2015 MACAU GRAND PRIX Formula3 Report

【第62回 マカオ・グランプリ F3インターコンチネンタルカップ/ギアサーキット (マカオ・中国)】

62回目を数える伝統の一戦「マカオ・グランプリ」、
熱いストリートバトルをローゼンクビスト選手が二年連続制覇!!

MACAU GRAND PRIX Formula3

開催日 2015年11月19日-22日
開催場所 ギアサーキット
(マカオ・中国)
天候 予選レース:曇り
決勝レース:晴れ
路面 予選レース:ドライ
決勝レース:ドライ
決勝周回数 予選レース:10周
決勝レース:15周
(1周=6,120m)
2015 マカオ・グランプリ F3 インターコンチネンタルカップ

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

ヨコハマタイヤがコントロールタイヤの供給を開始してから、今年で33年目を迎える伝統のマカオ・グランプリ。近年はF3世界一決定戦とも称されて広く知られ、世界有数の歴史を誇るこのモータースポーツのビッグイベントは、今年も「第62回 マカオ・グランプリ」として11月19日~22日の4日間、マカオ市街地のギア・サーキット(1周6,120m)を舞台に開催された。

このイベントのメインレースである「Formula3 Macau Grand Prix」は、トップカテゴリーを目指す若いドライバーたちの登竜門として知られ、幾多のF1ドライバーが巣立っている。今年もヨーロッパ、北南米、アジアなど世界各国のドライバーたちが一堂に会した。

イベント初日となった11月19日木曜日には午前に40分間のプラクティス1回目が行われ、2回の赤旗中断が入ったものの、アントニオ・ジョバナッツィ選手が2分13秒829でトップタイムをマーク。

午後の公式予選1回目では赤旗中断のないままセッションが順調に進み、ここではフェリックス・ローゼンクビスト選手が2分11秒841をマークして暫定ポールを獲得。これに2分12秒663でカラム・イロット選手、2分12秒824ジョバナッツィ選手が続いた。

11月20日金曜日の2日目には、初日と同じくプラクティス2回目と公式予選2回目が行われた。前日よりやや日差しが弱まり、蒸し暑さの収まる中、午前のプラクティス2回目では1度の赤旗中断が入ったものの、マーカス・ポマー選手が2分11秒102でトップタイム。上位4台までが2分11秒台の好タイムを刻んだ。

公式予選2回目は、他のカテゴリーでタイムスケジュールが遅れ午後4時25分にスタート。開始早々にクラッシュが発生し赤旗となるが、再開後には2分10秒台のポールポジション争いが続いた結果、2分10秒474にまでタイムを伸ばしたローゼンクビスト選手が土曜の予選レースでのポールシッターに。2011年の覇者であるダニエル・ジュンカデラ選手が2分10秒687、チャールズ・レクラーク選手が2分10秒796で2~3番手となった。

大会3日目、11月21日土曜日には10周の予選レースが行われ、ポールポジションのローゼンクビスト選手がトップを守るも、その背後で多重クラッシュが発生。セーフティーカーが導入される波乱の展開となるが、リ・スタート後にローゼンクビスト選手を逆転したジョバナッツィ選手がトップでチェッカーを受ける。

しかし、1周目の接触に関してジョバナッツィ選手が降格処分となり、繰り上がりでローゼンクビスト選手が優勝し、日曜の決勝レースでもポールポジションスタートに。2位にレクラーク選手、3位にアレキサンダー・シムス選手が入った。

そしていよいよ迎えたイベント最終日の11月22日日曜日。オンタイムの午後3時30分に始まった決勝レースは15周の戦い。

1周のフォーメーションラップの後、午後3時34分にレースはスタート。ポールスタートのローゼンクビスト選手がトップに立つも、リスボアベンドでレクラーク選手が逆転。ところが、後方集団の中で多重クラッシュが起こり、レースは赤旗中断に。

午後3時53分のリ・スタート直後、ローゼンクビスト選手が再逆転で首位に立つと、そのまま逃げ切って優勝。見事連覇を果たした。2位にレクラーク選手、3位にシムス選手が続き、4日間のマカオ・グランプリは幕を閉じることとなった。

ENGINEER VOICE

金子武士 [ヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナル]

今年もマカオ・グランプリに向けては、F3用を含めて1000本以上のタイヤを準備して来ました。F3用のドライタイヤのスペックは、市街地での公道レースという路面状況に対応出来るよう、全日本F3選手権に供給しているものとは異なり、特別のものを準備しています。

コンディション的には、ずっと気温27~28℃、路面温度30~40℃というドライコンディションが続き、比較的週末を通じて安定した気温/路面温度だったと思いますが、想定していた温度レンジに入っていますし、たとえ後5℃くらい路面温度が上昇したとしても、問題なく安定したパフォーマンスを発揮してくれたと思います。基本的に各チームともに安定したラップを刻んでくれました。

初日は多少内圧の設定など、各チームによってばらつきがありましたが、セッションが進むにつれて、私たちの推奨範囲に収まって行った印象です。また、上位陣やマカオ常連のトップチームは、1台あたり3.5セットというタイヤの枠の中で、どのタイミングでタイヤをどのように使うか、あらかじめきちんとプログラムがあり、それに則ってニュータイヤの投入のタイミングを決めているのが印象的でしたね。