2秒差で及ばなかったものの、2番手に「たかのこの湯RC F GT3」の久保凜太郎選手がつけて、三宅淳詞選手とともに決勝での活躍が期待された。しかし、前回の公式練習でクラッシュし、マシンを入れ替えたことから、決勝中の15秒ストップペナルティが後にアナウンスされて、実際には勝負権を失うことになっていた。

4番手は佐藤公哉選手がQ2を担当し、松井孝允選手とともに走らせる「HOPPY Porsche」が今季最上位に。また、SUPER GT2戦目のルーキー大滝拓也選手がQ2を任された「RUNUP RIVAUX GT-R」が5番手につけ、青木孝行選手とともにゴール寸前でリタイアに終わった、第4戦・もてぎの無念を晴らすことが期待された。そして、チャンピオン候補の一台である、「リアライズ日産自動車大学校GT-R」のJ.P.デ・オリベイラ選手も7番手につけ、藤波清斗選手ともに決勝でのさらなる躍進を誓っていた。

GT500では「WedsSport ADVAN GR Supra」の宮田莉朋選手がQ1で2番手につけ、ポールポジション獲得の期待もかかるが、Q2担当の国本雄資選手は5番手に甘んじてしまう。また、公式練習では2番手につけ、期待された「Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT」の武藤英紀選手と笹原右京選手だったが、Q1では温度レンジが合わず、笹原選手が11番手。「リアライズコーポレーションADVAN GT-R」の高星明誠選手とヤン・マーデンボロー選手も、Q1で高星選手が15番手とそれぞれ本領発揮を許されなかった。

例年なら最終戦として行われてきた、もてぎのSUPER GT。寒さに震えていた印象があったのだが、まだ1戦を残していたためではなかろうが、11月とは思えぬ穏やかなコンディションの中で決勝レースが競われた。

オープニングラップのうちにひとつ順位を上げ、5番手からレースを開始したのが「WedsSport ADVAN GR Supra」の国本選手。だが、それ以上ポジションを上げようにも、スティント中盤からのペースは今ひとつ。17周目のトラフィックで後ろに追いつかれて6番手に後退した後も、団子状態の中で一気に9番手にまで落としていた。23周目からのセーフティカー(SC)ランで、離されていた前との差を詰め、リ・スタート後の28周目に宮田選手と交代するも、タイミングとしては理想的ではなく……。それでも一時は8番手を走行していた宮田選手ではあったが、終盤のペースダウンが著しく、後続に相次いでかわされ11位でゴール、あと一歩のところで入賞は果たせなかった。

11番手スタートだった「Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT」の武藤選手は、タイヤのピックアップに苦しみ、なかなかポジションを上げられずにいたが、SCに合わせず30周までドライバー交代を伸ばしたことが、功を奏することともなった。また、笹原選手への交代と併せ、本来は最終戦の富士から使う予定だった、新構造のタイヤに交換。笹原選手がアウトラップで抜群の速さを見せたことで、大きく順位を落とさずに済み、またタイヤもしっかりマッチ。最後は3番手の車両に2秒差まで詰め寄ったのだが、それ以上は及ばず。しかし4位という結果を得ることになった。

そして「リアライズコーポレーションADVAN GT-R」は、8周目にマシントラブルが発生し、ピットでの修復を強いられることに。戦列復帰後は高星選手もマーデンボロー選手も、安定してタイムを刻んでいただけに、トラブルがなんとも惜しまれる。

GT300では序盤に「RUNUP RIVAUX GT-R」が大活躍。大滝選手が3周目には3番手に上がり、16周目には2番手に。しかし、前回同様、連続走行の最少周回数直後にSCが入り、その前にドライバー交代を行なっていたか否かで明暗が分かれてしまう。27周目に青木選手と交代した「RUNUP RIVAUX GT-R」は割を食った側。

逆に勝機を一気に手繰り寄せたのが、「リアライズ日産自動車大学校GT-R」と「グッドスマイル初音ミクAMG」だった。それぞれ4番手、5番手を走行し、片岡龍也選手から谷口信輝選手への交代は19周目、藤波選手からオリベイラ選手への交代は21周目と、まるでそうなることを見越していたかのよう。また、ピットで順位が入れ替わっていたのは「グッドスマイル初音ミクAMG」が左側のタイヤ2本の交換に留め、ロスタイムを最小限としていたからだ。

全車がドライバー交代を済ますと、この2台がトップを争う格好となっていたが、そのままでは満足ならなかったのがオリベイラ選手。厄介者がいなくなったから……と言わんばかりに、谷口選手に襲いかかり、32周目のホームストレートで並び、3コーナーでようやく前に出ることに成功する。その後、いったんは3秒差にまで広がった差が、ゴール間際には1秒を切ったものの、今シーズン2回目のウィニングチェッカーを受けることに成功。2勝目を挙げた藤波選手とオリベイラ選手は、待望のランキングトップにも躍り出ることとなった。

2位は「グッドスマイル初音ミクAMG」の谷口選手と片岡選手が獲得、そして3位は「RUNUP RIVAUX GT-R」だった。SCランで9番手まで退くも、青木選手の走りが冴えた。5番手を争う集団の中にいて、それが3番手を争う集団にも追いついてからが、まさに真骨頂。55周目、混乱に乗じて4番手に上がると、2周後には軽い接触もあったが、3番手にまで浮上して第4戦の無念を晴らす結果となった。