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作業事例 紹介シリーズ 「オデッセイ アライメント調整」

ホンダデッセイのアライメント調整作業事例です。

アライメント作業をご希望される動機は

「フロントタイヤの異常磨耗」

です。

結論から言えば、今回のアライメント作業は
当店の理想とする形で終る事はできませんでした。

今回のフロントタイヤ偏磨耗の根源的な要因となるミスアライメントは
リアトーの左右アンバランス
であると推察されます。

しかし、今回それを直す事が出来なかったのです。

今回、お電話でお問合せを頂いた時に、お客様にはいつものように問診をさせて頂いているのですが

①フロントタイヤの偏磨耗は車両購入店のPIT入庫時に指摘され発覚。
②片側のタイヤの内側などはトレッドの内部構造まで露出するほど磨耗しており、とっくに交換時期が過ぎていて直ちに交換しなくてはいけないといわれた。またこの減り方は異常があるとも指摘された。
③しかし、この車は同じお店で最近点検を受けたばかりで、その時は何も言われなかった。そんなに危険なほど減っているなら、前回の点検でも十分予兆があったはず
④致し方なしにその場でタイヤを交換したが、以前より当該店舗では納得できない事があり、今回こうなった原因を別のお店に相談したいと考え、インターネットで調べて当店に行き着いた。

以上がお客様が当店へご連絡を頂くまでの経緯と、今回アライメントを希望された理由になります。

次に当店からお客様へいくつか質問をしました

Q車両はなんですか?
A オデッセイ  

Q年式型式はわかりますか?
A わからない。買ってから何年もたっている。

Q年間の走行距離はどれくらい走りますか?
A具体的にはわからないが、沢山走るほうだと思う
(おそらく年2万kmレベルの走行量)

Q普段走る道に山道やカーブが多い道はありますか?
A有る

Q普段走っていて、車がまっすぐ走らないというような感じはありますか?
A特に感じていない

Q何か特徴的な事故などをした記憶はありますか? 例えば山道等で脱輪・落輪しちゃったとか
Aあまり記憶に無い

これらの問診から得られた情報から、お客様のお車は元々タイヤの減りが平均よりも早くなる環境にいる事が推察されました。


以前、タイヤの磨耗が異常かどうかを診断する時は、必ずお客様の使用環境等を調べて総合的に判断しなくてはいけないという趣旨のお話を書いた事があります。


今回の事例でいえば、お客様は年間の走行距離が大変に多く、そして普段走る道もカーブの多い山道であることから、一般的な平均の磨耗よりも数段早く進行する土壌があります。
そうすると、一般的な使用環境のお客様であれば問題が顕在化しない磨耗の偏りが、ことこちらのお客様の場合においてば“問題”と知覚されてしまう事が考えられます。

我々は普段から沢山タイヤ交換をしておりますが、左右のタイヤの減り方に多少の偏りがある事自体は珍しくありません。でも、それが問題にならないのは、ほとんどのお客様にとってタイヤがそうなるまで3~5年くらいかかるので「時間寿命として十分」と感じて、それを異常と感じる事がないのです。

ですが、タイヤの磨耗速度が早い環境にいる車の場合、タイヤの寿命が1回の車検スパンである2年で終了する事が珍しくありません。
そうなった時、僅かなズレにより起きていた偏磨耗が悪目立ちしてしまい、無意識に一般平均と比べてみてしまうと「著しい偏磨耗」だと認識してしまうという事です。
(そしてこの認識を作業店側の方がもってしまうと、お客様に対して「車に問題がある」という伝え方をしてしまい、自身の車に対する不信感が不必要に育ててしまうのです)

ここで重要なのは、たとえその偏磨耗が解消されたとしても、そのお客様がタイヤの磨耗速度が平均より早い環境にいるという条件自体は変わっていないので、一般的ユーザーよりタイヤの寿命が短いという現象そのものに変わりはないという事です。

ここをよく理解して事前にしっかり話しこみをしないと
「アライメントを取ったのに結局タイヤの減りは早いままだった!」
などという風な評価が下されてしまいます。
アライメントは決して魔法ではないのです。物理法則を越える奇跡を起こすような事はできません。

以上の認識を踏まえた上で、お客様には一度ご来店いただく事となりました。

電話対応の段階で、今回のオデッセイが世間的に最も売れていたRB型の後期くらいかな~なんてイメージを抱いていたので、おそらくリアトーに多少の狂いがあるんじゃないかと考えていました。
そして、オデッセイというのは昔から伝統的に4輪独立懸架であり、リアはダブルウィッシュボーンだったので、4輪トー調整を行えば偏磨耗の改善はある程度見込めると踏んでいました。
でも、前途したように生活環境が変わらない限り、人よりタイヤ寿命が早い事は変わらないよ? そういう説明をしようと思っていました。


当日、ご来店したオデッセイを見るまでは

当日、ご来店されたお客様のオデッセイを見て、僕は己の失敗に気付きこのアライメントの結末に予感を覚えました。

見てのとおり、今回のオデッセイは現行世代のプラットフォームが使われているRC型だったのです。

オデッセイはこのRC型から、リアサスペンションが一般的なトーションビームに変わっていたからです。

つまり、もしリアトーがずれてても調整できません。
この世の中に調整する方法が無いわけではないですが、当店のアライメントサービスの範囲外となってしまいます。
それに、それが出来たとしても費用が全く変わってしまうので、それでも調整するかどうかといえば疑問が残ります。(前途したようにそもそもが磨耗が早い環境)

ただ、まだリアトーに問題があると決まったわけではありません。調整できるフロントの方に問題があるのかもしれません。


そんなわけで、お車をお預かりして測定を開始しました。

やっぱりリアトーずれてました・・・orz

ただ、一応フロントのトーインも多少強めに付いてる傾向があるので、これを少し直せば多少の改善は期待できそうです。
ですが、リアトーが狂っていて車がまっすぐは進まないので、この車は後軸と前軸が別々の方向を向きながら結果的にお互いの進行方向が相殺しあって結果的に真っ直ぐ走るという走り方をします。
(この程度のズレであれば、平坦な道で意識してみないと多分気付く事はないです。無意識にハンドルで前軸の向きを補正して真っ直ぐに走って運転してます)

なので、今のタイヤが最後まで磨り減った時、またもう一度左右ので減りが違う偏磨耗が起きるのでしょう。それ自体は避けられないのです。
期待できるのは、フロントのトーインを少し緩めて、磨耗のスピードを少しでもゆるやかにすることくらい。

作業前の説明の段階で、もし原因がリアトーだけだった場合は調整作業は中断して測定料のみ(3300円)を頂き、フロントトーにも改善の余地があれば作業を続行するというお約束となっていました。

ということで、いつものように歴戦のスタッフYさんに指示通りの数字に収めてもらいました。

作業完了後、偏磨耗の原因と思われる箇所と、それ自体は直せない事の説明
および出来る箇所の改善は行ったので、これで今後様子を見てほしいという趣旨のお話をして今回のアライメント調整作業は終了となりました。

なんとも歯切れの悪い終り方で申し訳ないのですが、今回は当店の力不足でした。

ご用命ありがとうございました。
状況が少しでも改善される事を願っています。


■アライメント作業料金(ホンダ オデッセイ)
・前輪トー調整(一般国産車) ¥5,500