2014 MACAU GRANDPRIX Formula3 Report

【第61回 マカオ・グランプリ F3インターコンチネンタルカップ/ギアサーキット (マカオ・中国)】

今年も世界中からF3使いの猛者が集ったマカオグランプリ、
チャレンジングなストリートバトルをロゼンクビスト選手が制した!!

MACAU GRANDPRIX Formula3

開催日 2014年11月13日-16日
開催場所 ギアサーキット
(マカオ・中国)
天候 予選レース:晴れ
決勝レース:晴れ
路面 予選レース:ドライ
決勝レース:ドライ
決勝周回数 予選レース:10周
決勝レース:15周
(1周=6,120m)
2014 マカオ・グランプリ F3 インターコンチネンタルカップ

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今年で61回目を数えるアジア地域でもっとも長い伝統を誇るモータースポーツイベントのひとつが、マカオ・グランプリ。1983年からはF3(フォーミュラ3)をメインレースに据えて開催され、明日の飛躍を期待される世界各地の若手ドライバーが集い、いつしか「F3世界一決定戦」と呼ばれるレースとして世界中の注目を集めるようになっている。

初年度、1983年の勝者はアイルトン・セナ選手。1990年には、後に「皇帝」と称されたミハエル・シューマッハ選手が優勝するなど、F1への登竜門としても注目を集める一戦だ。そしてこの戦いを1983年から支え続けているのがヨコハマタイヤ。コントロールタイヤサプライヤーとして、長年に渡る優れたタイヤの供給や充実したサービス体制で大会をサポート、主催者やチームとの信頼関係も厚いものを構築している。

木曜日に走行はスタート、フリー走行1回目では元F1ドライバーであるゲルハルト・ベルガー氏の甥であるルーカス・アウアー選手が2分14秒645でトップタイムをマーク。午後にスタートした予選1回目は大きなクラッシュも無い安定した流れの中で行われ、中盤でアウアー選手がトップを奪う。しかし間もなくしてアウアー選手のタイムを塗り替えたのがトム・ブロンクビスト選手。こちらは元WRC(FIA世界ラリー選手権)チャンピオンであるスティグ・ブロンクビスト氏の息子であり、偉大なDNAを受け継ぐ若手が速さを競い合う展開に。最終的に予選1回目は2分11秒922にまでタイムを上げたブロンクビスト選手がリザルトのトップにその名を刻んだ。

金曜日はフリー走行2回目と予選の2回目が行われる。まずはフリー走行、ここではフェリックス・ロゼンクビスト選手が2分11秒743でトップタイムを刻んだ。しかしこのタイムを刻んだ翌周、ロゼンクビスト選手は山側区間でクラッシュを喫してしまう。赤旗が提示されたが、再開後にこのタイムが更新されることはなく、ロゼンクビスト選手がトップタイムとなった。

午後2時05分にスタートする公式予選2回目。前日の1回目との総合結果によって、明日の予選レースのスターティンググリッドを決するレースフォーマットである。午前のフリー走行ではクラッシュを喫したロゼンクビスト選手だったが、マシンの修復も叶って再び速さを見せる。早々に2分13秒台へと入れてくると、アウアー選手やエステバン・オコン選手らがこれを上回るタイムをマークしたが、終盤でロゼンクビスト選手が2分11秒506を叩き出して再びトップを奪う。その後、クラッシュ発生による赤旗提示で予選は終了、ロゼンクビスト選手が予選レースのポールポジションを獲得した。

土曜日の午後2時20分にフォーメーションラップがスタートした予選レース。このレース結果は日曜日の決勝レースにおけるスターティンググリッドへと反映される仕組みである。

注目のスタートを決めたのはポールポジションのロゼンクビスト選手。しかし2番手スタートのアウアー選手がマンダリンオリエンタルベンドに向かう過程で逆転、さらにリスボアベンドではマックス・フェルスタッペン選手がロゼンクビスト選手をかわして2番手へと浮上する。

トップを奪ったアウアー選手が逃げきりを図ったが、4周目にクラッシュが発生してセーフティカーが導入される。これによりマージンを失ったアウアー選手に対して、2番手にポジションを回復していたロゼンクビスト選手が襲いかかる。8周目のリ・スタートでスリップストリームを巧く活かしてトップに返り咲くと、そのままフィニッシュまでマシンを運んでウィナーに。2位はアウアー選手、3位はブロンクビスト選手という表彰台になった。

日曜日、WTCCなどの決勝を終えた後、午後3時30分からF3の決勝レースが行われた。スタート前にはグリッドで恒例となっているライオンダンスが演じられるなど、今年もマカオグランプリは賑やかな盛り上がりを見せていた。

注目のスタートでは2番手のアウアー選手がポールポジションのロゼンクビスト選手をかわしてトップに立つも、リスボアベンドでオーバーランしてしまいポジションを下げてしまう。替わってオコン選手とブロンクビスト選手がロゼンクビスト選手を追う展開となるが、なんとこの両者もサンフランシスコベンドでタイヤバリアにヒットしてクラッシュを喫してしまう。

このクラッシュは後続を巻き込む結果となり、レースコントロールは赤旗を提示して中断を決定。クラッシュ車両の回収やセーフティバリアの修復を行い、セーフティカー先導によってレースは再開されたが、実に6台のマシンがコース上から姿を消すこととなった。

リ・スタートではトップで生き残っていたロゼンクビスト選手が後続を寄せつけることなくポジションをキープ。このまま残る周回も逃げきりに成功し、ロゼンクビスト選手が5回目のマカオ挑戦で念願の優勝を飾ることに成功した。また、2位はアウアー選手、3位はニック・キャシディ選手という表彰台の顔ぶれとなった。

TECHNICAL INFORMATION

1983年から30年以上にわたって、マカオグランプリのF3レースにコントロールタイヤを供給しているのがヨコハマタイヤ。国内外のF3シリーズでもワンメイクタイヤサプライヤーをつとめているが、マカオの場合は他社タイヤを使うシリーズを戦ってきたドライバーも出場するため、公平性や平等性も強く求められることとなる。
そのため、ストリートコースという特殊性に加えて、こうした観点も見据えたコントロール性の良さも重視したタイヤを開発。もちろん高いグリップ力とのバランスも考慮され、普段は一般公道として使われているコースの路面特性も考慮した専用タイヤが用意されている。