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作業事例 紹介シリーズ 「軽トラ早期磨耗によるアライメント調整」


2021.2.22追記
お知らせコーナーにアライメント メニューを追加致しました。

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今回もまたアライメントの作業事例です。





日頃からご贔屓頂いているお客様がローテーション希望でご来店されました。
確認してみると、フロントがスリップサイン出るほど減っていました。

そこで、このサイズはタイヤの中で最も安価な部類なので、既に使えない(スリップサイン出ているので)タイヤをローテーションするより、ローテーション代をタイヤ代に宛てて、フロント2本買った方が良いですよと提案させて頂きました。

すると「この車は新古車でまだ8000kmなんだけど、フロントの減り方がおかしい」とのことでしたので、
色々とご相談し、フロント2本を新品交換してからトー測定をしてみることにしました。

すると、トーインが少々強めになっている事が判明しました。

何故このように強いトーインが付いていたのかはわかりません。

これでも車検時のサイドスリップは通過するのでしょうが、
アライメント的にはタイヤの早期磨耗を起こす要因と考えられるので弱トーイン程度に調整を行いました。

元々軽トラのフロントは、車の使われ方(配達などの業務用途が多い)や普段走行する道路環境にそのタイヤ幅の細さもあり寿命は短めなんですが、
そういったアライメント外の影響による早期磨耗と、アライメントによる早期磨耗では、磨耗の性質が変わります。

その点、今回の状態はトーイン過多による早期磨耗の傾向が見えていて、測定値もそれを肯定するデータとなりましたので、調整を行いました。

以前、145/80R13サイズのOEタイヤを装着されたN-BOXにお乗りのお客様に、「フロントタイヤがとても早く減っていて、アライメントがおかしいんじゃないかと人に言われた」というご相談をうけた事があったのですが、そのフロントタイヤを見てみるとタイヤの両ショルダーがツルツルになっていました。空気圧は規定以上は入っていました。オドメーターは1万kmを越えていました。

そこで、私はお客様に尋ねました「普段走られる道にカーブは多いですか?」と。
するとお客様は「カーブばかりです」とお答えになりました。

このお客様の早期磨耗は、アライメントとは別の所に要因があったわけですね。
この場合、このお客様に最も効果的な提案はタイヤサイズの変更でしょう。

実は、世のユーザーが「タイヤの減りが早い」と感じる時、全ての原因がアライメント不良なわけではありません。
その為、アライメント商売の場においては、最初にドライバーであるお客様からしっかりとヒアリングを行い、そして現車の状況を観察する事が大切です。

そして、その為にはスタッフの方にもアライメントの知識が備わっている事が必要な事は言うまでもないのですが、このアライメントというのは大変に奥が深く難解な概念で、例えばアライメントを理解しようとすれば、必ずサスペンションジオメトリの理解も必要になりますが、そこにサスペンションセッティングの概念も入ってきますし、そうなるともう複雑怪奇な世界です。

正直なところ僕(店長K)もまだまだ道半ばです。山の頂の1合目の理解しかできていない自覚があります。

ですので、先に申し上げさせていただきますと、もし当店にたいして
「サーキットを速く走る為のアライメントセッティングをしてほしい!」
とご希望されても、そのご期待には応えられません(笑) 
そういった需要には、そういった事の経験が豊富なレーシング屋さんをお尋ね下さい。

我々が標榜するのは「タイヤの早期磨耗を防ぐアライメント」です。


そんな、家計簿応援系アライメント調整をこれからもよろしくお願いします。


ちなみに、もしかしたらこの強トーインが何らかの理由により意図的に調整されていたものという可能性が無くもないのですが、軽トラでそれはあまり考えられないと判断しての調整でした。


マツダ スクラム
フロント トー調整
工賃 5,500円(税込)

最後に、今回のアライメント調整において、ちょっとした実験を行いましたのでご紹介します。

アライメントを理解する上で理解が必要なサスペンションジオメトリー。
今回はその初歩であるロールステア(バンプステア)現象を勉強しましょう。

百聞は一見にしかずということで、動画をご覧ください。

スタッフYが運転席に乗り込んだときに、トーがアウトに動いているのがわかりますね?
これがロールステアもしくはバンプステアと呼ばれる現象です。

人間が運転席に乗りむと、体重の重みでサスペンションが縮んでいます。
Kトラは特にその動きが大きいので、このようにはっきりとトーが動きます。

何故このような現象が起きるのかの説明は、またいつかやりたいと思います。


余談ですが、このロールステアの動く向きをタイロッドがフロントタイヤの前と後のどちらかにあるかだけで判断している人をインターネットで見たことがありますが、それは大きな間違いですのでご注意下さい。
ロールステアがどう動くかはサスペンションアームの支点と、トーコントロールリンク(タイロッド)の支点との、相対的な位置関係で決まるので、タイロッドが前にあってもバンプトーインでもバンプトーアウトの両方が作れてますし、その逆も然りです。

事実として、世の大半の車両はタイロッドが後引きです。そして大半の車両はフロントはバンプトーアウトに動きます。
そして、今回の軽トラックは逆にタイロッドは前引きです。しかし見ての通りバンプトーアウトに動いています。

タイロッドが前にあるか後ろにあるかでロールステアの向きが逆転する事そのものは事実ですが、判断基準をその1点だけに絞って考えてしまうと、とんでもない誤解をしてしまいますのでご注意下さい。