全長6km以上の市街地コースを舞台に、今年で62回目を迎える伝統のビッグイベント、2015マカオ・グランプリが、11月19日の木曜に開幕を迎えた。
この週末、ヨコハマタイヤは1983年のワンメイクタイヤ供給開始から今年で33年目となる「Formula3 Macau Grand Prix」を筆頭に、他のタイヤマニュファクチャラーとのタイヤコンペティションがあるツーリングカーレースである「Macau Road Sport Challenge」、「Macau Touring Car Cup」と、合計3つのカテゴリーへのタイヤを供給するために1000本を超えるタイヤを準備してきた。
4日間のマカオ・グランプリの初日となった木曜は、各カテゴリーのプラクティスとともに、「Formula3 Macau Grand Prix」の予選1回目が行われた。
FIA F3ヨーロッパ選手権、全日本F3選手権など、各国のF3で今シーズン覇を争ってきた上位ランカーが一堂に会し、その年の真のF3世界一を決める「Formula3 Macau Grand Prix」は、今年もヨコハマが全車にコントロールタイヤを供給する、マカオ・グランプリのメインイベント。この日は午前9時35分から40分間のプラクティス、続いて午後2時20分からは同じく40分間の公式予選1回目が行われた。
F3最初のセッションとなったプラクティス1回目は、予定どおり午前9時35分からスタート。昨年のウィナーであるフェリックス・ローゼンクビスト選手、さらには2011年に優勝しているDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)ドライバーのダニエル・ジュンカデラ選手、昨年3位を得た全日本F3選手権チャンピオンのニック・キャシディ選手など、蒼々たるメンバーが顔を揃える中、最初に2分20秒を切って来たのは2分18秒432を刻んだアントニオ・ジョバナッツィ選手。
しかし、開始10分もすると多くのドライバーが2分20秒を切り始め、午前9時47分にはジョバナッツィ選手がトップタイムを2分16秒630に一気に押し上げる。
ところが、午前9時49分に山側セクションでジェイク・デニス選手がクラッシュしセッションは赤旗に。
午前9時55分にセッションが再開されると各ドライバーはさらにペースアップ。ローゼンクビスト選手が2分16秒522でトップに躍り出ると、すかさずジョバナッツィ選手が2分14秒750でトップを奪い返すも、ここで再びコース上の2カ所でクラッシュが発生し2度目の赤旗中断となる。
セッションは午前10時12分に再開も、残り時間は僅か3分で午前10時15分にチェッカー。このラストラップでタイムアップするドライバーが続出したものの、ジョバナッツィ選手が2分13秒829でトップを死守。ローゼンクビスト選手、マーカス・ポマー選手が3番手となった。
曇っていた朝に比べると眩しい日差しが照りつけ、熱さが増した午後2時20分。40分間の公式予選1回目が行われた。
セッションが開始されると、ジョバナッツィ選手が計測1周目に2分15秒161でトップに立つも、2周目にはローゼンクビスト選手が2分13秒483でトップタイムを塗り替えると、さらに翌周2分12秒735へとタイムアップすると、早くもピットインしてライバルたちの状況を伺う。
午後2時36分には、ジョバナッツィ選手が2分12秒824をマークしトップに迫ったものの、なかなかローゼンクビスト選手のタイムを上回るドライバーは現れないまま、セッションは後半へ。
山側でストップするマシンが出るものの、この公式予選1回目は赤旗中断のないまま淡々とセッションが進み、いよいよ残り3分に。ここで、再びピットアウトしていたローゼンクビスト選手が、2分12秒579にトップタイムを更新。残り2分を切ってカラム・イロット選手が2分12秒663で2番手に浮上するものの、ローゼンクビスト選手は残り1分で2分11秒841にタイムアップし、2番手以下を突き放すことに成功。
そのまま午後3時にチェッカーが出され、公式予選1回目は終了。ローゼンクビスト選手が、暫定ポールを手にすることとなり、2番手にイロット選手、3番手にジョバナッツィ選手が続いた。
セッションが始まると、まず計測2周目にトップに立ったのはミニ・クーパーSのセリオ・アルベス・ディアス選手。2分53秒276をマークしたセリオ・アルベス・ディアス選手は、同じミニ・クーパーSを駆るチャオ・チョン・イン選手をコンマ1秒抑えてトップにつける。
しかし、計測3周目にプジョーRCZのアンディ・ヤン選手が2分50秒613で一気にトップに。イン選手も2分51秒235にタイムを上げ2番手につけ、ディアス選手も2分51秒660で3番手に続く。
トップタイムをマークしたヤン選手は、その翌周ピットイン。その後しばらく上位陣のタイムアップはなく、セッションは落ち着きを見せるが、セッション半ばの午後1時46分にプジョーRCZのポール・プーン選手が2分47秒826と、一気に2秒以上もトップタイムを短縮しトップに躍り出る。
セッション終盤には、コース上に何台かストップ車両があり、なかなか各ドライバーがクリアラップを得られない状況となるが、その中でもプジョーRCZをドライブするケネス・ロック選手がタイムを上げ、2分50秒742を刻んで3番手に浮上したことで、残り8分の段階でトップ3はすべてプジョーRCZが占める形に。
結局そのまま午後2時03分にチェッカーフラッグが提示され、プーン選手が2番手のヤン選手に2秒7の大差をつけてトップタイムを獲得。3番手にロック選手が入り、ヨコハマタイヤユーザーがトップ4を独占してセッションを終えた。
F3のプラクティス1回目に続いて、午前10時30分からプラクティスが行われたのは、日産GT-Rや三菱ランサー、トヨタ86、スバルWRXなどの日本車、さらにはロータスやシトロエン、フォルクスワーゲンなどヨーロッパのスポーツカーが集う「Macau Road Sport Challenge」。こちらもタイヤコンペティションのあるカテゴリーながら、36台のエントリー中、半数を超える17台がヨコハマタイヤを装着しての走行となった。
オンタイムで始まったこのプラクティスは40分間。まずは2番手にスバル・インプレッサSTIのソウ・イェン・ホン選手が2分42秒987が浮上するが、開始10分のところで、ライバル車両が最終コーナー立ち上がりで車両火災に見舞われる。これで黄旗区間が発生したこともあり、上位陣のタイムアップはしばらくなくなってしまう。
さらにリスボアベンドや山側でタイヤバリアにヒットしたり、コース上にストップするマシンが出るものの、セッションはそのまま続行。その結果、午前10時48分にはトップタイムが2分38秒301にレベルアップする中、ランサー・エボリューションVIIをドライブするロー・カイ・フン選手が2分39秒649で3番手、ランサー・エボリューションXのウォン・ワン・ロン選手が2分39秒925で4番手に浮上してくる。
そしてセッションが残り10分を切ったところで、さらにトップタイムは2分37秒908と、37秒台へ。続いてフン選手が2分38秒072で2番手につける。
結局そのまま午前11時10分にセッションは終了。ヨコハマタイヤユーザーでは、フン選手の2番手が最上位となり、順調に最初のセッションを終える結果となった。
UPDATE : 19.Nov.2015